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タイトル「2008年度シラバス」、フォルダ「2008年度シラバス?専門科目(物・環)
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 先端電気化学 
担当教員 角 克宏 
対象学年 3年  クラス 学部:専門001 
講義室 C101  開講学期 2学期 
曜日・時限 月1,木1  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 講義の目的
  
電気化学はエネルギー問題や環境問題に向けた社会的要請により,近年ますますその重要性を増しつつあり,電気化学の関与する領域は基礎研究・産業分野などにおいて急速に広がっている.ここでは,電気化学の基礎と応用について学ぶ。

講義の進め方
  
講義は基本的にPowerPointのスライドを使って,図,写真やムービなどの映像をまじえながら行う.また,講義では宿題を出すので,レポートとして次回の講義までに必ず提出する.


達成目標

1.モル電気伝導率,活量係数,イオン強度など電解質溶液の基本知識を理解する.
2.電気化学ポテンシャルを理解する.
3.電池に関する知識と興味を広げる.
4.金属の腐食,防食,メッキについて理解する.
5.光エネルギー変換について興味を広げる.


 
授業の詳細2 講義計画
  
1.電気化学への招待
電気化学の歴史,発展,応用分野の広がりなどを講義し,この講義の目的,達成目標,講義内容の概論,および評価法について説明する.

2.電解質溶液
電気化学では通常,電極と電解質溶液間の界面で起こる電荷移動を取り扱う.したがって,電解質溶液に関する十分な知識が必要である.ここでは,電解質溶液の基本知識について解説する.

3.電気化学系とポテンシャル
電池のような電気化学系の平衡では,普通の溶液中の平衡とは異なり,静電ポテンシャルというもう一つの要素を加味して考える必要がある.電気化学系の平衡,電池の起電力,イオン選択性電極などについて学習する.

4.電池:一次電池から太陽電池まで
エネルギーの缶詰ともいえる実用電池に関して講義する.一次電池,二次電池,燃料電池,太陽電池に関して幅広く解説する.

5.液間電池と生体膜電位
異なった組成の電解質溶液が接する液-液界面ではイオンの拡散が起こるため液間に電位差が生じる.この電位差を液間電位といい,発生メカニズムについて解説する.また,生体膜電位についても解説する.

6.溶液と電極の界面・電気泳動の原理
電極と溶液の界面に形成される微細構造,いわゆる電気二重層に関して学習する.最近,この電気二重層を利用した電気二重層キャパシターの開発が注目されており,これについても解説する.
7. 電極反応
電池の両端に一定電圧を加えると,電極表面には静電場が形成され,この静電場の基で電極反応が起こり,ファラデー電流が流れる.ここでは,このファラデー電流に関して解説する.

8.電解プロセスー無機・有機の電解
電気エネルギーを用いて有用.物質を生産するプロセスは工業電解と呼ばれる.水電解,食塩電解,電気透析などの高分子電解質を用いた新しい電解プロセスと有機電解合成におけるファインケミカルズに関して講義する.


 
授業の詳細3 9.電気化学測定法-サイクリックボルタメトリー
電極での酸化還元反応を利用して,溶液中のよう存物質を分析したり,電気化学的特性を調べたりするために,種々の測定法が開発されている.特にサイクリックボルタメトリーを中心に解説する.

10.新しい電気化学測定法
原子・分子レベルでの表面の評価法として近年発展の著しい赤外反射分光法,水晶振動子マイクロバランス法および走査型プローブ顕微鏡について概説する.

11.電極の化学?金属の腐食・メッキ・防食
鉄や銅がさびるなど,多くの金属は化学的な反応性を示し,金属の腐食として知られる.これらの反応を電気化学的な視点から解析し概説する.また,メッキや防食など表面プロセスに関しても解説する.

12.光エネルギー変換
光エネルギーを電気エネルギーに変換する方法や光によって電気化学反応を行う方法がある.このような光→電気→化学反応のエネルギー変化を電気化学的に取り扱う分野は光電気化学と呼ばれ,エネルギー有効利用の観点から注目されている.

13.生物電気化学
生体中のエネルギー変換や神経伝達において,電気化学過程は極めて重要な役割を果たしている.生体反応や機能を電気化学理論に立脚して解明する試みや生体酸化還元触媒機能と電極過程を結びつけた応用研究も展開されている.このような生物電気化学の一部について解説する.

14. 新しい機能材料と電気化学
人間は電気化学という基礎を支える学問体系を応用して,様々な局面で,多種多様な機能材料を活用し,あるいは創製することができる.ここでは"電気化学"の観点から"新しい機能材料"に関するトピックを提供する.

15.期末試験

 
授業の詳細4 参考書:
『ベーシック電気化学』 大堺俊行・加納健司・桑原進 著(化学同人) ISBN4-7598-0861-2,¥2800

『先端電気化学』 電気化学協会編 (丸善) ISBN4-621-03978-4 ¥5500

成績評価
:レポートと期末試験により評価する.
AA:授業全般にわたって非常に良く理解している.
A:電気化学ポテンシャル,酸化還元電位,腐食・メッキおよび光エネルギー変換に関してほぼ理解している.
B:電気化学ポテンシャル,酸化還元電位,腐食・メッキおよび光エネルギー変換に関して7割以上理解している.
C:電気化学ポテンシャル,酸化還元電位,腐食・メッキおよび光エネルギー変換に関して半分以上理解している.
F:不合格
履修上の注意
授業・演習では関数付き卓上計算機(関数電卓)を必ず持参すること.試験では関数電卓の持込可能. 
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