科目名 |
21世紀の社会学 |
担当教員 |
放送大学 |
対象学年 |
2年,3年 |
クラス |
学部:人社002 |
講義室 |
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開講学期 |
2学期 |
曜日・時限 |
集中 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
「主任講師」 船津 衛 (放送大学教授) 山田 真茂留 (早稲田大学教授) 浅川 達人 (明治学院大学教授)
「全体のねらい」 社会学とはどのような学問なのかを知るために、自我・自己、都市、集団・組織、集合行動、ジェンダー、宗教、情報、災害、高齢者、病い、死などの新しい社会現象について具体的に考察し、そこから、21世紀の社会学の課題を明らかにして、社会学への理解を深めることを目的とする。 |
授業の詳細2 |
21世紀の社会学とは: 21世紀を迎えた現代社会はグローバル化、地球規模の環境破壊、家族の少人数化・高齢化、情報化、また人々の自我の変容など、変化・変動がきわめて著しいものとなっている。このような中での21世紀の社会学の新しいあり方について考察する。
現代社会における自己の諸相: 社会学自己論の潮流を、他者の視点を束ねて問題を解決してゆくミードの自己論、脱中心化され状況次第で流動するポストモダンの自己論、そして、流動性を持ちながらも状況を越えた行為を展開しようとする物語自己論などに整理し、その特徴を論じる。
都市空間の社会学: 現代大都市が経験している社会変動の多くは手で触れ、直接目で見ることもできないが、人々の日常生活に及ぼした影響は痕跡として空間構造に刻み込まれている。都市の空間構造とその変化を可視化する道具として社会地図を用いて、都市社会の構造の変動を考えていく。
集団・組織と新しい関係性: 集団・組織の役割は個人主義化が進行している現代社会においても、なお重要性を増している。他方、ネットワークや集合的アイデンティティなど、既存の集団や組織の枠を超え出た現象も見られるようになってきている。このような新しい動きを見据えながら、集団・組織現象の最前線に迫っていく。 |
授業の詳細3 |
集合行動へのアプローチ: パニック、流言、流行、リンチ、都市暴動、反戦運動や環境運動などの集合行動について、集合行動と日常行動との異同、集合行動の生成と進展を規定する社会構造、個人の信念や相互作用と集合行動のダイナミズムという観点から考察していく。
共同性と公共性: 19世紀から20世紀にかけての近代社会の成立期において、個人化の進展に直面して、「共に同じである」という意味での「共同性」をいかに再び確保するかが問題とされてきた。20世紀から21世紀にかけての近代社会の成熟期においては、個人化を前提としたうえで、「公を共にする」という意味での「公共性」をいかに新たに構築するかが問題となってきている。これから2つの概念を軸として、近代社会の変動にともなう社会編成のあり方について考察する。
ジェンダーと現代: まず、1970年代にジェンダーという言葉が登場したことの意味を論じ、次いで、ジェンダーには個人にとって違和感のあるものとそうでないものがあることを指摘する。そして、身近な事例を通して、潜在化しているジェンダーの問題を論じ、現代においてジェンダーが揺らぎの中にあることを明らかにする。
身体感覚とリアリティ: 今日の癒やしブームに共通する点は人々の五感に働きかけ、希薄化した身体感覚のリアリティを快適さとともに回復することにある。このような観点からすると、現代はあらゆる活動が視覚中心に編制されている。本章では、近代における視覚による身体管理の系譜を辿りつつ、癒やしブームの意味について明らかにする。 |
授業の詳細4 |
世俗化と現代宗教: 本章では宗教社会学の根本をおさえ、現代宗教がどのような様相を呈しているかについて考察する。世俗化のイメージとして宗教の衰退と見る視角と宗教の変容と見る視角の2通りがあるが、今日の状況を見たときどちらが妥当なのだろうか。伝統的に制度化された宗教だけでなく、新宗教運動の展開も射程におさめ、宗教と社会の関係性の今日的な位相を見定めていく。
情報とコミュニケーション: 従来、パーソナル・コミュニケーションとマス・コミュニケーションが区別されてきたが、インターネットの普及によって、この区別が再検討されるべき段階に至っている。情報の過剰がもたらす弊害とコミュニケーション不全の問題に言及し、人が生きていく上で、情報とコミュニケーションがもつ意味を考える。
災害と社会: 都市化や高齢化といった社会構造の変化が被害の大きさや形態に与える影響、地域構造や組織構造が対応行動に与える影響、社会が内包する災害文化が事前の準備度や避難に与える影響という側面から、災害の被害軽減に社会学が果たしてきた貢献と今後期待される領域について論じていく。
高齢者の社会関係: 社会的に孤独な高齢者というステレオタイプが人々の意識の中に根強く埋め込まれているが、実証研究はそれはきわめてまれなことを明らかにしている。高齢者が他者との間に有意味な関係を維持していることを前提に、他者との関係を支配しているメカニズムや他者との関係が高齢者に及ぼす影響を考察する。 |
授業の詳細5 |
健全さと病いの物語: 医療の発展によって、われわれは多くの恩恵を被る一方で、健全さと病気に関する偏った見方を抱くようにもなった。21世紀の社会において、近代社会に流通する回復の物語に生きがたさを感じる人々が、自分にあった物語を探っていくことを問題とする。
〈死〉の受容と〈生〉の技法: 近代社会は死を合理的に身体的=精神的活動の絶対的終焉とし、死にまつわる事柄をすべてタブーとし、身近な生活から死の痕跡を排除してきた。本章では、近代が成し遂げた死の無意味化について解明し、そこから現代における生の意味について考察する。
21世紀社会のゆくえ―モダニティとポストモダニティ: 社会学においては、近代社会の編成を「モダニティ」として整理し、モダニティを離脱、再編成しようとする動きを「ポストモダニティ」として把握する試みがなされている。本章では、モダニティとポストモダニティのせめぎあいを概観し、21世紀社会の様相を展望する。 |
授業の詳細6 |
「成績について」 AA:特に優れた成績を示したもの A:優れた成績を示したもの B:良好と認められる成績を示したもの C:合格と認められる成績を示したもの F:不合格
「開講時期(予定)」 2学期(本登録は7月ごろ) 履修を希望するものは6月末ごろに行う予定の放送大学履修登録説明会に出席し、配布する専用の申請書を必ず提出すること。
「テキスト」 放送大学より送られてくる資料を使用する。
注意:4年生は原則履修できない。(理由:放送大学の試験結果通知が本学の卒業認定時期と同時期であるため卒業判定が困難となります。2・3年次での履修を推奨します。)
(その他何かわからないことがありましたら教務学生部までお越しください) |
授業の詳細7 |
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授業の詳細8 |
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授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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