科目名 |
ロボット運動学 |
担当教員 |
岡 宏一 |
対象学年 |
3年 |
クラス |
学部:専門001 |
講義室 |
A107 |
開講学期 |
2学期 |
曜日・時限 |
火3,金3 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
講義の目的 ロボットマニピュータを制御するために必要な知識を学ぶ.シリアルリンク形のマニピュレータは,複数のリンクで構成されているリンク機構として取り扱うことができ,座標変換手法を導入することによって見通しよく手先の運動を記述できる.この手法を用いてマニピュレータを制御するための基礎的な知識を養成する.
講義の進め方 まず「自由度」という概念を理解する.これは物体の自由度,およびマニピュレータの自由度について行う.次に,マニピュレータの関節変数と手先位置の関係を座標変換(同次変換)行列を用いて学習する.次に,関節速度と手先速度の関係,関節トルク(力)と手先の発生力の関係をヤコビ行列を用いて求める方法を学習する.最後に,簡単な2リンクマニピュレータの運動方程式を求め,ロボットマニピュレータの制御を行うために必要事項について学習する.15回の授業を行い,講義ではほぼ毎回小テストまたは宿題を課す.また中間試験を1回,期末試験を1回実施する. |
授業の詳細2 |
達成目標 1.同次変換によって座標系を任意に変換できる. 2.ロボットマニピュレータのリンクに座標系を貼り付け,手先の座標系を計算できる(順運動学). 3.関節の微少変位と手先の微少変位の関係をヤコビ行列を用いて求めることができる. 4.3で得られたヤコビ行列を用いて,関節と手先の速度の関係および力の関係を求めることができる. 5.ロボットマニピュレータの非線形性を考慮した制御器を設計できる. |
授業の詳細3 |
講義計画 1.マニピュレータの自由度 2次元平面や3次元空間内に置かれた物体が,どのような自由度を持っているのかを解説する.あわせてマニピュレータの自由度について学ぶ.
2.2次元平面内での変換と座標 可動範囲が平面内であるようなマニピュレータのベース部から手先までの各リンクの座標の与え方と座標変換について学ぶ.
3.2次元のマニピュレータの手先の表現(順運動学) 平面内のマニピュレータについて各リンクに与えられた座標系の変換について理解し,手先の座標を計算することを学ぶ.
4.運動学方程式の解法(逆運動学) 手先の座標系が与えられたときに,各関節がどのような値になるかという解法を学ぶ.
5.微分関係 変換行列の微小変化がマニピュレータの手先の変化に与える影響を学ぶ.
6.ヤコビアン ヤコビ行列とは何であるかを解説し,マニピュレータの微小変化に対する統一的な考え方を学ぶ.
7.速度関係 ヤコビ行列を用いて,関節速度と手先速度の関係を表現し,手先の速度が与えられたときに関節速度を求める方法について学習する.
8.中間試験 |
授業の詳細4 |
9.静力学 関節トルク・力と手先の発生力・トルクの関係を,仮想仕事の原理を利用し,ヤコビ行列を用いることによって求める.マニピュレータが手先の力を制御する場合,必要な関節トルクを求める方法について学習する.
10.マニピュレータの制御 今まで学んできた関節と手先の関係に基づいて,ロボットマニピュレータを制御する方法を学ぶ.
11.3次元空間内でのマニピュレータの手先座標 3次元空間内での座標系の表現法および座標変換について理解し,ロボットマニピュレータの各リンクに座標系を貼り付け,手先を表現する座標系を求める方法を学ぶ.
12.3次元マニピュレータのヤコビ行列 3次元マニピュレータのヤコビ行列を用いることによって,関節変数と手先位置・姿勢の間の速度と力の関係について学ぶ.
13.動力学 ラグランジェの運動方程式を用いて簡単な2リンクのマニピュレータの動力学について学ぶ.
14.マニピュレータの非線形性を考慮した制御 マニピュレータの運動において遠心力やコリオリ力が無視できない場合のマニピュレータの制御方法について学習する.
15.期末試験 |
授業の詳細5 |
成績評価 小テストおよび宿題の提出が7割以上の学生に対し,中間試験および期末試験において以下の基準で成績を評価する. ◆AA:達成目標1〜5を満たす. ◆A:達成目標1〜4を満たし,かつリンクの運動方程式が解ける. ◆B:達成目標1〜4について3次元マニピュレータについて問題が解ける. ◆C:達成目標1〜4について平面マニピュレータについて問題が解ける.
◇テキスト 特に指定しない ◇参考書 『ロボティクス―機構・力学・制御』J.J. クレイグ 著, 三浦 宏文,下山 勲 訳,(共立出版,1991) ISBN 4320080580 『ロボット工学 機械工学入門講座』下嶋 浩, 佐藤 治 著, 坂田 勝 編,(森北出版, 1999)ISBN 4627605811 『ロボット工学 メカトロニクス教科書シリーズ』遠山 茂樹 著,(コロナ社,1994)ISBN 4339043974 『ロボットマニピュレータの運動学 ロボット工学教科書シリーズ』,杉本 浩一,(培風館,1997)ISBN 4563035726 『ロボット・マニピュレーター数学的基礎,プログラミング,および制御』R.P.ポール 著, 吉川 恒夫 訳,(コロナ社,1984),ISBN: 4339042439 『ロボットモーション 岩波講座 ロボット学』,内山 勝・中村 仁彦著,(岩波書店,2004),ISBN 4000112422
◇履修の前提となる必須科目:「機械数学」(平成18年度入学生から) ◇事前の履修が望ましい科目:「ロボット工学概論」「制御工学1,2」 |
授業の詳細6 |
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授業の詳細7 |
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授業の詳細8 |
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授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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