科目名 |
物理化学 |
担当教員 |
角 克宏 |
対象学年 |
2年 |
クラス |
学部:専門001 |
講義室 |
C101 |
開講学期 |
2学期 |
曜日・時限 |
月1,木1 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
講義の目的 物理化学は大きく3つの分野に分けることができる.第1は電子と原子核の微視的状態から始め,分子がどのような法則で形成されるかを扱う分野である.第3は原子や分子の概念がない時代から経験的方法として確立した熱力学,第3は化学反応を扱う反応速度論です.この第2と第3の分野は分子の集団としての性質を議論する分野で,この授業では主としてこの分野に関して講義する. 講義の進め方 講義は基本的にPowerPointのスライドを使って,図,写真やムービなどの映像をまじえながら行う.また,講義では宿題を出すので,レポートとして次回の講義までに必ず提出する.
達成目標 1.理想気体および実在気体の状態方程式,ボルツマン分布および気体分子運動論を理解する. 2.熱とエネルギー,エンタルピーおよび熱力学第一法則を理解する. 3.カルノーサイクル,エントロピーおよび熱力学第二,第三法則を理解する. 4.自由エネルギーと化学ポテンシャルを理解する.
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授業の詳細2 |
講義計画 1.気体分子運動論 原子・分子などのミクロの世界の描像がどのように気体・液体・固体状態物質などのマクロの世界に反映しているかを気体を例にとり,理解する.そのうえで,マクロ世界のエネルギーを中心とした法則を学び,熱力学の基本法則への導入とする.
2-3.熱力学第一法則とエンタルピー 物質のエネルギーとして重要なものは系が変化するときの熱の出し入れであり,また物質の体積変化に伴うエネルギーである.この熱力学の基本的な考え方を理解する.また,反応熱,ヘスの法則および結合エネルギーなどの熱化学についても学ぶ.
4-5.熱力学第二,第三法則とエントロピー 熱力学第二法則は自然現象の自発変化,すなわち不可逆性を問題にする.理想気体を用いた循環過程の考察からエントロピーという概念が生み出された.また,熱力学第三法則は絶対零度における物質のエントロピーはゼロであると述べている.ここでは,このようなエントロピーという熱力学的変数を理解する. 6-7.自由エネルギーと化学ポテンシャル 自発的変化の方向性は熱力学第二法則が明らかにしてくれるが,その取り扱いは孤立系を考察することである.すなわち,外界の変化も含めて考えなければならないところに問題がある.物理・化学変化において,ビーカーの中(系)の変化だけに注目して考察するだけで自発的変化の方向性を判定できる自由エネルギーについて理解する.また,物質量の変化に伴う自由エンルギー変化すなわち化学ポテンシャルについても理解する.
中間試験 |
授業の詳細3 |
8.物質の化学平衡 化学反応の自発性をギブスの自由エネルギーで判定することができた.化学反応系が最終的に到達する化学平衡について考察し,化学平衡の温度変化と圧力変化についてその熱力学的根拠を学ぶ. 9.物質の状態平衡 物質は固体・液体・気体の三態の状態(相)をとる.これらの状態変化は一定の温度(転移温度)でおこり,そのときエンタルピーとエントロピーの変化がある.このような化学変化しない物質の状態の変化・平衡について熱力学的に理解する.自由エネルギーや化学ポテンシャルがどのように適用され,いかにマクロな物質系の性質を捉えていくかを学ぶ.
10-11.溶液の熱力学 二成分系の相平衡の問題を溶液化学に注目して考察する.溶液の熱力学的性質は液相-気相平衡,液相-液相平衡,液相-固相平衡など基本的な問題を含んでいる.理想液体というものを基準にして,分子間相互作用が強くなると溶液が理想溶液からずれてくると考える.そのような場合,溶液の化学ポテンシャルをどのように記述し,溶液の性質を理解するかを考える.
12-13.反応速度論I 速度式と反応機構 熱力学は化学反応の自発性ついて議論することが可能であるが,時間という変数は含まれていない.化学反応の自発的変化の速度について何も言うことができない.ここでは,化学反応の時間依存性に焦点を当て,現象論的速度式について学ぶ.さらに,速度式の反応機構(素反応)を検討し,化学反応の実像を理解する.
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授業の詳細4 |
14.反応速度論II 速度定数の解釈 化学反応速度の速度式を学んだが,その速度式に含まれる速度定数の解釈についてその温度因子についてアレニウスの考え方と熱力学的根拠について詳述する.速度定数が特異な因子に支配される酵素反応と光化学反応にまとめた後,速度定数が理論的にどのように記述されるか,分論的立場から考察する.
15.期末試験 教科書:基礎 物理化学II -物質のエネルギー論- (新・物質科学ライブラリ) 山内 淳 著(サイエンス社) ISBN4-7819-1072-6C3343 ¥1900
成績評価 試験とレポートにより評価する. AA: 授業全般にわたって非常によく理解している。 A:熱力学第一,第二法則,化学平衡,相平衡および反応速度論に関してほぼ理解している. B:熱力学第一,第二法則,化学平衡,相平衡および反応速度論に関して7割以上理解している. C:熱力学第一,第二法則,化学平衡,相平衡および反応速度論に関して半分以上理解している. F : 不合格
履修上の注意 中間試験および期末試験では関数電卓の持込可能. |
授業の詳細5 |
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授業の詳細6 |
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授業の詳細7 |
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授業の詳細8 |
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授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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