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タイトル「2009年度シラバス」、フォルダ「2009年度シラバス?大学共通科目(人文・社会科学等科目)
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 道徳教育論 
担当教員 放送大学 
対象学年 2年,3年  クラス 学部:人社002 
講義室   開講学期 2学期 
曜日・時限 集中  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 「主任講師」
 林 泰成 (上越教育大学大学院教授)

「講義概要」
 道徳教育とは、主として学齢期にある青少年に道徳性を身に付けさせることを目標とする種々の教育の総称である。道徳性の意味については、社会的、時代的背景によりさまざまに議論されてきたが、現在では、非常に幅広い概念としてとらえられており、特定の価値観や理念に基づくものとは考えられていない。そうした観点から、道徳教育の歴史や法的な規制、学校教育における道徳授業の方法だけにかぎらず、家庭や地域社会とのかかわりや、カウンセリングや人権教育とのかかわりなど、道徳に関連するさまざまな話題を取り上げ、検討する。

「授業の目標」
 15回の授業を通して、道徳の概念、歴史、指導要領、授業方法、家庭教育、諸外国の制度など、道徳教育に関連するさまざまな話題に言及する。それぞれの話題について理解することがねらいである。が、それだけにとどまらず、そうした理解をもとにして、自らが反省的考察を行い、道徳的に自律した人間として自らの道徳観を作り出すことが最終的な目標である。 
授業の詳細2 1 道徳教育とはなにか
 道徳とは何か。道徳教育とは何をすることなのか。現代社会のなかで、道徳教育はどのような意味で重要なのか。道徳教育の諸問題の解明にはどんな学問分野が必要なのか。そうした基礎的な問題について説明する。

2 日本の道徳教育の歴史
 明治時代に近代的な学校制度が始まって以降の日本の道徳教育の変遷について説明する。制度論や思想史などさまざまな観点から検討する。

3 学習指導要領と道徳教育
 学校における道徳教育は、法的拘束力をもつと考えられている学習指導要領によってその目標や内容が定められている。その歴史的変遷と現行の学習指導要領の規定について考える。

4 道徳性の発達
 道徳性とは何か。また、それはどのように発達するのだろうか。ピアジェやコールバーグらの心理学的な研究に依拠して、そのメカニズムを説明する。

5 道徳的社会化
 道徳的な成熟を、社会が望ましいと考える価値観や態度などを個々人が内面化する過程としてとらえ、そのメカニズムを社会学的な観点から検討する。 
授業の詳細3 6 道徳授業の方法@〜伝統主義的アプローチ〜
 道徳の授業にはさまざまなやり方があるが、まず、道徳的価値を伝達し、内面化するアプローチを取り上げ、検討する。

7 道徳授業の方法A〜進歩主義的アプローチ〜
 前回に引き続き、道徳的価値の伝達というやり方以外の授業方法を取り上げ、概説する。それは、たとえば、モラルジレンマ授業や、価値明確化の授業である。

8 教科教育と道徳教育
 学校に限定して考えた場合でも、道徳教育は道徳の時間の中だけで行われているわけではない。教科の教育の中でも道徳教育は行われていると言うことができる。具体的にどのような形で行われているのかを説明する。

9 特別活動と道徳教育
 道徳教育は、学級活動や学校行事などの特別活動の領域でも行われている。そうした場で、いかにして人間関係を築いていくかということを考えながら、実践的指導としての道徳教育の在り方について考察する。

10 教育臨床と道徳教育
 教師が学校で直接子どもと接する活動としては、学習指導と生徒指導の2つがある。このうちの生徒指導の場面を念頭に置きながら、子どもと教師のかかわりを検討する。 
授業の詳細4 11 家庭・地域社会における道徳教育
 道徳教育は、学校の中だけで行われるのではない。家庭におけるしつけもまた道徳教育の一部である。ここでは、望ましい家庭教育の在り方や、母子関係、父子関係について、さらには地域の教育力について検討する。

12 諸外国の道徳教育
 諸外国において道徳教育はどのように行われているのだろうか。学校では実施していない国もあれば、一教科として行われている国もある。それぞれの国の文化の違いに触れながら、道徳教育についてのさまざまな考え方を紹介する。

13 道徳教育と宗教
 道徳と宗教は無縁ではない。各宗教の教えの中にも、道徳の教えと言ってよいものがたくさんある。しかし、政教分離の原則によって国公立学校では宗教的な儀式を行うことはできない。法律や学習指導要領の規定にも触れながら、道徳教育と宗教のかかわりについて検討する。

14 人権教育と道徳教育
 学校現場では、人権・同和教育が、道徳の時間を利用して行われることもある。人権は、道徳教育を考える上で基礎となる概念であるが、その重要性を取り上げ、道徳教育とのかかわりについて検討する。

15 道徳教育の課題
 第1 回から第14 回までの考察・検討などを振り返りながら、道徳教育の課題を考え、これからの時代・社会における道徳教育の在り方を展望する。 
授業の詳細5 「成績について」
AA:特に優れた成績を示したもの
A:優れた成績を示したもの
B:良好と認められる成績を示したもの
C:合格と認められる成績を示したもの
F:不合格

「開講時期(予定)」
2学期(本登録は7月ごろ)
履修を希望するものは6月末ごろに行う予定の放送大学履修登録説明会に出席し、配布する専用の申請書を必ず提出すること。

「テキスト」
放送大学より送られてくる資料を使用する。

注意:4年生は原則履修できない。(理由:放送大学の試験結果通知が本学の卒業認定時期と同時期であるため卒業判定が困難となります。2・3年次での履修を推奨します。)

(その他何かわからないことがありましたら教務学生部までお越しください) 
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