科目名 |
物体の変形 |
担当教員 |
楠川 量啓 |
対象学年 |
1年 |
クラス |
学部:専門001 |
講義室 |
C101 |
開講学期 |
2学期 |
曜日・時限 |
火2,金2 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
授業の目的 一般に強固であると思われる固体材料であっても,外力によって変形が生じる。外力がある程度以上になると破損,破断に至ることもあり,機械・構造物を設計,製作するにあたってはこのことに十分注意を払う必要がある。一方,強度向上のため,高級な材料をふんだんに使用することは経済的に無駄となるので,安全性と経済性の両立を達成しなければならない。本授業では“棒”や“軸”といった単純化された部材について,外力により生じる内力の大きさを表す「応力」と変形の度合を表す「ひずみ」について,その基礎的な事項を理解し,より複雑な応力・変形解析のための基礎を身につける。 |
授業の詳細2 |
授業の進め方 まずベクトル量である「力」あるいは「力のモーメント」を十分理解してもらう。次に“物体が静止している状態は力やモーメントがつり合っている状態である”に基づいて,つり合い式を正しく立てられるようにする。その後,物体中において仮想断面の概念を導入し内力を理解してもらう。この内力および変形からそれぞれ応力とひずみを定義し,棒や軸といった基本部材について,応力−ひずみの関係式であるフックの法則を適用させて種々の問題が解けるように授業する。15回の授業で中間試験を1回,期末試験を1回実施する。 |
授業の詳細3 |
達成目標 1.つりあい状態にある対象とする物体を取り出し,自由体図が描ける。 2.力のつりあい式を立てて,反力などの未知の力を求めることができる。 3.単軸応力下でのフックの法則が使いこなせる。 4.ねじりにおけるせん断応力、ひずみおよびねじれ角などを求めることができる。 5.簡単な動力伝達軸の許容応力に基づく計算ができる。 |
授業の詳細4 |
授業計画 1.授業の内容と目的ならびに評価方法,単位系 本授業の全体的説明を行なう。また,SI単位系と本授業で使用する物理量の単位を説明する。また、力がベクトル量であることを復習し,ベクトルの分解、合成について簡単に解説する。 2.一点に作用する力のつりあい まず平面内で3つ以上の力が1点に作用する場合の力のつりあいについて考える。具体的におもりを糸で吊るような場合について、糸に働く張力を求める問題を考える。 3.4.力のモーメント、自由体図 力のモーメント、偶力について解説し、平面内で剛体が静止する条件をのべる。次につりあい状態にある系から対象とする物体を取り出し,自由体図を描くことを学ぶ。さらに自由体図から力のつりあい式,モーメントのつりあい式をたてて,これらから反力など未知な力やモーメントを求めることを学ぶ。 5.内力とトラス部材力 物体において仮想断面を設け,その面内に作用する内力について解説する。また,トラス構造がどのようなものか理解するとともに,トラス部材に生じる部材力を求める方法を習得する。 6.応力とひずみ 仮想断面における垂直,せん断の各応力,また,単純な変形における垂直ひずみとせん断ひずみについて解説する。また,縦ひずみと横ひずみの割合であるポアッソン比についても述べる。 7.フックの法則と許容応力 まず応力とひずみの関係を表すフックの法則について述べる。次に金属材料の引張り試験について解説し,引張り試験により得られる材料の機械的性質と応力−ひずみ線図またこれらと許容応力との関係について解説する。ここで許容応力に基づく簡単な強度計算のいくつかの例題に取り組んでもらう。 8.不静定問題と熱応力 力,モーメントのつり合いだけでは解くことができない不静定問題を,変形の適合条件を考えることにより解く方法を解説する。また,温度変化に伴う部材の変形についても学習する。 9.中間試験 物体のつり合いを理解している。つり合っている物体について,力・モーメントのつり合い式をたててこれを解くことができる。許容応力が理解できている。単軸問題におけるフックの法則が使いこなせる。等についての試験を行う。 |
授業の詳細5 |
10.中間試験の解説,ねじりの基礎 中間試験の解説を行う。次に丸棒にねじりモーメントを負荷したときの変形状態を説明し、この場合のせん断ひずみを導く。また、フックの法則とモーメントのつり合いから、軸断面内でのせん断応力とねじりモーメントの関係式を導く。特に、ねじりにおけるせん断応力が半径に比例した分布となることを理解してもらう。 11.ねじりにおける変形 前回導入した、円形軸断面形状に対する断面二次極モーメントについて具体的な計算を解説する。また中実軸および中空円筒のねじりに関するいくつかの例題に取り組んでもらう。 12.ねじりにおける不静定問題 中空軸のねじりと軸のねじりに関する不静定問題について解説し、ねじり問題における変形適合条件を定める方法を理解してもらう。 13.伝達軸の設計 回転で動力を伝達する伝動軸では、軸はトルクがかかった状態で回転することになり、トルクと回転速度により伝達動力の大きさが決まる。このとき、軸を許容せん断応力以内に収めるための計算方法を習得してもらう。 14.期末試験 ねじりについて試験を行なう。また、中間試験で評価Cの基準を満たせなかった学生については、その基準に到達できているかの最終判定も行なう。 15.期末試験の解説 期末試験問題を解説する。また,本授業の次の段階として学習する,曲げを受ける部材である“はり”について,その概要を述べる。 |
授業の詳細6 |
成績評価 15回のうち10回以上を出席し,2回の試験を受験した学生に対し以下の基準で成績を評価する。 ◆AA:講義した内容を応用させて解くような発展問題(例えば断面が変化する棒の応力とひずみ,不静定問題の応用に関する問題など)が解ける学力が身についている。 ◆A:講義した内容を十分理解したうえ,これを用いて解くような基本問題が解ける。 ◆B:達成目標にほぼ到達したと認められる成績。 ◆C:力・モーメントのつりあいが理解できている,簡単な外力に対する応力とひずみが計算できる,フックの法則が理解できている、許容応力に基づく計算ができる、以上の必要最低限基準を満たしている。 |
授業の詳細7 |
◇テキスト JSMEテキストシリーズ 材料力学 日本機械学会 発行:丸善 ISBN978-4-88898-158-3 C3353 \1,886 ◇履修上の注意 授業には必ず関数電卓を持参すること。 システム工学群「材料力学」の講義の枠で物体の変形を再履修する知能機械システム工学科2年生以上の学生が対象である. |
授業の詳細8 |
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授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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