科目名 |
パターン認識・理解 |
担当教員 |
吉田 真一 |
対象学年 |
3年 |
クラス |
学部:専門001 |
講義室 |
A106 |
開講学期 |
1学期 |
曜日・時限 |
火3,金3 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
授業の目的
人や自然界の情報をコンピュータに適切に理解させるためには、人の文字や声、 自然現象等をセンサで入力して得られるデータを、適切にコード化する必要が ある。これらのデータをパターンと呼び、パターンがどのような意味を持つの か、どのようなカテゴリに分類されるのかを行う処理が、パターン認識であり、 パターン理解である。前半は、線形識別関数、類似度、統計的手法など、基本 的なパターン識別法を述べる。後半は、パターン認識の各過程である、前処理、 特徴抽出、理解について詳述する。本講義の目的は、種々のパターン識別法の 特性が理解できるとともに、前処理から認識に至るまでの系全体が把握できる ようになることであり、これを受講することにより以下の能力が身につく。
授業の進め方
本授業は、13回の講義、3回の演習、中間試験と最終試験の計2回の試験を行う。 まず、講義で各パターン認識手法について説明した後、演習にて実際に計算を 行い、理解を深める。
達成目標
本授業を受講することで、以下のような項目について習得する。
(1) パターン認識の基本的な考え方の理解 (2) 前処理、特徴抽出の概要の理解 (3) パターン空間の考え方とその上の距離、類似度の考え方の理解 (4) 線形識別関数、最近傍法、統計的手法を用いた識別法の理解 (4) 動的計画法、弛緩法の理解 (5) ニューラルネット、部分空間法の理解 (6) 上記手法の違いと関連性の理解、応用 |
授業の詳細2 |
授業計画
上記目標を達成するため、次の順で講義を進める。演習は重点的な単元を補強するために行うものであって、必ずしも水曜日に実施するものではないから注意すること。 1.パターン認識・理解とは パターン認識・理解の目的、情報処理における位置づけについて講述し、学習の動機付けを行う。パターン認識系を概説し、本講義の全体像を述べる。 2.パターン識別法(その1 距離) パターン間の近さの概念を説明し、それを表す尺度として、距離があることを述べる。距離には種々のものがあることを述べ、代表的なものについて解説する。 3.パターン識別法(その2 識別関数) 入力パターンがいずれのカテゴリーに属するかの決定に関わる関数を識別関数という。最も基本的な識別関数として線形識別関数を取り上げ、識別決定境界を用いてカテゴリーを分離していることを\\ 明らかにする。また、線形識別関数は距離を用いて識別しているのと等価であることを述べる。 【演習1】距離を用いた識別の基礎理解に関する演習 4.パターン識別法(その3 区分的線形識別関数、最近傍法) 1枚の識別決定境界でカテゴリーを分離するのではなく、何枚かの境界を繋ぎ合わせることにより分離する区分的線形識別関数について解説する。また、入力パターンから見て最近傍のカテゴリーに\ 識別する最近傍法との関連に付いて考察する。 5.パターン識別法(その4 類似度) 類似度の最も基本的なものとして単純類似度を取り上げ、その特性を議論する。また、入力パターンと標準パターンの分布との間の類似度を与える複合類似度、類似パターンを識別する混合類似度に\\ ついても触れる。 6.パターン識別法(その5 統計的手法) 入力パターンの生起確率が既知であるとき、入力パターンがいずれのカテゴリーに属するかを最適に求めるのが統計的手法である。統計的手法として、ベイズ識別法と最尤法を取り上げて議論する。 【演習2】区分的線形識別関数、最近傍法の識別原理に関する演習 7.パターン識別法(その6 部分空間法) 少ない次元数で識別が行える部分空間法について原理を述べ、その特性について議論する。 8.中間試験 これまでに講義したパターン識別法に関する試験を実施し、その習得状況を把握する。 |
授業の詳細3 |
9.パターン識別法(その7 ニューラルネット) 学習により自己の識別機構を変えていくニューラルネットを取り上げて議論する。 【演習3】ニューラルネットに関する演習 10.パターン識別法(その8 パターン識別法の相互関係) これまでに講義してきた各種識別法は密接な関連性を持っている。ここではそれらの相互関係について議論する。 11.パターン識別法(その9 動的計画法、弛緩法) 現実のパターンは非線形伸縮、歪み、部分的な欠落等をもつ。このようなパターンに適用できる動的計画法を利用したDP照合法について述べる。また、パターンの変形や欠落に対処するもう1つの\\ 方法として、最初大雑把な解を求めておき、修正を行いながら徐々に真の解に近づけていく弛緩照合法について述べる。 12.パターン認識の各過程(その1 前処理―正規化―) 入力パターンに歪みやノイズが重畳した場合、これらを認識の前段階で除去するのが前処理である。前処理の役割の1つとして入力パターンの整形がある。ある基準を満足するよう整形する正規化と\\ いう操作について述べる。 13.パターン認識の各過程(その2 特徴抽出―直観的手法―) 特徴抽出法には種々のものがあるが、ここでは、パターンを観察し人間の直観により幾つかの特徴を定義する直観的手法について議論する。 14.パターン認識の各過程(その3 パターン理解) パターン識別とは、入力パターンが属するカテゴリーを決定することである。これに対し、パターン理解とは、単なる対応付けでなくパターンの有するいろいろな属性や他との関係を把握するである\\ 。このためには知識が必要であり、パターン理解における知識、および、理解のモデルについて議論する。 15.クォータ末試験 パターン認識の一連のプロセスである前処理、特徴抽出、認識、理解に関する試験を実施し、これらの習得状況を把握する。
成績評価
演習、中間試験および期末試験で達成目標への到達度を評価する。 C:総合的に見て達成目標全体の60%に到達した場合 B:総合的に見て達成目標全体の70%に到達した場合 A:総合的に見て達成目標全体の80%に到達した場合 AA:総合的に見て達成目標全体の90%に到達した場合
履修前の受講が望ましい科目:画像処理、知覚と認識
テキスト:森健一監修 「パターン認識」 電子情報通信学会 |
授業の詳細4 |
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授業の詳細5 |
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授業の詳細6 |
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授業の詳細7 |
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授業の詳細8 |
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授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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