電子講義:量子ゲーム理論

全卓樹

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    量子ゲーム理論(3-1)

古典戦略とナッシュ平衡

それではここから少し系統的にゲーム理論の説明を行っていこう。

この解説ではプレイヤーがアリス(A)、ボブ(B)二名で、それぞれが二つの戦略「0」と「1」を選択肢に持つようなゲームを考える。往々これを略して「2x2ゲーム」と称する。一般的にはこれはAとBの利得マトリクス

MA=
[ A00
A01 ]
[ A10
A11 ]
 ,
MB=
[ B00
B01 ]
[ B10
B11 ]
(3.1)

プレイヤーが戦略0、1を選択するという「純粋戦略」を

u0= [1]
[0]
,
u1= [0]
[1]
(3.2)

という行ヴェクトルで表してみる。今アリスが戦略0と1を夫々確率 x0 、x1での割合で混合して選択するという「混合戦略」をとるとすると、それはヴェクトル

x=
[x0]
[x1]
= x0 u0 + x1 u1
(3.3)

で表す事ができる。ここでもちろん全確率は1という条件 x0+ x1 = 1 を置かねばならない。同様にボブが戦略0と1を夫々確率 y0 、y1の割合で混合して選択する混合戦略 ( y0+ y1 = 1) は

y=
[y0]
[y1]
= y0 u0 + y1 u1
(3.4)

で表せる。いま行ヴェクトルに対応する列ヴェクトルを記号 + で表すとする。例えば

x+= [x0 , x1]
(3.5)

少し考えると、このときにアリスが期待できる利得 ΠA(x, y) は(3.1)の各エントリー Aij に、対応する事象の起こる確率 xi yj をかけてすべての成分を足し合わせればよい事が判る。全く同様にボブが期待できる利得 ΠB(x, y) は Bij xi yj を i, j = 0,1 で足し合わせればよい。これらは上のマトリクスとヴェクトルを使って書くと

ΠA(x, y) = x+ MA y
,
ΠB(x, y) = x+ MB y
(3.6)

である。

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