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タイトル「2008年度シラバス」、フォルダ「2008年度シラバス?専門科目(物・環)
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 卒業研究 
担当教員 谷脇 雅文 
対象学年 4年  クラス 学部:専門012 
講義室   開講学期 通年 
曜日・時限 時間外  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 私たちは、金属、半導体、超伝導体、セラミックスなどの固体材料を研究対象としています。
大きな目的は、少ないエネルギーで大きな仕事のできる新しい働き=機能を持った環境調和型材料を開発することです。
その方法としては、元素の組み合わせ(合金化、合成)によってまったく新しい物質を作り出すこと、
組織の組み合わせ、性質のちがう組織や物質の組み合わせにより両方の長所を取り入れた材料をつくることなどがあります。
物質をナノスケールに微細化すると、電気的性質や光学的性質がまったく新しいものにかわります。
あるいは、超伝導体や絶縁体など電気的性質のことなるものをナノ以下のスケールで重ね合せることによって、
“新しいトランジスター”をつくりだすことが考えられます。
このような方法を柱として、以下の研究課題に取り組んでいます。 
授業の詳細2 @ イオン注入法を利用した半導体表面の微細構造形成と機能化
イオンを加速して半導体に打ち込む。このときの条件によって表面にナノスケールの蜂の巣構造ができる。この構造の形成機構の解明、制御を行う。さらに光・電子デバイス、磁気デバイスなど広範な応用をはかる。
 
授業の詳細3 A 高温超伝導体の格子振動の解析
原子の熱振動=格子振動は超伝導現象にとってもっとも基本的な物性のひとつである。高温超伝導体の中の希土類元素の原子の振動をメスバウア−効果(メスバウア−=ノーベル賞受賞者が発見した原子核とγ線の相互作用)を利用して、“直接”観測し解析する。

B 電子顕微鏡を利用した高温超伝導ジョセフソン接合の試作
よく絞った(0.5nm)電子線を超伝導薄膜に照射して超伝導/絶縁層/超伝導ジョセフソン接合を作製する。実験の流れはレーザーアブレイションによる薄膜作製、FIBによる加工、電子線照射、超伝導特性評価。高速で消費電力の小さいデバイス開発の基礎研究。
 
授業の詳細4 C 環境半導体β-FeSi2薄膜の作製と伝導型の制御
この材料は地球上に豊富に存在し人間に無害な元素FeとSiからできている。しかも他元素を混ぜることなくp型n型にできる可能性がある。完全性の高い薄膜単結晶薄膜をつくり、伝導型制御をめざす。太陽電池材料としての有力候補。

D 遷移金属ドーピングによるTiO2薄膜のバンドギャップ制御による可視化
TiO2は光触媒作用がある半導体で、抗菌材料として使われている。しかしエネルギー量としてはわずかな紫外線に対してのみ有効であり、可視光には反応しない。そこでこれに遷移金属をドーピングすることによりバンドギャップを狭くして低エネルギーに対しても反応するように(=可視化)物性をかえる。
 
授業の詳細5 E レーザーアブレイションによるカーボンナノチューブ作製
カーボンはグラファイト、ダイヤモンドなど多様な構造がある。ナノチューブはフラーレン(サッカーボールの形)の親類であり、金属から半導体までその性質も多様である。エミッター、電子デバイスなど広範な応用が開けている。作製条件の確立を行った後、応用をはかる。
 
授業の詳細6 F 歯科用セラミックス・金属接合材料の接合機能の解明
セラミックス歯は見た目にも自然で美しい。しかし、もろいため、実際には金属の土台の上に吹き付けられており、その接着強度が大変重要である。どのような構造が強い接着を生むのか、その条件を高分解能電子顕微鏡で探る。

G YAGレーザーを用いた金属セラミックス接合の開発
土佐打刃物は、その切れ味で全国的に良く知られている。しかし、鉄は磨耗が激しく、この点ではセラミックスに劣る。セラミックスは硬く磨耗しないが、脆くかつ高価である。刃をセラミックスで靱性にすぐれた金属で本体をつくることがこの研究のねらいである。
 
授業の詳細7 H 高知県地場産業の歴史
和紙、刃物、石灰、機械など高知県には全国を凌駕する技術が生まれ育った。これらの歴史を精査し地域産業発展の鍵をさぐる。
 
授業の詳細8 学生各自のテーマに従って4年間の学習の集大成として研究を実施する.

研究実験の進め方

進捗状況を定期的に指導教員が報告を受け、助言をあたえる.



達成目標

研究の進め方および課題の見つけ方を習得し、専門領域での発展に展望を持ち、寄与出来る人材に育てる.

講義計画

各自が研究計画を立て、指導教員の助言の元に実行させる.
研究グループ内で定期的にリサーチセミナーを行い、研究の進捗をグループでサポートする.
研究グループ内での最終成果の発表の予行などで発表のスキルを習得させる.
学科全体で発表会を行い、評価を受ける.


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テキスト:特に定めない
参考書 :特に定めない
成績評価:年間を通した研究の実施状況と発表会での結果から総合的に判断する.
<成績評価の基準>
AA:特に優れた成績を示したもの
A :優れた成績を示したもの
B :良好と認められる成績を示したもの
C :合格と認められる成績を示したもの
F :不合
履修上の注意:
備 考:
履修前の受講が望ましい科目:細胞生物学、分子生物学、遺伝子工学、有機化学、生化学、タンパク質工学
 
授業の詳細9  
授業の詳細10  


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