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タイトル「2008年度シラバス」、フォルダ「2008年度シラバス?専門科目(知能)
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 固体力学1 
担当教員 楠川 量啓 
対象学年 2年  クラス 学部:専門001 
講義室 A109  開講学期 1学期 
曜日・時限 火3,金3  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 講義の目的
  
機械や構造物を設計・製作する場合、その安全性と経済性の両立を図り合理的な材料の選択が必要である.このためには各部材にどのような負荷(無理)がかかるのか、どれぐらい変形するのかを把握できることが技術者には求められる.本授業では1年生における「物体の変形」に引き続き、軸のねじりや"はり"のたわみを考察し実際の設計において基礎的な計算ができるような基礎知識を身に付ける.

講義の進め方
  
まず固体力学において最も重要な概念である応力とひずみについて物体の変形で学んだ基本事項を復習し、知識を整理しておく.次に軸のねじりについて説明し、機械において頻繁に使用されるトルク伝達を担う伝動軸の強度計算法を修得してもらう.続いて物体の変形で学んだ"はり"についてそのたわみやたわみ角など変形を求める計算方法を習得してもらう.15回の授業で中間試験、期末試験をそれぞれ1回実施する.

達成目標
  
1. 中実・中空円筒にトルクが作用する時の最大せん断応力およびねじり角が計算できる.
2. 伝動軸の簡単な設計計算ができる.
3. 重ねあわせ法を利用して、はりのたわみおよびたわみ角が求められる.

 
授業の詳細2 講義計画
  
1. 講義の内容と目的および評価方法
 本講義の全体的説明を行なう.また、垂直、せん断の応力とひずみ、フックの法則などを復習して基本事項の確認を行なう.
2. ねじりにおける応力とひずみ
 丸棒にねじりモーメントを負荷したときの変形状態を説明し、この場合のせん断ひずみを導く.また、軸断面内でのせん断応力について説明し、ねじりにおけるせん断応力が半径に比例した分布となることを理解してもらう.
3. ねじりの不静定問題
 円形軸断面形状に対する断面二次極モーメントの導出を行なう.また、中空軸のねじりと軸のねじりに関する不静定問題について解説し、ねじり問題における変形適合条件を定める方法を理解してもらう.
4. 伝動軸の設計
 回転で動力を伝達する伝動軸では、軸はトルクがかかった状態で回転することになり、トルクと回転速度により伝達動力の大きさが決まる.このとき、軸を許容せん断応力以内に収めるための計算方法を習得してもらう.
5. 中間試験
 軸のねじり問題についての試験を行う.
6. 中間試験問題の解説、はりの復習
 中間試験問題の解説を行なう.また、物体の変形で学んだ"はり"に生じる内力(特に曲げモーメント)と曲げ応力に関して復習し基本事項の確認を行なう.
7. 弾性たわみ曲線
 はりが曲げモーメントを受けたとき生じる変形を表す弾性曲線(たわみ曲線)を考察することにより"はり"ののたわみを支配する微分方程式を導出する.また、たわみとたわみ角についてその関係を理解してもらう.
8.微分方程式によるたわみ解法1
 等分布荷重を受ける単純支持はり、集中荷重を受ける単純支持はりを例として、微分方程式を解いてたわみ曲線を求める方法を解説する.この時重要となるはりの支持条件と境界条件の関係や接続条件を用いて積分定数を求めることを理解してもらう.
 
授業の詳細3 9.微分方程式によるたわみ解法2
 前回に引き続き片持ちはりや突き出しはりについても微分方程式を解いてたわみ、たわみ角を求める.この2回の講義により、一般的な各種はりのたわみやたわみ角を求めるような応用問題を解くことを習得してもらう.
10.重ねあわせ法における基本公式
 重ねあわせ法とは基本的なはりに関するたわみとたわみ角に関する結果を重ね合わせることにより、一般的なはりの問題を解く方法である.ここでは曲げモーメント、集中荷重および等分布荷重のそれぞれが作用する片持ちはりに関するたわみとたわみ角に関する公式の導出を行ない、次回で解説する重ねあわせ法による解法での基本解とする.
11.重ねあわせ法によるたわみ解法1
 前回の講義で導いた基本解を重ね合わせて各種はりのたわみ、たわみ角を求める方法を解説する.特に本方法により微分方程式を解く方法よりも簡単に解が求められることを確認してもらう.
12.重ねあわせ法によるたわみ解法2
 不静定はりの不静定反力やたわみなどは重ねあわせ法を用いることにより非常に簡単に求められる場合が多い.ここでははりの不静定問題における変形の適合条件を重ねあわせ法にどのように適用するかを解説し、具体例により重ねあわせ法の有用性を理解してもらう.また、はりのたわみに関する総合問題に取り組む.
13.連続はり
 3個以上の支点に支えられているはりを連続はりという.この連続はりの支点における曲げモーメントを求めるのに有用なクライペイロンの3モーメントの定理を導く.また、この定理を用いて連続はりの支点モーメントを求める方法を解説する.
14.期末試験
 はりのたわみ、連続はりに関する試験を行う.また、中間試験において合格判定基準に達しなかった人に再試験を行う.
15.期末試験問題の解説と固体力学2の展望
 
授業の詳細4 テキスト:
『標準 材料の力学』邉吾一,藤井透,川田宏行編(日刊工業新聞社,2001)ISBN 4-526-04719-8,\3,200

成績評価:
15回のうち10回以上を出席し,2回の試験を受験した学生に対し以下の基準で成績を評価する.
◆AA:講義した内容を応用させて解くような発展問題(例えばテーパ軸のねじり問題、ねじり、はりにおける不静定問題の組み合わせ問題等)が解ける学力が身についている.
◆A:微分方程式を解いてはりのたわみ、たわみ角が計算できるなど講義した内容を十分理解したうえ,これを用いて解くような基本問題が解ける.
◆B:達成目標に十分到達する学力を有する.
◆C:トルクを受ける軸のせん断応力が計算できる、重ねあわせ法により簡単なはりのたわみが計算できる.以上の必要最低限基準を満たしている.

 
授業の詳細5 履修の注意:
講義には必ず関数電卓を持参すること.
本講義は物体の変形の単位取得が履修の前提条件となっている.(平成18年度入学生以降)
平成17年度以前の入学者については物体の変形を履修していることが望ましい.
 
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