科目名 |
有機工業化学 |
担当教員 |
細川 隆弘 |
対象学年 |
3年 |
クラス |
学部:専門001 |
講義室 |
B107 |
開講学期 |
2学期 |
曜日・時限 |
火3,金3 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
講義の目的 各種の製造業の基礎として重要な位置を占めている有機化学工業では,プラスチック,合成ゴム,合成繊維などの汎用性化学品と染料,界面活性剤,感光材料,医薬,農薬などの精密化学品及びそれらの原料の製造が行われている.この分野の基礎的知識の理解は,我が国の将来の産業構造を見通すために,極めて重要であるばかりでなく,有機化学工業は地球環境の将来と深く係る.こうした観点から,本講義では下記の項目を重点的に学習する.さらに,有機高分子化学工業及び医薬品製造業での実際について学ぶ.
講義の進め方 「有機工業化学」(共立出版株式会社)を教科書に用いて板書により講義を行う.石油化学工業,医薬品工業などで必要とされるキーワードを体系的に習得する.また,講義計画に記した項目に関する最新の話題も合わせて提供する.
達成目標 1. エチレンやプロピレンから誘導される石油化学製品及びそれらの製造プロセスの基礎的理解 2. ビタミン,ホルモン,ステロイド,抗生物質などの精密化学品についての基礎的知識の習得. 3. 油脂,界面活性剤の基礎的知識の習得. |
授業の詳細2 |
講義計画 1.2.総論 有機化学工業の歴史と原料の流れを概観する.有機化学工業製品の構造及び物性の理解に必要とされる有機化学の基礎的事項について解説する.有機化学工業の石油への依存度は極めて高い.石油に代わる原料資源についても触れる.
3.4.石油化学工業製品 石油化学工業では,石油の精製で得られるエチレン,プロピレンなどの不飽和炭化水素系化合物を基礎原料として,プラスチック,合成繊維などの製品が合成されている.ブタジエンやイソプレンなどの共役二重結合を持つ化合物及びベンゼンで代表される芳香族炭化水素系化合物から展開されている有機工業化学製品も,石油を原料としている.これらの項目に関する基礎知識を解説する.さらに,ポリプロピレンなどの高分子化学製品の合成法の実際について学ぶ.
5.6.生理活性物質 生物の営む精妙な生命現象に微量で関与し影響を与える化合物は,生理活性物質あるいは生物活性物質と呼ばれる.ビタミン,ホルモン,ステロイド,プロスタグランジンとして分類される精密化学品の機能について解説する.化学療法剤と抗生物質の合成法について学ぶ.
7.中間試験 |
授業の詳細3 |
8.9.油脂化学 油脂と呼ばれている物質は,主に動物・植物から圧搾あるいは溶媒抽出により得られ,石けん,潤滑剤,塗料など,食用以外にも広く用いられている.ここでは,油脂の構成要素である脂肪酸の種類と名称,油脂の化学的特徴,脂肪酸および油脂の物理的性質,油脂および脂肪酸の反応について学ぶ.
10.11.界面活性剤 石けん・洗剤に代表される界面活性剤は,日常生活や多方面にわたる工業分野で広く使用されている重要な有機工業化学製品である.界面活性剤をアニオン界面活性剤,カチオン界面活性剤,両性界面活性剤,非イオン性界面活性剤等に分類し,それぞれの特徴と用途について学ぶ.また,合成洗剤の生分解性についても学習する.
12.13.光機能物質 光が物質に当たったときに何らかの応答をする物質を光機能物質と呼ぶ.光と物質の相互作用の原理を学び,有機化合物と紫外・可視・赤外領域の光の吸収・発光などの光物性との関連について理解する.また,繊維などの着色に用いられている染料や顔料の性質を分子構造に基づき解説する.機能性色素化合物についても学習する.
14.プロセス化学 医薬品や機能性化合物に代表される有用化合物を,いかに安全にかつ効率よく合成するかを考える学問分野をプロセス化学と呼ぶ.製造過程で取り扱うすべての物質(原料,溶媒,主生成物,副生成物,エネルギー等)を考慮し,さらに,安全性,効率,経済性を加味し,いかに製造プロセスを決定するかを実際の医薬品製造を例にとり解説する. 15.期末試験 |
授業の詳細4 |
成績評価
キーワードに関する演習問題の宿題を2回提出した受講者に対して2回の試験結果で判定する. ◆ AA. 試験における正解率が90% ◆ A. 試験における正解率が80% ◆ B. 試験における正解率が70% ◆ C. 試験における正解率が60%
---------------------------------------------------------------------- ◇テキスト: 「有機工業化学」,妹尾 学,田村利武,平井長一郎,飯田 隆 編著(共立出版株式会社) ◇参考書: 「有機化学概説 第5版」,マクマリー著,伊東椒,児玉三明 訳(東京化学同人). ◇履修前の受講が望ましい科目: 「有機化学序論」「有機化学」 ◇備考: 有機化学工業への就職ガイダンスも行う. |
授業の詳細5 |
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授業の詳細6 |
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授業の詳細7 |
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授業の詳細8 |
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授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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