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タイトル「2008年度シラバス」、フォルダ「2008年度シラバス?専門科目(社会)
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 環境概論 
担当教員 村上 雅博 
対象学年 1年  クラス 学部:専門001 
講義室 B101  開講学期 2学期 
曜日・時限 火1,金1  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1
授業の目的
 地球の豊かな自然と生態系を守り、自然と調和した豊かな社会を築くためには、我々の地球と地域の環境の状況を知りどのように変化していくかについて考察することが必要である。本講義は環境のなかでも特に地球環境問題に焦点をあて、基本的なコンセプト”Think globally and act locally”にもとづいて、自然・社会環境の保全・再生および自然災害の対策のプロセスに関わる基礎的な知識と理解力を身に付けることが目的である。

授業の進め方
地球環境問題や自然災害に対し適切な対応ができれば、水資源の適切な管理、農林水産業への活用など自然現象を社会経済活動に有効に利用できることにもなり、人類の生活に限りない好影響を与えることが期待されているので、代表的な環境問題に関する問題解決型の事例プロジェクトを組み入れて解説する。
授業の各回のテーマごとに主にインターネット(Web, htttp::/)に掲載されているオフィシャルな環境問題に関する情報や資料から選んだテキスト(配布資料)を参考にする。当日の講義内容にかかわるキーワードを5ケ書き出し、テキストから選んだクイズ形式または穴埋め形式の問題、およびそのなかから自身が重要と判断するものを一つ選んで、自身のコメントを250字のレポートにとりまとめる課題演習、そして地球環境問題の解説ビデオ番組を視聴して内容の要約を5百字のレポートに簡潔にとりまとめるトレーニング(演習)を実施するが、それらの成果は成績評価の一部に含まれる。15回の授業で中間試験を1回、期末試験を1回実施する。

達成目標
地球環境問題の主要なテーマ(人口変動、温暖化、気候変動、生物多様性など)に関する基本的な用語と内容を理解し説明できる。
我々の社会生活に係わる地球環境の問題の所在を見出して課題を論理的に整理し、文章(小論文)に主張をまとめることができる。
自身で地球環境と人間・社会のあり方および問題点の所在や課題について考え、自分が何を出来るかを含めて問題解決のアイデアや方法および戦略を総合的に考察する力をつける。
 
授業の詳細2 授業計画

1. 地球環境システム序論: 地球の歴史と未来。 人類が誕生してからの地球の歴史は第四紀に過去4回繰り返された氷河期と寒氷期の繰り返しである。地球温暖化とは何か?との疑問から始まる。(演習:⇒The Day After Tomorrow)

2. 地球環境システム: 気圏(1) 地球気候システムのしくみ、地球規模の異常気象(エルニーニョとラニーニャ)

3 地球環境システム: 気圏(2) 地球温暖化のメカニズムとエネルギー(CO2)問題および循環型社会(3R: Reduce ,Re-use, Recycle)

4. 地球環境システム: 気圏(3) 都市温暖化のメカニズムと都市緑化、変貌する都市熱環境とヒートアイランド・クールアイランド

5. 地球環境システム: 水圏(1) 水の世紀、変貌する地球の水循環システムのしくみと水資源問題(ブルー・ウォータ、グリーン・ウォータ、バーチャル・ウォータ)

6. 地球環境システム: 水圏(2) 地球規模気候変動と自然災害の脅威、不規則に頻発化する洪水と渇水の被害

7. 中間試験
 
授業の詳細3
8. 地球環境システムと持続的開発:地圏(1) 熱帯雨林の減少と酸性雨問題および森林環境の保全と再生(流域管理、間伐、水源税、緑のダム)(演習:⇒Princess Mononoke)。

9. 地球環境システムと持続的開発:地圏(2) 農業と土地利用、土壌浸食と砂漠化・塩害問題

10. 地球環境システムと持続的開発:地圏(3) 廃棄物問題、ゴミのリサイクル問題と循環型社社会(3R)の形成

11. 地球環境システムと持続的開発:四万十方式 高知工科大学の自然循環(四万十)方式水浄化システムから、地域のゴミ(固形廃棄物)の再資源化(3R)と環境保全のしくみを考え、地球環境問題に貢献する(Think Globally and Act Locally)。何が自分に出来るか?、我々に出来るか?を考える。

12. 生物多様性保全: 生態系のゆりかご湿地帯(湿原)とマングローブ林の環境保全ラとムサール条約、世界の湿地帯とマングローブ林の開発と自然再生プロジェクト。地球環境の視点から開発(経済)と保全(自然)の接点の問題を考える。

13. 地球社会問題: 人口増加と貧困、発展途上国の環境(公害)問題と貧困問題から人間の安全保障を考える

14. 環境問題の原点: 水俣病から考える(公害問題から環境問題へ)、企業活動と住民生活と環境(倫理)政策の課題。(演習:⇒“水俣病は今?”)

15. 最終試験

0-1. <演習1> ビデオ教材“The Day After Tomorrow”
0-2. <演習2> ビデオ教示 “Princess Mononoke”
0-3. <演習3> ビデオ教示 (NHKスペシャル) “水俣病は今?”

 
授業の詳細4 テキスト:
村上雅博、“水の世紀”、日経評論社、2003年

参考書:
1) 後藤則行偏、村上雅博、他、”エコブームを問う -東大生と学ぶ環境学-“、学芸出版社、2005年
2) 監修/福岡克也、村上雅博、他、”国際河川と紛争:地球環境データブック2004-05”、ワールドウオッチジャパン, pp.214-221, 2004年
3) Masahiro Murakami, “Managing Water for Peace in the Middle East, Alternative Strategies”, United Nations University Press(国連大学出版局), 1995年<Webから、全文(309頁)を読み込むことが可能、http://www.unu.edu/unupress/unupbooks/80858e/80858E00.htm>
4) Libor Jansky, Masahiro Murakami, Nevilina I. Pachova, “The Danube, Environmental Monitoring of An International River”, United Nations University Press(国連大学出版局), Tokyo/New York/Paris, 2004年
5) 福嶌義宏監修・村上雅博総編集、“地球水環境と国際紛争の光と影”,信山社、1995
6) 蔵治光一郎編・村上雅博、“水をめぐるガバナンス”、(株)東信堂、pp.174-192, 2008年

成績評価:出席・課題演習(25%)、中間・最終試験(75%)を総合(100%)して評価する. 
AA:地球環境システムと持続的開発ついての基本的な知識レベルでの理解ができ,問題の所在を見出した上で、解決の方法にもチャレンジして自身の発想から具体的なアイデアを出し、対策の方法や戦略を示せるポテンシャルがある.
A: 地球環境システムと持続的開発についての基本的な知識レベルでの理解ができ,問題の所在を見出した上で解決の方向性を示すことが出来るポテンシャルがある.
B: 地球環境システムについての基本的な知識レベルでの理解ができている上で,問題の所在を見出すポテンシャルがある.
C: 環境システムについての基本的な知識レベルでの理解ができている.
 
授業の詳細5  
授業の詳細6  
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授業の詳細8  
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