科目名 |
酵素工学 |
担当教員 |
有賀 修 |
対象学年 |
3年 |
クラス |
学部:専門001 |
講義室 |
B107 |
開講学期 |
1学期 |
曜日・時限 |
火2,金2 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
講義の目的及び概要 生体内の生物反応は化学反応である。それらはすべて酵素と呼ばれる生体触媒により制御されており、生物や生物機能を正しく理解し、様々な産業に応用するためには酵素の働きと特性を正しく理解していなければならない。また、酵素はタンパク質であり、酵素の持つ立体構造の違いに酵素の特異性の原点がある。本講義では酵素のタンパク質としての性質について述べ、酵素および酵素反応の特異性について概説を行う。また、酵素反応がどのように起こるのか、反応機構と酵素反応速度論についても説明する。さらに生体触媒の工学的利用の方法についても詳しく解説を行う。 |
授業の詳細2 |
講義計画 1. 酵素工学とは何か 酵素を工学的に使うためには酵素とは何か、酵素の特性とは何かを知らなければならない.ここでは酵素とは、酵素工学とは何か、また酵素工学を学ぶためには何が必要かについて説明する.併せて本講義を受講するに必要な知識を有するか調査のための小テストを行う.
2. タンパク質としての酵素 酵素はタンパク質であり、触媒としての酵素の機能はタンパク質の立体構造に起因している.ここではタンパク質の立体構造と酵素の特異性の起源について解説する.
3.生物によるタンパク質生産 生物によりタンパク質がどのように生産されるか、また、その生産がどのように制御されているかについて解説する.
4.酵素と酵素反応の分類 一般的に酵素は触媒する反応により分類されるが、酵素反応に必要とする他の有機物によっても分類される.ここでは酵素と酵素反応がどのように分類されるかについて解説する.
5.酵素反応の特性 酵素は金属触媒とは異なった触媒反応により反応を促進する.酵素の触媒としての特性と酵素反応の特異性について概説する.
6.中間試験 |
授業の詳細3 |
7.酵素反応機構について 酵素反応は幾つかの素反応が多段に進んで起こる.酵素反応がどのような素反応により起こるか反応機構について解説を行う.
8.反応速度論の基礎 酵素反応速度論を解説する準備として一般的な化学反応速度論の基礎について概説を行う. 反応速度式の数学的解析について解説する.
9.酵素反応速度論の基礎?ミカエリスメンテン式 酵素反応を数学的に記述し、酵素と基質の相互作用を解析する方程式であるミカエリスメンテン式の導出について解説する.
10.ミカエリス定数の求め方 ミカエリス定数の意味と図解法による求め方について解説する. 授業の詳細3 11. 阻害を伴う酵素反応の速度論 反応の結果生成する生産物は酵素反応を阻害する.そのような阻害反応を伴う場合の反応速度式の導出について解説を行う.
12.阻害定数の求め方 阻害定数をどのように実験的に求めるかについて解説を行う.
13.演習 |
授業の詳細4 |
14.中間試験
15.生体触媒の固定化 酵素はタンパク質であるが故に、いずれは失活してその活性を失う.また、低分子である酵素の再利用は極めて重要である.そこで、酵素の再利用と活性維持の方法として行われる固定化について概説を行う.
16.バイオリアクター 生物反応を使って有用物質を効率的に生産する反応器をバイオリアクターと言う.バイオリアクターを使って生物反応を行う方法について概説する.また、バイオリアクターを使って生産するバイオプロセスの操作法についても解説を行う.
17. バイオセンサー 酵素の特異性を利用して、化学物質を鋭敏に測定することが可能である.酵素反応と電気的な情報の変換により化学物質をオンラインで測定するバイオセンサーについて概説を行う.
18.最終試験 |
授業の詳細5 |
テキスト: 必要に応じてプリントを用意する.ホームページ上から各自ダウンロードする.
参考書: 生物反応工学 山根恒夫 産業図書,微生物工学 日本発酵工学会編 産業図書,生物化学工学 合葉修一 東京大学出版会,固定化細胞 田中渥 夫 講談社サイエンティフィック,酵素工学 福井三朗 東京化学同人
成績評価: 中間試験、最終試験の結果を平均し、次の様に評価する. AA:平均点が95点以上 A: 平均点が80-94.5点 B: 平均点が70-79.9点 C: 平均点が50-69.9点 F: 平均点が49.9点試験以下
備考:履修の前提となる科目:生物系科目全般,数学(微分・積分学) |
授業の詳細6 |
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授業の詳細7 |
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授業の詳細8 |
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授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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