戻る
タイトル「2008年度シラバス」、フォルダ「2008年度シラバス?大学院科目(知能)
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 知能ロボット工学 
担当教員 王 碩玉,三浦 直樹 
対象学年 1年,2年  クラス 院:専門001 
講義室 A112  開講学期 2学期 
曜日・時限 火2,金2  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 講義の目的
予め決められた単純な作業しかできない産業用ロボットと違って、知能ロボットは、異なる環境に応じて取るべき行動を自律的に推論し、そして実行する能力を持っている。適切な行動を推論するには、知識が要る。知識は学習によって獲得される。すなわち、賢く作業できる知能ロボットを構成するにあたって、メカニカル機構以外には、推論機能と学習機能を備えなければならない。知能ロボット工学では、学習アルゴリズムと推論アルゴリズムについて修得することを目的とする。具体的には、ニューラルネットワークによる学習法とファジイ集合による推論法、これらの手法を用いて知能ロボットの実現について学ぶ。

講義の進め方
本講義では、理解度を高めるために、理論的計算アルゴリズムを大事にしながら、計算に隠れている物理的な概念、アルゴリズムの開発背景について重点的に解説する。また、知能ロボットに関する写真やビデオや動画を多数使用する。さらに学会講習会にて使用されているフリーウェアを用いて、推論と学習アルゴリズムを体験する。前半を三浦担当、後半を王担当とし、成績評価はそれぞれの講義の区切りで行うものとする。

達成目標
1.ニューラルネットワークによる学習の仕組みを理解し、ロボットへの導入の基礎理解が得られる。
2.ニューラルネットワークによるロボットの知能化・自律化のための基礎概念が得られる。
3.ニューラルネットワークの学習によるロボットの動特性時系列変動に対する適応性の効果を理解できる。
4.ファジィ集合による曖昧概念の定量化法が理解でき、ファジィ集合・関係の基本演算ができる。
5.ファジィ推論の基本概念が理解でき、数式で三種類のファジィ推論アルゴリズムが表現できる。
6.知識獲得と学習と推論の関係が理解でき、知能ロボットの障害物回避言語ルールが作成できる。
 
授業の詳細2 授業計画
1−2.ニューラルネットワークの基礎
ニューラルネットワークの動作原理を説明し、パターン認識、マシンコントロールに応用する際の基本的な考え方を解説する。また、ネットワーク構成方法のバラエティと各種構成法に関する長所・短所を解説し、マシンラーニングにおける収束の問題についても言及する。
3−4.バックプロパゲーション法に代表される学習アルゴリズムの紹介と確率的最急降下法による学習メカニズムについての基礎を解説する。また、ニューラルネットワークによるオンラインラーニングにおける手法の導入において注意するべき点についてマニュプレータタイプのロボットを対象にして言及する。
5.非線形特性が大きなウエイトを占める制御対象(人工筋肉、垂直多関節マニュプレータなど)に対しニューラルネットワークの非線形コントローラとしての優位性を述べると共に、これまでのニューラルネットワークによるロボット制御研究の歴史と現状について解説する。
6.実用事例
ロボットの視覚情報を例にとり、ニューラルネットワークによる学習システムのメカニズムと汎化能力による外界情報の変動に対するロバスト性を学習する。
7.前半試験60点(基本内容50点、 応用問題10点) 
授業の詳細3 8.ファジィ理論と知的制御
ファジィネスの概念とその重要性、ファジィ理論の歴史、ファジィ理論を利用した知的制御システム実例や知能ロボットの紹介
9.ファジィ集合と曖昧概念の定量化
集合、クリスプ集合と定義関数、ファジィ集合とメンバーシップ関数、ファジィ集合による概念の厳密定量化、ファジィ集合の基本演算(和集合、共通集合、補集合)、ファジィ集合の性質(可換律、結合律、分配律、二重否定率、ド・モルガン律)
10.ファジィ数とその演算
ファジィ数の定義、拡張原理、分解定理、言語による知能の表現
11.ファジィ推論T
Mamdaniの推論法、Product−Sum推論法、知的制御システムへの応用事例
12.ファジィ推論U
Takagi−Sugenoの推論法、シングルトン型推論法、ロボットの自律制御への応用事例
13.ファジィ推論V
距離の概念、実数間の距離計算、ファジィ集合間の距離計算、距離型ファジィ推論法その性質
14.ファジィ推論に基づく知能ロボットの行動計画
知識獲得と学習と推論の関係、ファジィ推論に基づく知能ロボットの軌道・経路計画、学習機能を持つ推論法に基づく障害物回避。
15.後半試験60点(基本内容50点、 応用問題10点)
 
授業の詳細4 成績評価
成績は前半、後半の成績を総合して下記のとおり評価する。
A A:100点以上
A: 80点以上99点以下
B: 70点以上79点以下
C: 60点以上69点以下
 
授業の詳細5 ◇テキスト
前半では適宜必要資料を配布する。
後半では自編教材を使用する。
内容に応じて写真、動画、ビデオを使用する。

◇参 考 書
『図解雑学ロボット』、新井建生(ナツメ社)ISBN4-8163-3916-7 \1350
ビデオ教材を使用する。

『アドバストファジィ制御』,田中一男(共立出版株式会社)ISBN4-320-08530-2 ¥3570
『ファジィ制御』菅野道夫(日刊新聞社)ISBN4-526-02348-5
 
授業の詳細6  
授業の詳細7  
授業の詳細8  
授業の詳細9  
授業の詳細10  


Copyright (c) 2006 NTT DATA KYUSHU CORPORATION. All Rights Reserved.