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タイトル「2008年度シラバス」、フォルダ「2008年度シラバス?専門科目(物・環)
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 生化学 
担当教員 榎本 惠一 
対象学年 2年  クラス 学部:専門001 
講義室 B106  開講学期 1学期 
曜日・時限 火1,金1  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 授業の目的: 生化学は,生物を構成する物質とその機能に基づいて生命現象を理解しようとする学問である.タンパク質,核酸,糖などの生体分子の成り立ちとその機能について学び,さらに酵素による物質の代謝とその調節,呼吸や光合成によるエネルギーの獲得,遺伝情報とタンパク質生合成の概略を理解することを目的とする.

授業の進め方:毎回講義録を配布する.課題レポートによって講義内容の理解を深める.

授業の目標:1. 生体分子にとって重要な化学的相互作用について説明できる.2. pHと緩衝作用について簡単な計算ができる.3. アミノ酸,ヌクレオチド,代表的な糖質と脂質の構造式を見て,その名が言える.4. 酵素反応の速度論についての簡単な計算ができる.5. 遺伝情報の流れについてその概略を説明できる.6. 同化と異化について説明できる.7. 代謝の調節について例をあげて説明できる.8. 呼吸と光合成によるエネルギー獲得についてその概略を説明できる.


 
授業の詳細2 授業計画:
1.細胞の化学
細胞の構造とそれを構成する生体分子の種類を知り,生体分子の構造の維持や集合および機能の発現に本質的な役割を果たしている水素結合などの弱い相互作用について学ぶ.また生体分子の生理活性にとって重要な要素であるpHと緩衝作用について学習する.

2.アミノ酸
タンパク質を構成する20種のアミノ酸の種類とその性質について学ぶ.

3.タンパク質
アミノ酸が重合したタンパク質の構造とその性質について学ぶ.また,蛋白質の立体構造をつくる基本構造について学ぶ.

4.ヌクレオチドと核酸
ヌクレオチドの一種であるATPは高エネルギー化合物として生体のエネルギー代謝の中心物質である.同時にヌクレオチドは遺伝物質である核酸の構成単位でもある.ヌクレオチドの種類とその性質について知り,さらに核酸の二重らせん構造とその生物学的意義について理解する.

5.糖質
代表的な多糖類であるデンプンやセルロースはエネルギーの貯蔵源として,あるいは植物の細胞壁を形づくる物質として重要な生体成分である.また多くの単糖やオリゴ糖が工業的に利用されている.糖の種類とその性質について取り上げる.

6.脂質と生体膜
脂質はエネルギー源となる他,ホルモン等の生理活性物質としても重要である.脂肪酸,中性脂質,リン脂質の種類と性質について学ぶ.さらに脂質を主成分とする複雑な分子集合体である生体膜について知る.

7.酵素とその反応
タンパク質を主成分とする酵素は生体内の化学反応の触媒として働く.酵素の触媒作用の特異性,酵素の分類,および酵素の反応機構について述べる.酵素反応の速度論的取り扱いについて,その概略を学習する.

8.中間試験

 
授業の詳細3 9.遺伝情報
DNAの複製及び遺伝情報のメッセンジャーRNAへの転写とタンパク質への翻訳についてその概略を理解する.

10.代謝と生体エネルギーの原理
同化と異化,代謝におけるATPの役割,及び生体エネルギーの熱力学について学習する.

11.代謝の調節
アロステリック酵素による代謝調節,ホルモンによる代謝調節,オペロンでの遺伝子レベルの代謝調節など,代謝の調節機構について例をあげて述べる.

12.呼吸(1)
エネルギー獲得手段としての呼吸における栄養物質の代謝の概略について理解する.嫌気的エネルギー獲得手段である解糖やアルコール発酵におけるATP生産の仕組みについて学ぶ.

13.呼吸(2)
ミトコンドリアで行われる好気呼吸の代謝経路であるクエン酸回路,およびそれに続く電子伝達系とATP合成反応(酸化的リン酸化)の仕組みについて述べる.

14.光合成
光合成は光のエネルギーを利用して葉緑体の光化学系でATP等を生産する明反応と,生産されたATP等を使って二酸化炭素を固定する暗反応からなっている.明反応の仕組みと暗反応における代謝経路について述べる.

15.期末試験



 
授業の詳細4 成績評価:
 レポート及び中間試験と期末試験の結果で評価する。数回の簡単なレポートを課す。試験では用語・概念を主とする基本問題と判断力・応用力を問う発展問題を出題する。基本問題と応用問題は、それぞれ5割以上正答した場合を合格とする。

C:レポートと基本問題に合格した場合。
B:Cの条件を満たし、かつ発展問題に合格した場合。
A:Bの条件を満たし、基本問題および発展問題のそれぞれ7割以上を正答した場合。
AA:A評価の合格者のうち、際立って優秀な場合。

テキスト:『スタートアップ生化学』椎名 隆・佐藤雅彦・角山雄一著(化学同人)
講義録を配布する.
参考書:『カラー生化学』Mathews, van Holde, Ahern著(西村書店)

履修前の受講が望ましい科目: 「細胞生物学」


 
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