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タイトル「2008年度シラバス」、フォルダ「2008年度シラバス?専門科目(知能)
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 固体力学2 
担当教員 坂本 東男 
対象学年 3年  クラス 学部:専門001 
講義室 A113  開講学期 1学期 
曜日・時限 月3,木3  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 講義の目的
  
固体力学1に引き続き,機械・構造物を構成する各部材に生じる応力やひずみについてより複雑な問題を解くことにより基本事項を学ぶ.特に本講義では応力,ひずみが一般的には成分を持つテンソル量であることを理解し,任意の面に関する応力およびひずみ成分を求めることができる能力を養う.また,変形により物体にひずみエネルギーが蓄えられることを理解し,このひずみエネルギーを考えることにより部材の変位を求める方法等について学ぶ.さらに不安定現象としての座屈問題についても学ぶ.

講義の進め方
  
まず応力の成分について解説し,これまで学んだ単軸応力状態から2軸応力状態への拡張を行う.ここで任意の面に作用する応力を求める方法を学んでいく.次にひずみエネルギーを導入しこれに関する重要な定理である相反定理,カスティリアノの定理を利用して部材の変位を求める問題を考える.最後に不安定な力のつり合いである座屈現象について理解を深め,その限界荷重を求めることを学ぶ.先に履修を終えている物体の変形,固体力学1と本講義を履修することにより,比較的簡単な部材の応力や変形に対する問題を解く能力を習得できるようにする.

達成目標
1.モールの応力円等により任意の面に関する応力やひずみ,また主応力,主ひずみを求めることができる.
2.簡単な場合における部材に蓄えられるひずみエネルギーを計算できる.
3.カスティリアノの定理を用いてはりの不静定問題や薄肉曲がりはりの変位を計算できる.
4.柱の座屈荷重を求めることができる.
 
授業の詳細2 講義計画
  
1.講義の目的,評価方法の説明:講義の内容および目的,また1,2年生で学んだ物体の変形,固体力学1との関係等について説明する.さらに引張り荷重を受ける棒について,軸に垂直な面から傾いた仮想断面に作用する応力を考え,応力の成分を導入する.1次元の応力から2次元の応力への展開を準備する. テキストp137-139.毎回、小テスト(2問程度)を実施する.
2.平面応力(1):平面内のみで応力が存在する平面応力状態について力のつり合いを考え,これから応力の座標変換式を導く.テキストp139-142.
3.平面応力(2):任意の面に作用する応力成分や主応力を求めるのに便利であるモールの応力円とその使い方について解説する.テキストp142-143. およびテキストp151-152.
4. 平面ひずみ(1):平面内でのみの変形を考えればよい平面ひずみ状態についてひずみの変換式を導く.テキストp145-149.
5. 平面ひずみ(2):モールの応力円と同じ考え方でモールのひずみ円を導入し,その使い方について解説する.また一般化されたフックの法則に関してより一般的な3軸応力状態について解説し,そこでの応力とひずみの関係について理解してもらう.テキストp152およびp153-154.
6. 一般化されたフックの法則(続き):種々の弾性係数とその関係について説明する.また平面応力と平面ひずみに関しても説明を行い、2.-4の講義を理解して貰う. テキストp155-158.
7.中間試験:本講義の達成目標1が達成できているかの試験を行う.
8.ひずみエネルギー:ばねに蓄えられる力学的エネルギーから一般的な弾性体に蓄えられる弾性エネルギーへと展開させ,垂直,せん断および曲げ応力といった外力によるひずみエネルギーを導く.テキストp171-175.

 
授業の詳細3 9.カスティリアノの定理(1):荷重の関数として表されたひずみエネルギーから変位を求めるカスティリアノの定理について解説し,これをはりの不静定問題に適用させて解く方法を述べる.テキストp182-184.
10.カスティリアノの定理(2):はりのたわみを求めるのにカスティリアノの定理を利用する方法を解説する.また,荷重の負荷方向以外の変形を求めるために仮想荷重を用いる方法についても説明し,具体的例題を通じて演習を行う.テキストp185-186.  および追加説明(テキスト以外)を実施する.
11.相反定理:まず簡単な外力による片持ちはりのたわみ,たわみ角の結果を重ね合わせて一般的なはりの問題を解く方法を説明する.次にマックスの相反定理について解説し,これと重ね合わせ法を応用してはりのたわみを求める方法を述べる.テキストp186-187. および追加説明(テキスト以外)を実施する.
12.座屈(1):力と変形がある平衡状態から他の別な平衡状態に飛び移る現象が広義での座屈であることを説明し,簡単な例題を通じてその限界荷重を求める方法を習得する.P191-194
13.座屈(2):座屈問題に対するオイラーの座屈理論に基づき,その座屈荷重を求める方法を解説し,さらに種々の問題に適用させる.P195-198.
14.期末試験:本講義の達成目標2〜4が達成できているかの試験を行う.
15.試験の解説:期末試験問題の解答について説明し,本講義内容の復習を行う.
 
授業の詳細4 テキスト:
『標準 材料の力学』邉 吾一、藤井 透、川田 宏之編(日刊工業新聞者,2001)ISBN 4-526-04719-8,\3,200

成績評価:
中間試験、期末試験,小テストを受験した学生に対し、下記の基準で評価する.
AA:講義した内容を応用させて解くような発展問題(例えば、カスティリアの定理からエネルギー法を用いてたわみを計算する.両端支持柱の座屈強度を理解している)を解ける学力が身についている
A:講義した内容を十分理解した上、基本問題(モールの応力円、ひずみ円)などが解ける
B:達成目標を十分到達出来る学力(一般化されたフックの法則などが理解出来ている)を有する
C:固体力学の基本事項(平面応力、ひずみエネルギー、また力やモーメントの単位)が理解出来、必要最低基準を満たしている

履修上の注意:
講義には関数電卓を持参すること. 
本講義の受講は1年生の物体と変形の受講が前提である.また2年生の固体力学1と
機械基礎物理を履修していることが望ましい.
 
授業の詳細5  
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