科目名 |
分析化学 |
担当教員 |
小廣 和哉 |
対象学年 |
2年 |
クラス |
学部:専門001 |
講義室 |
C102 |
開講学期 |
1学期 |
曜日・時限 |
月3,木3 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
講義の目的 本講義の目標は溶液内イオン平衡に基づく分析化学を学習し,化学反応を定量的に理解する能力を養うことである.分析化学における化学的手法を学習することは,分析操作の簡便さ,分析値の正確さ,繰り返し精度の良さから,機器分析の発達した現在でもなお重要である.さらに,分析化学の学習は,定量的な思考を身につける上で,化学のみならず生物を志す学生にも重要な訓練になる.本講義の基礎は主として質量作用の法則にあり,酸塩基平衡や錯生成平衡など,種々の化学平衡における平衡定数について理解し,数多くの演習を行い,イオン平衡に基づく定量分析化学を学習する.
講義の進め方 講義は基本的に教科書にそって行われる.
達成目標 1.酸-塩基平衡における化学量論計算. 2.緩衝溶液. 3. 酸化還元滴定における化学量論計算. |
授業の詳細2 |
講義計画 1.濃度の表し方 分析化学には濃度計算が必須である.例えば,水質に係る環境基準で規制されている物質の濃度にはppm(質量濃度)が用いられている.一方,化学の分野ではmol/?(モル濃度)が用いられる.両者の定義を明確にし,それらを相互変換できるようにする.
2.化学平衡 平衡定数について学び,反応物の濃度と平衡定数が与えられたときに,平衡後の反応物および生成物の濃度を求められるようになることを目的とする.
3,4.酸・塩基平衡 酸塩基平衡は,化学はもちろんのこと農学,生物学,医学などの分野でも極めて重要である.ここでは,一般化学で学んだブレンステッド-ローリーの酸塩基の定義を復習し,酸および塩基解離定数,滴定曲線,pH等を理解する.
5.緩衝溶液 緩衝溶液の役割とその調整方法を学ぶ.Henderson-Hasselbalchの式を使って緩衝溶液がどのようにその役割を果たすかを理論的に説明できるようにする.
6.多塩基酸の多段階解離 多塩基酸水溶液の多段階解離平衡を学ぶ.多塩基酸としてリン酸と炭酸を例にして,溶液のpHを変化させたときの各イオン種の割合(α)を求め,その様な化学形態で存在しているかを定量的に議論できるようにする.
7.多塩基酸の塩 多塩基酸の塩の解離平衡について学ぶ.多塩基酸の塩のうち,Hを含む(酸性塩)塩は,濃度によらずpHが一定になることを理解する.
8.中間試験 |
授業の詳細3 |
9.酸-塩基滴定 これまで学んだ酸・塩基の解離平衡を応用して,酸・塩基滴定を学ぶ.強酸・弱酸,強塩基・弱塩基の組み合わせと,その滴定曲線の特徴について学ぶ.
10.錯滴定 キレート滴定,代表的な例としてEDTA滴定について学ぶ.キレート滴定では,滴定方法,指示薬等について学習する. 11.沈殿滴定 水溶液中の難溶性塩の溶解度および溶解度積,溶解度に及ぼす種々の効果(温度,pH等)および沈殿滴定について学習する.沈殿滴定では,滴定方法,指示薬等について学ぶ. 12.酸化と還元 酸化還元反応は電子の移動過程を含み,酸化還元反応を理解することは電池反応の基礎原理を学ぶことに通じている.可逆電池の起電力を基に酸化還元電位を理解し,酸化還元平衡に対する定量的取り扱いついて学習する.
13.酸化還元滴定 水素電極,参照電極を学習し,ネルンストの式を扱い,標準酸化還元電位を理解する.酸化還元電位に関する諸問題を扱い,演習も併せて行う.
14.総合演習
15.期末試験 |
授業の詳細4 |
テキスト: 古田直紀「これならわかる分析化学」三共出版 ISBN978-4-7827-0536-0
成績評価:小テストおよび試験で目標の達成度を評価する AA:達成目標を完全に理解し,説明及び計算ができる. A:達成目標について十分理解し,説明及び計算ができる. B:達成目標をほぼ理解し,説明及び計算ができる. C:達成目標の理解はできている. F:Cに定める到達度に達していない場合.
履修上の注意 授業・演習では関数付き卓上計算機(関数電卓)を必ず持参すること.試験では関数電卓の持込可能. |
授業の詳細5 |
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授業の詳細6 |
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授業の詳細7 |
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授業の詳細8 |
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授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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