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タイトル「2010年度シラバス」、フォルダ「2010年度シラバス?大学共通科目(自然科学分野等科目)
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 エネルギー学の基礎 
担当教員 放送大学 
対象学年 1年,2年,3年,4年  クラス 学部:自然001 
講義室   開講学期 2学期 
曜日・時限 集中  単位区分 選択,査定外 
授業形態 一般講義  単位数 2,0 
準備事項  
備考  
授業の詳細1 「主任講師」
 吉岡 一男(放送大学教授)
 林 敏彦 (放送大学教授)

「講義概要」
 エネルギー資源や省エネルギーあるいは地球温暖化等、エネルギーに関わる問題は現在いろいろな方面で取り上げられており、その対策が論じられている。エネルギー問題は誰にとっても避けることのできない問題といえよう。本科目ではこの問題を考える際に不可欠な、エネルギーに関わる現象の科学的な基礎知識を与える。そして、その知識が現実の問題を考えるのに際してどのように適用されるのかを、産業、技術、社会、経済、日常生活のいくつかの場面での問題で示し、合わせてこれらの問題の理解を深める。講義はどの専攻の学生にも理解できるように、初歩的な事柄から話を進める。

「授業の目標」
 エネルギーとその保存法則やエントロピーとその増大の法則あるいは熱平衡・非熱的平衡等の熱力学・統計力学の基礎的な概念や法則の本質を理解する。そして、これらの法則をもとに実際のエネルギー問題を考えるに際して、概念や法則を正しく適用し、ある程度の定量的な見積もりができるようにし、また、正しい適用と定量的な見積もりが重要であることを理解させる。物理化学的および数学的予備知識は、必要に応じて解説し、これらの知識に疎い学生も、エネルギーに関わる科学的知識の骨格を身に付けて、正しく応用できるようになることを目ざす。 
授業の詳細2 1 エネルギーとは何か?
 「エネルギー」という用語がわれわれの生活でよく使われる。いろいろな場面における「エネルギー」の使われ方を吟味し、この用語の科学的な意味を辿る。そして、エネルギーの変換とエネルギーの保存則の理解が重要であることを示す。

2 熱や温度や仕事とは何か?
 「熱」や「温度」や「仕事」という用語も日常生活でよく使われるが、これらの概念も必ずしも正しく理解されてはいない。いろいろな場面における使われ方を吟味し、「熱」や「仕事」がエネルギーの一形態であることについての科学的な理解を与える。さらに「温度」は、時間的に変化せずいつまでも保たれている状態(熱平衡状態)で成り立つ概念であることを述べる。

3 ミクロの世界から見た熱現象
 これまではエネルギーに関わる現象を日常生活の尺度からのマクロな眼で考えてきた。これを原子・分子の尺度からのミクロな眼で眺めると、これらの現象の本質が理解できる。ここでは、ミクロの立場から解説する。

4 元に戻れる変化と戻れない変化
 状態のいろいろな変化には、元の状態に戻ることが可能な変化と元の状態に戻ることの不可能な変化とがある。後者の変化には熱が関わっていることを学び、この変化を定める基礎的な自然法則も学ぶ。さらに、この法則が熱機関の効率の上限値を決めていることを解説する。

5 変化の方向を示すエントロピー
 どの変化が元に戻ることが可能かあるいは不可能かの指針を与える量が「エントロピー」である。「エントロピー」という用語は日常生活にでもしばしば使われるが、ここでは、エントロピーの性質とその意味をミクロな立場からの理解も含めて学ぶ。 
授業の詳細3 6 変化のない状態で使われる物理量
 熱平衡状態で成り立つ物理量は、温度の他にもいろいろある。ここでは熱平衡状態で成り立つ代表的な概念やそれらの物理量の間の関係を表す代表的な法則についてまとめる。さらにこれらの法則が、熱平衡状態を調べるのにどのように用いられているかについても述べる。

7 変化している状態とその法則
 ここでは変化しつつあって熱平衡状態にない状態(非平衡状態)における現象を科学的に扱うために、どのような法則や概念が用いられているかを概観する。

8 異なる状態が共存するメカニズム
 現実の世界では、異なる温度や密度等の物理量の熱平衡状態が共存している場合が多い。宇宙から日常生活に至るいろいろなスケールでの例を挙げて、このような状態が保たれるメカニズを考える。この知識は、地球温暖化問題を考える上でも重要である。

9 エネルギーと生活文化
 前章までに学んだ科学的知識をもとに、以後の章ではわれわれの生活から社会全体に至るエネルギーに関わる問題を考える。電化製品や交通機関あるいは発電等では、ある形態のエネルギーが他の形態に変換されている。エネルギーはどのような生活を支えているのだろうか?

10 エネルギーと食生活
 われわれがものを食べる大きな理由は、生きていくために必要なエネルギーを得るためと見ることができる。ここでは食生活に焦点を当てて、いろいろな食料の生産から摂取や消化そして廃棄に至るエネルギーの流れから食料確保の問題等、「食」に関わる問題をエネルギーの観点から眺めてみる。 
授業の詳細4 11 いろいろなエネルギー資源とその特徴
 われわれが用いているエネルギー資源には、化石燃料、核燃料から水力、風力、太陽光等いろいろのものがある。ここでは、それらの代表的なものを取り上げて、その総量や利用効率あるいは廃棄物等の面での特徴を挙げて、その将来性を考える。

12 原子力エネルギーの展望
 関西電力や九州電力では、既に、発電量の44〜45%を原子力に依存している。原子力発電は二酸化炭素排出量が少ないという利点も持っている。他方、原子力発電に対する社会的受容には大きな問題もある。原子力エネルギーの制御方法と社会的利用のあり方について考えよう。

13 エネルギーの需要と供給
 経済活動におけるエネルギーの役割、一次エネルギー源への国際的な需要と供給。エネルギー価格の長期的な推移。生活、生産、輸送、産業構造における省エネの意味やエネルギーリサイクル等についても考えてみる。

14 エネルギーと国際政治
 中進国の工業化、先進国の生活水準の向上などの要因によって、エネルギー需要は拡大を続けると予想されるが、資源の存在地域と資源の需要地域とは地理的に隔たっている。そのためエネルギー資源をめぐっては国際紛争が起こりやすい。どうすればよいだろうか。

15 将来のエネルギー問題の展望
 ここでは、これまで学んだことの整理と応用を兼ねて、近い将来起こることが予想されているエネルギー問題とその対策を中心に、遠い未来の予測も含めて考える。 
授業の詳細5 [成績について]
AA:特に優れた成績を示したもの
A:優れた成績を示したもの
B:良好と認められる成績を示したもの
C:合格と認められる成績を示したもの
F:不合格

[開講時期]
2学期
※講義スケジュールは、2年生、3年生のオリエンテーションに配布した資料で
確認してください)
・2クォーターの履修変更期間までに、履修登録されている科目以外は、履修す
ることができません。
・6月末に開催される「放送大学科目・本登録説明会」に出席し、その場で、放
送大学への出願票に必要事項を記入の上、提出しないと履修が正式に認められま
せん。

[テキスト]
放送大学より送られてくる資料を使用する。

注意:4年生は原則履修できない。(理由:放送大学の試験結果通知が本学の卒
業判定時期と同時期であるため卒業判定が困難となります。2・3年次での履修
を推奨します。)

(その他何かわからないことがありましたら教務部までお越しください) 
授業の詳細6  
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授業の詳細8  
授業の詳細9  
授業の詳細10  


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