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タイトル「2008年度シラバス」、フォルダ「2008年度シラバス?専門科目(電子・光)
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 光通信システム 
担当教員 神戸 宏 
対象学年 3年  クラス 学部:専門001 
講義室 A104  開講学期 2学期 
曜日・時限 月1,木1  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 講義の目的
  
大容量情報通信が可能である光通信システムは,情報化社会を支える情報通信技術として今後ますます重要な技術となっている.国際通信や都市間を結ぶ幹線系通信のみならず,各家庭にも光ファイバが引き込まれ始めている.本講義では光ファイバ通信を支える様々な基礎技術を学び,光通信システムの基本的概念を理解することを目的とする.
本講義では,光ファイバ通信の基本的構成,用いられる半導体光デバイスや光導波路の基本動作原理を理解し,光通信特有の変復調技術や伝送技術の基礎を学ぶ.さらに波長多重,時分割多重、光増幅などの最新の光通信技術についても概観する.

講義の進め方
  
光通信で利用されている技術は,光学,光波工学,半導体工学,通信工学などが基礎となり,広範囲に渡っている.このため講義内容を把握した後,学生が個々に課題を設定し,その課題を目指して学習することとする.学習の手助けのため、講義の中で演習や小テストを実施する.なお講義内容の順はテキストに沿わない.
 
授業の詳細2 達成目標
本講義の目標は,より専門的な光通信分野の学習を可能とする基礎的素養を身につけるとともに、自ら考え理解する力を養うことである.
 光通信はこれからの通信分野で最も重要な分野の1つであるが,この講義だけで全ての技術内容を理解することは難しいと思われる.そのため,まず講義に先立ち光通信システム全体の講義内容を概観する.それをもとに重点的に学びたい技術内容・課題を自分で設定し,最終テストではその目標への到達度を自分の言葉で表現し,その内容と理解度,目標達成度,独自性により成績評価をする.
 
授業の詳細3 講義計画
  
1. 本講義の概要
 本講義の進め方について理解するため,講義内容である光通信システム全体をスライドにより概観する.光通信システムの基本構成,光の性質や光導波路の原理,光ファイバの構造,半導体レーザやフォトダイオードの動作,など基礎的なデバイスについて予備知識を与える.
2.光通信の基本構成
 引き続き光通信システム全体をスライドにより概観する.ここでは光の変復調と時分割多重方式や波長分割多重方式,光ファイバ増幅,光ファイバ通信システムの現状について説明する.
以上の概説により,光通信システムの概略を理解した上で,本講義で自分が何に重点を置いて学ぶか,その目標を設定する.それを記録として残し,最終テストに備える.
3〜4.光導波と光ファイバ
 光の反射,屈折,全反射など,光学の基礎を復習した後,光導波について光線近似で理解する.また電磁波としての光波の取り扱い方を学び,光導波の原理を理解する.
5.導波路としての光ファイバ
 光導波路としての光ファイバにおける光の伝搬について,その基本的特性を理解する. 光導波モードの概念を理解し,単一モードファイバと多モードファイバとの構造的,特性上の違い,また,光の伝搬における損失や分散などについて学ぶ.
6〜7.発光素子
 光通信システムで使用される半導体発光素子について復習し,半導体における光吸収,自然放出,誘導放出などの原理,およびpn接合,ヘテロ接合など,半導体光素子の基本的構造を理解する.
8.半導体レーザ
 光通信システムで使われる半導体レーザとその発光特性について理解する.半導体材料,ダブルへテロ構造,レーザ発振機構,直接変調の方法などを学び,実際の半導体レーザの特性について理解する.
9.受光素子
 光通信システムで使用される受光素子(フォトダイオード)の構造,および受光特性について学ぶ.フォトダイオードやアバランシフォトダイオードの動作原理を理解する.
10.光変調技術
 光通信システムにおける光変調技術を学ぶ.ディジタル信号について復習した後、半導体レーザの直接変調による光パルスの形成方法を理解する.また,外部変調器の簡単な原理を理解し,外部変調方式を理解する.

 
授業の詳細4 11.復調技術
 伝送されてきた光パルスを電気信号にもどす復調技術について学ぶ.フォトダイオードによる直接検波の原理を理解し,光電力と光電流との関係を学ぶ.アナログ信号における信号対雑音比やディジタル信号における符号誤り率の概念を理解する.
12.光通信システムと光増幅
 再生中継方式など,実際の光ファイバ通信方式の基本的な仕組みを学び,光ファイバ通信における伝送速度,中継器間隔などの概念を理解する.光ファイバの損失,分散などの特性,最低受信レベルや中継間隔などの概念を理解し,簡単なシステム設計を行う.
13.光多重通信方式
 光多重通信方式の1つとして重要な,波長分割多重方式における技術の基本概念や,それに用いられる光素子について学ぶ. 電気信号における時分割多重および光信号における時分割多重の考え方,さらに波長分割多重との併用方式について解説する.
14.まとめと最近の光通信システム
 最近の光ファイバ通信システムで重要な技術である光増幅方式の仕組みについて学ぶ.また,外部講師にお願いする機会があれば,最新の光通信技術について講演していただくこともある.
15.テスト
 最初に設定した各自の課題に対して,本講義を通してどこまで到達し,知識をどこまで広げたかについて,自分の言葉で解答する.
 
授業の詳細5 テキスト:
『光ファイバ通信入門』,末松・伊賀著(オーム社)

参考書
『光通信工学』,左貝著(共立出版社)
『光ファイバ通信技術』,山本著(日刊工業新聞社)
『光ファイバ通信の基礎』,菊池著(昭晃堂)
『光エレクトロニクス−基礎編・展開編』,ヤリーヴ著(丸善)

成績評価:
◆AA:最初に設定した課題について正しく理解し,さらに独創的な議論を展開している.
◆A:最初に設定した課題について正しく理解し,より広範囲に,またはより深く追求している.
◆B:最初に設定した課題について正しく,かつ十分に理解している.
◆C:最初に設定した課題について正しく理解している.
◆F:評点Cの達成目標を満たさないもの.

履修前の受講が望ましい科目:
「通信概論」「通信処理概論」「光デバイス」「電磁波・光波」
 
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