科目名 |
電気情報数学 |
担当教員 |
神戸 宏 |
対象学年 |
1年 |
クラス |
学部:専門001 |
講義室 |
A104 |
開講学期 |
2学期 |
曜日・時限 |
月5,火5,木5,金5 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
|
備考 |
|
授業の詳細1 |
講義の目的 電子・光システム工学科で専門分野を学び,理解し,さらに実験結果などの内容を表現し伝えるために,数学という「言語」を使いこなすことが必要である.本講義の目的は,これまで学んで来た数学が電気磁気や電気回路のような専門分野でどのように応用されているのかを知り,数学という「言語」の重要性と使い方を理解し,さらに専門分野の教科書や論文を自分で読解することに挑戦できるようにすることである.本講義では必ずしも電気磁気や電気回路そのものを理解する必要はない.
講義の進め方 講義だけで全てを理解することは不可能である.教科書を自分で読むこと,そしてその内容を理解するために,できるだけ多くの演習問題に挑戦することが必要である.その一助として,講義とは別に電気情報数学演習を設け,教員およびTAが質問等に対応する.その時間に小テストを行い,その成績は最終の評価に反映する.また,中間試験を行い,最終評価に反映する. |
授業の詳細2 |
達成目標 本講義では,講義内容にある基本的な数学の内容を理解することにより、専門科目の教科書に出てくる数学による表現に対し,理解する、あるいは恐れずに理解しようと努力する姿勢を持たせることが目標である.指数関数,対数関数,三角関数,複素数を取り扱うことを最小限の達成目標とし,これらの関数の微分・積分、微分方程式までを次の目標とし,さらにベクトルおよびその微分等を扱えることを,最終の目標とする. |
授業の詳細3 |
講義計画 1.電気情報における数と数学 まずこの講義の内容や学習の方法について説明する. 第1歩として,工学で扱う数の表し方,および関数として指数関数・対数関数を理解し,グラフが自由に描けることを目指す. 2. 三角関数と波 最も重要な関数の1つである三角関数を使って,電子・光で使われる「波」を表現し,三角関数を自由に扱えることを目指す.電気回路を例にとり,振幅,角周波数,位相などの意味を理解し,加法定理など三角関数の演算が出来るようにする. 3. 複素数 複素数の定義と表示法,および演算,さらにオイラーの式による指数関数と三角関数との関連,複素数の演算に慣れる.複素数による波の表し方を理解し,電気回路へ応用する. 4.微分と積分 数学として既に学んだ微分と積分の概念について復習し,特に指数関数や三角関数の微分・積分について,理解を深める.微分・積分を電気回路へ応用し,電流や電圧が微分・積分の式で表されることを理解する. 5.微分と積分の応用 微分では極値の求め方,級数展開などについて学ぶ.積分では三角関数の積分を中心にして,交流電力などの計算法について理解する. 6.フーリエ級数展開 様々な分野で出てくるフーリエ解析の意味を理解する.周期関数についてフーリエ級数展開し,係数が三角関数や指数関数の積分で求められることを学ぶ. 7.フーリエ変換 つぎに,フーリエ変換,フーリエ逆変換の方法を学び,周期を持たない一般の時間関数も,フーリエ変換により周波数関数に変換できることを学ぶ.電気回路や通信で出てくる簡単な時間関数を例に取り,実際にフーリエ変換の計算ができるようにする. 8.常微分方程式 電気回路を例にして,常微分方程式の組み立て方,および解法について理解する.まず1階常微分方程式の解法について学び,微分方程式の考え方を理解する. |
授業の詳細4 |
9〜10.常微分方程式の解法 回路素子が2から3個の電気回路を例に取り,2階常微分方程式を導き,その解法について学ぶ.微分演算子を用いた一般的な常微分方程式の解法について理解する. 11.行列と行列式 行列と行列式について定義し,それぞれの和,差,積などの演算法について学ぶ.行列については,行列の種類,逆行列の求め方,などについても理解する. 12. ベクトルの演算 ベクトルの概念を復習した後,基本的な演算法について学ぶ.その上で,ベクトルの内積(スカラー積)や外積(ベクトル積)を定義し,それらの演算に慣れる.力学や電磁気学で実際の応用例を解説する. 13〜14. ベクトルの微分 スカラー関数の勾配から始まり,ベクトルの発散やベクトルの回転の微分公式について的手法を理解する.また電気磁気学で現れるマックスウェルの方程式を例に取り,ベクトルの微分がどのように応用されているかを理解する. 15. テスト 以上の講義の内容についての理解度を評価するためにテストを行う. |
授業の詳細5 |
テキスト: 『現代基礎電気数学』,卯本著(オーム社,1990)
参考書: ・高校の数学の教科書 ・基礎数学ワークブック,井上著(2006年 アクセス) ・微分積分学講義,西本著,培風館(1996) ・なっとくする電気数学,後藤著,講談社(2001) ・インターユニバーシティ電気数学,斉藤編著,オーム社(1997)
成績評価: 小テスト,中間テストを30点,最終テストを70点とし,100点満点で評価する. ◆AA:講義内容をほぼ完全に理解し,90点以上を獲得. ◆A:講義内容を理解し,80点以上を獲得. ◆B:講義内容の50%以上を理解し,70点以上を獲得. ◆C:関数について理解し,60点以上を獲得. ◆F:評点Cの達成目標を満たさないもの.
履修上の注意: 関数付き卓上計算器(電卓)があると検算に使える.
履修前の受講が望ましい科目: 高校から大学1年までの数学を復習しておくこと.微分積分学,代数学を理解していることが望ましい.また,より理解を深めるためには教科書の解説を読みこなすとともに演習問題を自分で解く必要がある. |
授業の詳細6 |
|
授業の詳細7 |
|
授業の詳細8 |
|
授業の詳細9 |
|
授業の詳細10 |
|