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タイトル「2008年度シラバス」、フォルダ「2008年度シラバス?放送大学科目
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 技術者倫理 
担当教員 放送大学 
対象学年 2年,3年  クラス 学部:人社002 
講義室   開講学期 2学期 
曜日・時限 集中  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 「主任講師」
札野 順 (金沢工業大学教授)

「全体のねらい」
本科目を修了した履修生は以下の行動目標を達成できることをねらいとする。
1. 科学技術の発展に伴い、人間の「行為」の領域が拡大した。したがって、技術を実践する「行為者」である技術者には、新しい「倫理」が必要であることを理解できる。
2. 技術的解決の結果が、社会や環境に与える影響の範囲と大きさを理解できる。
3. 技術に関する意思決定を行う際に、考慮すべき種々の「価値」について認識できる。
4. 技術者が担う特別の責任について、その歴史的背景を含めて、理解できる。
5. 技術を実践する上で、発生し、技術者が直面する可能性のある倫理的問題を認識できる。
6. 倫理問題を分析する手法について理解すると共に、それらの手法を種々の事例に適用できる。
7. 倫理問題に唯一絶対的な解はなく、複数の視点が存在し得る事を理解する。(そのため、事例の解説などは複数の講師やゲストが担当する。)
 
授業の詳細2 技術者倫理とは何か
学習目標:
1. 科目概要:技術者倫理を学ぶ目的
2. 科目の学習・教育目標の理解
3. 技術者倫理の定義の理解 1. ハイアット、スリーマイル、チャレンジャー、チェルノブイリ、ボパール、JCO、などのフラッシュ映像の提示
2. ミニケースの提示
3. 科目概要、科目の学習・教育目標の提示
4. 技術者倫理の定義の説明
5. 技術者倫理の必要性に関する解説 札野 順
(金沢工業大学教授)
事例担当:
安藤 恭子
(金沢工業大学研究員)
2 なぜ技術者が特別の責任を負うのか
1. 「技術者」の歴史と特徴
2. 技術者が特別の責任を負う理由
3. プロフェッション概念の理解 1. ミニケース1の解説(倫理的問題点の提示)
2. エンジニアリングの歴史、特質に関する解説
3. 技術者の責任に関する議論
4. プロフェッション概念の解説と日本における状況の議論
5. 5. 事例研究(シティコープビル危機に関する解説と映像提示)
3 行為の拡大と新しい倫理の必要性:環境倫理・生命倫理・情報倫理
1. 科学技術と価値の関係に関する理解
2. 環境倫理、生命倫理、情報倫理に関する理解
3. 環境に対する技術者の責任に関する理解 1. 科学技術の進展による行為の拡大と新しい倫理の必要性
2. 科学技術に関連する「価値」に関する議論
3. 環境倫理学、生命倫理学、情報倫理などが明らかにした事柄に関する議論
4. 環境などに対する配慮の事例解説
5. 環境倫理に関連する事例紹介(レイチェル・カーソンの紹介、フロン問題、京都議定書など)
4 技術者としていかに行動すべきか(1)
1. 倫理的思考の特徴や倫理理論(義務論、功利主義など)に関する理解
2. 倫理的考察の視点に関する理解 1. ジレンマ問題を手がかりに
2. 倫理的思考の特徴
3. 倫理的考察の視点(1):社会全体の幸福
4. 倫理的考察の視点(2):人間性の尊厳
5. 市民工学の視点
5 技術者としていかに行動すべきか(2)
1. 技術者の行動規範としての倫理綱領とその有効性および限界に関する理解
2. 倫理綱領に含まれる価値や規範(パブリック・ミッション、利害の相反、情報の開示、守秘義務など)の理解
3. 諸外国の倫理綱領と日本の倫理綱領の違いに関する理解 1. 倫理綱領の歴史と機能に関する解説
2. 倫理綱領に含まれる種々の「価値」や規範に関する解説
3. 日本および諸外国の倫理綱領に関する解説
4. 事例研究
 
授業の詳細3 6 技術者としていかに行動すべきか(3)
1. 倫理的問題を解決するための諸手法(倫理テスト、決疑法、セブンステップなど)を理解し、応用できる。
2. 倫理的判断を妨げる要因について理解する 1. 黄金律テスト、普遍化可能性テスト、テキサス・インスツルメンツ社の倫理テストなどに関する解説
2. セブンステップの解説と応用
3. 倫理的判断を妨げる要因と促進す要因
4. 事例研究
7 技術者にとって法律とは何か
1. 法律と倫理の関係に関する理解
2. 技術者に関連する法律(知的所有権、特許法、PL法など)に関する理解 1. 企業と法律
2. 技術者として知っておきたい法律(製造物責任法、独占禁止法などに関する解説)
3. 技術者が管理職になったとき
8 企業における技術者の責任と権利とは何か
1. 企業における技術者の責任と権利に関する理解
2. 企業倫理の現状に関する理解 1. 日本の技術者の歴史
2. 企業理念、企業倫理と技術者の働く環境
3. 技術者の責任とその範囲
4. 米国での企業倫理
5. 社会の中での企業
6. 企業倫理の実際
7. 技術者の義務と権利
9 企業倫理と技術者倫理(事例解説1)
1. 企業の論理と技術者の倫理が対立する可能性のあることを理解する
2. 内部告発に関わる状況について理解する
3. 内部告発が倫理的に正当化される条件について理解する 1. 内部告発に関する内外の状況に関する解説
2. 企業倫理に関する解説
3. 企業倫理と技術者倫理の整合性に関する解説
4. 事例研究(内部告発によって明らかになった事例の紹介)

ゲスト:梅津光弘(慶應義塾大学・助教授)
10 技術者にとって安全性とは何か(事例解説2)
1. 技術者倫理における事例研究の重要性に関する理解
2. パブリック・ミッションの重要性について具体的に理解する
3. チャレンジャー号事件について理解する 1. 技術者倫理の学習・教育において事例研究が重要であることの解説
2. 事例研究(スペースシャトル・チャレンジャー号に関する解説)
3. 現場の技術者の視点(ロジャー・ボジョリー氏に聞く)
4. 技術者にとって「公衆の安全・健康・福利」とは何か。
 
授業の詳細4 11 技術とリスク(事例解説3)
1. 原子力、遺伝子組み換えなどの技術の持つ特殊性に関する理解
2. 原子力関連の事故における倫理問題を理解する。 1. リスクとは何か
2. 原子力技術に関する検討
3. 遺伝子組み換えなどに関する検討

ゲスト:班目春樹(東京大学・教授)/小林傳司(南山大学・教授)
12 優れた意思決定がもたらすもの(事例解説4)
1. 技術者の倫理的な意思決定が良い結果をもたらした事例に関する理解 1. 技術者は倫理的か
2. 事例研究(ホンダCVCCエンジンの開発)
3. 事例研究(シティコープタワービルの危機)
4. 二人の技術者の比較
13 国際社会における技術者の倫理とは何か(1)
1. 日米欧など世界各国の技術者の社会的役割の相違点に関する理解
2. 各国の技術者資格制度の違いに関する理解 1. 技術者倫理を国際的な視点に立って考える
2. 営利活動と技術者倫理
3. 価値と倫理の問題について
4. 事例研究(ブリヂストン−ファイアーストーン事件)
14 国際社会における技術者の倫理とは何か(2)
1. 国際的な技術者倫理綱領の必要性およびそこに含まれる項目・概念の理解 1. グローバルな技術者倫理綱領の必要性とそこに含まれるべき項目・概念の解説
2. 事例研究(日本の原子力問題、JCO事故、東京電力問題など)を通じて、倫理綱領の検討
3. 未来の技術者の権利と責任
15 Philosopher-Engineerを目指して
1. 本科目で学んだ事柄を整理し、理解する。
2. 技術者倫理にマクロな視点の重要なことを理解する。 1. 技術/技術者倫理の諸相
2. ミクロからマクロへ:宇宙の歴史を1年にたとえると
3. ビル・ジョイの批判に対して
4. 高度技術社会における技術者倫理の重要性の解説(Howの知識から、whatとwhyの知恵へ;総合的な問題解決能力としての、「技術者倫理」の重要性)
5. Philosopher-Engineerを目指して
 
授業の詳細5 「成績について」
AA:特に優れた成績を示したもの
A:優れた成績を示したもの
B:良好と認められる成績を示したもの
C:合格と認められる成績を示したもの
F:不合格

「開講時期(予定)」
2学期(本登録は7月ごろ)
履修を希望するものは6月末ごろに行う予定の放送大学履修登録説明会に出席し、配布する専用の申請書を必ず提出すること。

「テキスト」
放送大学より送られてくる資料を使用する。

注意:4年生は原則履修できない。(理由:放送大学の試験結果通知が本学の卒業認定時期と同時期であるため卒業判定が困難となります。2・3年次での履修を推奨します。)

(その他何かわからないことがありましたら教務学生部までお越しください) 
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