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タイトル「2008年度シラバス」、フォルダ「2008年度シラバス?大学院科目(物・環)
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 固体物性論 
担当教員 谷脇 雅文 
対象学年 1年,2年  クラス 院:専門001 
講義室 B108  開講学期 1学期 
曜日・時限 月2,木2  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 講義の目的
  
物質は原子から構成されている.原子間の結合はさらに電子のふるまいによって決められる.それゆえ、物性(=物質の性質)は原子および電子の挙動によって決定される.原子や電子のような極微の世界は、これまでに学んだ古典物理学だけでは、表現することができない.そのためこの講義では、原子の世界を記述する道具として、初歩的な量子力学と熱・統計力学を学習する.
 

講義の進め方
  
講義と演習,チェックのための少テスト
テキストはプリント
 

達成目標
  
現象を記述する方法としての古典力学,量子力学の"しくみ"を理解する.
古典力学においては,運動方程式をたて,これが解けるようになる事.
量子力学においては,波動方程式をつくること,そして,それから速度,エネルギーなどの物理量を求められること.
熱力学の初歩的な理解(温度の定義,熱力学第1,2,3法則,エントロピーの定義).
統計力学の方法,熱力学との対応の理解

 
授業の詳細2 講義計画
  

1. 序論
講義の概要が説明される.そして古典力学が原子の世界を描写しきれなくなった事情と、量子論、統計力学の大まかな考え方が紹介される.

(古典力学)
2. 古典力学
古典力学の柱であるニュートンの力学の3法則を学ぶ.そして,加速度,速度,変位が微分・積分で結び付けられていることを理解する.

3. 力・仕事・エネルギー
力として代表的な万有引力,クーロン力,バネの力をとりあげる.そして,定義にもとづいて,力から仕事・ポテンシャルを求める.力学的エネルギー保存則を理解する.

(量子力学)
4. 光の粒子性・電子の波動性
まず波動という見方について簡単にふれる.次に,19世紀末までは波動と信じられてきた光のエネルギーが量子化されていること,粒子である電子に波動性があることを学ぶ.

5. ボーアの水素原子モデル
1913年、ボーアは水素原子モデルを提案した.前期量子論とよばれるこのモデルは、原子の構造を理解するうえで有用であり、その考えは現在の材料科学でもしばしば応用される.

6. .原子の世界の法則
古典力学では、運動方程式が柱であった.初期条件さえ与えられれば、これを使って任意の時間において運動状態を完全に決めることができた.しかし量子力学では粒子の運動は、シュレディンガーの波動方程式で記述される.

7. 波動方程式の応用
シュレディンガーの波動方程式の応用例として箱の中の自由粒子の運動、単振子、水素原子の構造を学ぶ.箱の中の自由粒子の運動、単振子の運動から金属中の自由電子のエネルギー、格子振動のエネルギーが飛び飛びである事が導かれる(量子化).

8. 中間試験

 
授業の詳細3 (熱・統計力学)

9. 熱力学
熱力学の復習を行う.特に温度の定義、熱力学第一法則、第二法則、エントロピーの概念と、熱力学の枠組みを再確認しておこう.

10. 量子統計の方法
量子統計でつかわれる数学的方法は、場合の数である.順列・組み合わせを見直しておこう.そして、統計力学の前提となるアプリオリ等確率の原理を学ぶとともに、エネルギー状態、微視的状態、巨視的状態の定義を行う.

11. 量子統計
粒数およびエネルギー状態数が小さい場合について、実際に各種の統計を行って、巨視的状態を求めてみる.一つの状態をとる粒子数に制限が無い場合をボーズ=アインシュタインの統計、粒子数が1個の場合をフェルミ=ディラックの統計と言う.

12. エントロピーの統計的解釈
熱力学で定義されたエントロピーを統計力学の立場から解釈する.

13. 14. 分布関数
量子統計の結果を、粒子数が大きい場合に拡張する.エントロピー最大を与える巨視的状態を、ラグランジュの未定定数法を用いて求める.ここで求めた結果と量子論から、いわゆる電子論の骨格ができる.

15.試験
 
授業の詳細4 成績評価

 試験

備考:数学、物理学(力学、熱力学)は履修しておいて欲しい.

テキスト:未定

参考書:量子力学、統計力学に関する本はたくさんあるが、次のものが比較的やさしい良書である.
「量子論」小出昭一郎(裳華房)
「熱力学・統計力学」シアーズ・サリンジャー著、堂山昌男訳(共立出版)
 
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