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KUT新入生教育ワークショップ2005実施概要

パネル
はじめに
 高知工科大学では、2006年2月17日に新入生教育ワークショップを開催いたしました。その概要を以下に示します。
写真集

開催の趣旨
 本学は基礎学力と学習意欲の多様な入学生に対する新入生教育として、スタディスキルズを開講し3年目を迎えました。本ワークショップでは、スタディスキルズ授業の3ヵ年の実績についての報告とともに、学生の自主的な学習意欲を支援するためのプログラムを実践されている3大学の関係者から実施事例を発表頂きました。いずれの大学も文部科学省の「特色ある大学教育支援プログラム」に選定されており、先進的なそして豊富な実績をお話頂きました。さらに、高知県教育委員会(高等学校課)の方及び産業界のリーダーの方のご出席を頂きました。また、スタディスキルズを履修した学生からの報告もプログラムに加えました。高校、大学、企業のそれぞれの関係者が一堂に会し、新入生教育のあり方について有意義なワークショップが行われました。
 なお、このワークショップは、文部科学省の「特色ある大学教育支援プログラム」の選定を受けた事業の一環として開催したものです。

実施概要
  • 日時 2006年2月17日(金) 13:20〜16:45
  • 会場 教育研究棟 C102
  • 参加者 総数50人
  • 参加者内訳 大学教員、大学事務局、企業人事担当者、企業技術担当者、一般、 本学教職員、本学学生

プログラム実施内容
 本ワークショップの総合司会は、武田光由(本学教育講師)が担当いたしました。 最初に、本学工学部長の坂本明雄が、開会の辞とともに、本ワークショップの開催趣旨、目的、本学の取組み概要など申し上げました。
以下にプログラムの概要を記します。

@「スタディスキルズ」3ケ年間の実施報告
 本学におけるスタディスキルズの3ヵ年の実績について、原田 淳(教育講師)が、その背景、導入教育の必要性、目的また教育講師制度の概要、実施方法、具体的内容及び学生の自己評価結果に関して報告いたしました。また今後の展開としてチャレンジポイント制度の導入について説明を行いました。
A「スタディスキルズ」履修学生からの報告
 本学物質環境工学科1年の安岡佳江さん(地元の高知県立山田高校出身)と社会システム工学科3年の小野正人君(神奈川県立鎌倉高校出身)により、スタディスキルズを履修して何が得られたか、その効果について体験に基づく報告が行われました。
B講演1:山口大学における「おもしろプロジェクト」について
山口大学工学部副学部長三浦房紀先生から、同大学の「おもしろプロジェクト」の取組み事例の報告を頂きました。これまでの10ヵ年の実績成果の説明や参加した学生の体験談が披瀝され、おもしろプロジェクトが、他では得られない「学び」の機会になっているとのことでした。
C講演2:金沢工業大学における「工学設計教育とその課外活動環境」について
 全国的に評価の高い金沢工業大学の教育システムについて、実技教育部長の松石正克先生から、工学設計教育のねらいと具体的な内容について説明を頂きました。また「ものづくり」活動の拠点としての「夢考房」などの課外活動を支援する制度について具体的な報告を頂きました。
D講演3:秋田県立大学における「問題発見・解決支援型の学生自主研究制度」について
 システム科学技術学部加藤正名先生から、同大学での1,2年生を対象とした学生自主研究活動の制度をご紹介いただきました。実地体験による問題発見・解決能力の育成をねらいとした多くの取組み事例とその教育評価結果についての報告を頂きました。
E講演4:読解力向上プログラムについて
 高知県教育委員会事務局高等学校課指導主事の濱渦一正先生から、国際的な学力調査結果のデータをもとに、我が国の小学校、中学校教育では、読解力が不足しているのではないか、これからは「考える力」を中核とし、「読む力」、「書く力」を総合的に高めていくことが重要であるとの報告を頂きました。
F講演5:これからの製造業に期待される人材像
 松下電工株式会社の中村良光顧問から、企業の技術者の立場からまた学生を採用する立場から、ご自分の職業観や企業における人材育成の実際について具体的な説明とともに、これから求められる能力特性―プロフェッショナル能力、問題形成・問題解決能力、影響力―に関して、さらに採用面接でのポイントについて詳しい説明を頂きました。
G講演6:スタディスキルズ制度の創設とこれまでの効果について
 本学のスタディスキルズ、教育講師制度の生みの親である河田 耕一(就職センター長)から、創設時のねらいと3ヵ年間での効果について、また今後の課題と展開に関して報告が行われました。
Hパネルディスカッション
 パネラーとして、山口大学の三浦房紀先生、金沢工業大学の松石正克先生、秋田県立大学の加藤正名先生、高知県教育委員会の濱渦一正先生、松下電工株式会社の中村良光顧問に参加頂きました。また本学の河田耕一も出席しました。コーディネータは、本学の伊藤綱男(教育講師)がつとめました。 新入生教育について、次の3つの話題に関してご発言を頂きまた、活発な討論が行われました。

  • 話題1:学生の自主的な学習意欲をいかに高めるか、その方法事例、教員側の工夫、仕組みづくり、その効果について(学生の多様化に対応し、基礎スキルアップ及び自主的な学習意欲を支援するための仕組みづくりそしてその教育効果、または評価の問題。)
  • 話題2:大学における人間力教育、目標とする内容、講義での組み入れ、事例、効果について、また、企業の採用時点での人間力を見る眼、判断基準などについて
  • 話題3:チャレンジ精神をいかに発揮させるか、その方法、仕組み、具体事例、効果、問題点について (本学でも2006年4月から「チャレンジポイント制度」が発足する予定です)。
  • また、会場参加者からの質問に対する回答及び意見交換が行われました。 会場からは、多くの大学で、学生の学習や研究に対して自主的・意欲的取組みを促進する仕組みが工夫されていることが分かったなどの感想が述べられました。

最後に本学工学部長坂本明雄の閉会挨拶により無事ワークショップを終了いたしました。会場参加者からのアンケート(ご意見、ご感想)を頂きました。なお詳細記録は後日、冊子として取りまとめる予定です。