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タイトル「2008年度シラバス」、フォルダ「2008年度シラバス?専門科目(知能)
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 エレクトロニクス基礎 
担当教員 百田 佐多生 
対象学年 1年  クラス 学部:専門001 
講義室 A109  開講学期 2学期 
曜日・時限 火1,金1  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 講義の目的
  
電気回路を理解することは、機械の駆動や制御を行う上で非常に重要である.この講義では、電気抵抗・コンデンサー・コイルといった基礎的な回路素子やモーター・発電機などの動作原理を理解し,直流回路をデザインする上で必要な簡単な計算ができるようになることを目的としている.その上で,電圧・電流が時間的に変化する交流回路の基礎を学ぶ.


講義の進め方
  
まず基礎となる電気・磁気的現象を導入し、これに基づいて回路素子やモーター・発電機の動作原理を定性的に理解する.最後に動作原理となる法則を定式化して、簡単な計算ができるようにする.講義内容を定着させるために、講義時間外に解く問題を出題し、レポートとして提出してもらう.

 
授業の詳細2 達成目標
1.電場・電圧の概念を理解し、電荷に働く力を計算することができる.  2.キルヒホッフの法則を用いて回路に流れる電流を求めることができる.  3.直流回路に組み込まれたコンデンサーに関する計算ができる.  4.有芯コイルが発生する磁場の大きさや向きを求めることができる.  5.磁場中で電流が流れているコイルに働くトルクを求めることができる.  6.電磁誘導の法則を理解した上で、発電機が発生する交流電圧を計算で求めることができる.
 
授業の詳細3 講義計画
  
1.電気・磁気的現象とその利用  本講義の目的,内容,評価方法について説明する.この講義で取り扱う電気・磁気的現象を列挙し,どのような分野で利用されているのかを説明する.電気工学を学習する上で必要となる数学を示す.

2.電流と電気抵抗  電位の異なる2地点間には電場が存在し,そこに電荷を置くとクーロン力を受ける.この力によって自由電子が特定の方向に移動することが電流の原因となる.この電位差と電流の間に比例関係が成立し,比例定数が電気抵抗である.この電気抵抗が断面積や長さによってどのように変化するかを理解する.

3.電気抵抗とキルヒホッフの法則  温度による電気抵抗の変化を定式化する.キルヒホッフの二つの法則について理解し、その利用法について学ぶ.

4.キルヒホッフの法則  キルヒホッフの法則を用いて、直流回路を流れる電流を求められるようにする.

5.電気エネルギー  電流が流れている導体が消費する電気エネルギーを求められるようにする.電気エネルギーの源である電源について説明する.

6.コンデンサー  極板間に電位差が生じているコンデンサーには,電荷が蓄えられる.極板のサイズや続の方法によってコンデンサーの静電容量は変化する.また、コンデンサーを複数接続したときの合成容量の求め方を学ぶ.

7.誘電体  誘電体の分極効果によって電場を弱める現象(静電誘導現象)を理解する.この現象にもとづいて、誘電体をはさんだコンデンサーの静電容量が大きくなることを説明する.

8.中間試験
 
授業の詳細4 9.磁場  磁荷の周囲には磁場が発生し,この磁場中に置いた電流には力が働く.磁場中に置かれたループ電流にはトルクが生じ,これがモーターの軸を回す原動力となる.

10.電流がつくる磁場  電流の周りには磁場が発生し,その大きさと向きはビオサバールの法則で計算できる.電流分布の対称性が良い場合にはアンペールの法則が適用でき,磁場の大きさが簡単に導出できる.

11.磁性体  外部磁場に対する応答(磁化率)によって、いろいろな材料を反磁性体・常磁性体・強磁性体に分類する.磁気回路等に使われる強磁性体に注目し、その性質を説明する.

12.電磁誘導の法則  コイルを貫く磁束が時間変化すると,電磁誘導によってコイルに起電力が生じ閉回路になっていれば電流が流れる.コイルを磁場に対して垂直な軸の周りで回転させると,時間的に変化する起電力が発生する.これが交流発電機の原理である.

13.交流回路1  磁場中で一様な速さで回転するコイルには時間的に変化する起電力が発生する.この電圧の時間変化は三角関数で表現することができ,交流電圧と呼ばれる.一般に広く使われている実効値の定義を説明し、交流電圧の振幅との関係を理解する.

14.交流回路2  交流電圧がかかった抵抗・コンデンサー・コイルに流れる電流を求める.この結果を利用して、位相の概念を説明する.

15.期末試験
 
授業の詳細5 ◆テキスト: 『科学者と技術者のための物理学III 電磁気学』(学術図書出版社)
◆参 考 書:
◆成績評価: 13回の講義のうち9回以上を出席し,2回(中間・期末)の試験を受けた学生に対し以下の基準で成績を評価する.  
AA:レポート全てをほぼ完全に解答した上で、より高度な概念や知識を必要とするような問題(例えばビオサバールの法則を用いて発生する磁場を求める問題等)が解ける.  
A:レポート全てをほぼ完全に解答した上で、回路素子のふるまいを定性的に説明したり複数の項目を含むような応用問題を解くことができる.  
B:レポートの過半数を提出した上で、達成目標をクリアしている.  
C:レポートの過半数を提出した上で、以下の必要最低限の項目が達成されている.1)キルヒホッフの法則を使って回路中に流れる電流を求めることができる.2)コンデンサーが蓄える電荷やエネルギーを計算できる.3)コイルが発生する磁場の大きさや向きを求めることができる.4)磁場中で電流が流れているコイルに働くトルクを求めることができる.5)発電機が発生する交流電圧を計算で求めることができる.
 
授業の詳細6  
授業の詳細7  
授業の詳細8  
授業の詳細9  
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