科目名 |
リーダーシップ論 |
担当教員 |
前田 光幸 |
対象学年 |
1年 |
クラス |
学部:専門001 |
講義室 |
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開講学期 |
1学期 |
曜日・時限 |
時間外 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
【授業の目的 】 ◎ 日本社会は戦後の欧米キャッチアップ期、高度成長期を経て、今、パラダイム(枠組み)の大変革期にある。この大変革をもたらした 事由は以下の4点に要約されよう。@ソ連・東欧、中国などの共産主義社会の世界経済的への台頭、Aインターネットの広範な 進展による技術・市場の加速度的変化、B経済原則、競争ルールの急激なグローバル化の進展、Cサブプライム・ローン問題で明 らかになった金融のグローバリズムの破綻と、それによって引き起こされた実物経済の構造の大混乱と、求められる経済、社会原理 の大修整、である。このパラダイム転換は全世界、全日本を巻き込んでいる。無論、四国も高知も例外ではない。 以上のような新たなパラダイムにおいて、求められるリーダー像は従来とは大きく異なってきた。効率向上や改善を進めるリーダーではなく、今や「変革と創造のリーダー」が求められている。企業の競争優位の仕組みを再構築し、場合により破壊し、あるいは創造し、かつ状況変化に応じてそれを変革していくリーダーである。ただし、上記Cに対し、明確な海図を示し行動し始めたリーダーはまだ世界のどこにも現れてはいない。そのようなリーダーは、@〜Bの変化を乗り切ってきたリーダーとは、そのよって立つ哲学を異にする可能性が大きい。本講義は、Cの時代を先導するリーダーがどのようなものであるかについても議論していく。 ◎受講生は授業において、現在の社会、これからの社会において何が強い「変革と創造のリーダー」の要件かについて考える機会を持つ。その際、強いリーダーに関する一般論を学ぶと同時に、個別具体的な事例を知ることにより、リーダー論の多様性と深さを学習する。 ◎授業の後期において、受講生は自らのリーダーシップ論をチーム討議、クラス発表・討議を行う体験を通じて、リーダーシップ論を実感する。この体験は受講後もリーダーシップ論について折に触れ再考する、という持続的学習への途を拓く。 |
授業の詳細2 |
【授業の進め方】 ◎授業の構成はT学ぶ、U知る、V考える、の三部からなる(授業計画参照)。Vの考える、ではチーム討議・発表を行う。リーダ ーシップ論を体現するには、チームプレイが重要だからである。 ◎まず、企業経営・企業の価値・企業戦略、日本の競争力等に関する、基本的なフレームワークについて学習する。受講者は、こ れらが企業の経営哲学・信条・価値観と不可分に強く結び付いていることを学ぶことを期待される。 ◎ 次に、日本と英米の優れた経営リーダーが「困難に直面した、気付いた、考えた、創造した、変革した、組織を動かした」実例に ついて知る。また、彼等が日・英米それぞれの経営哲学・企業風土、個々の事業環境の中で、何を重点的に考え、実行したかた かを知る。 同時に、一般に言われているのとは逆に、優れた日・英米経営リーダーに共通点が多いことについても知る。因みに、それらのリーダーが活躍する場は大企業だけでなく、(当時の)新興企業、中堅企業まで多岐に亘るべく選択されている。 ◎授業の後期において、受講者は日・英米の優れた経営者に関し、講義で感じ、認識したことをチーム内で討議し、発表する。 ◎サブプライム・ローン問題で顕かになった貿易・金融の新自由主義の破綻、地球環境・エネルギー問題など今、産業人が最も大 きな挑戦に直面している状況を学び、持続的成長の為に必要な原則のありかた(競争から共生へ)について考える。 ◎授業を通じ経営について学び、日・英米の実在経営者について知り、現在起こっている社会の大きな変化について考えた上で、 自分がリーダーになったら、どういうリーダーを目指すかについて、チーム討議とクラス発表・討議を行う。その討議・発表と体験 を通じ、リーダーシップのあり方を実感する。 |
授業の詳細3 |
【達成目標】 ◎今日の日本社会の変化のスピードや将来の不透明さは、従来とは違う経営リーダーを求めているが、望ましいリーダーのタイプ は、それぞれ組織が置かれている与件、環境、局面によって異なる。その多様性に考え及ぶ思考の柔軟性の重要性を認識する ことができる。 ◎それを涵養するため、受講者は自らある(架空の)企業(ないし組織)について、与件、環境、局面を想定し、望ましいリーダー論 を積極的に展開し、議論することができる。 ◎他受講者が理解しやすいように、どのように上記の状況説明を明確に行い、望ましいリーダーシップ論を展開する、他受講者の考えを理解する、ことができる。 ◎リーダーシップ論は全人格的な広がりを持つ。技術・知識・目的意識以外に、人に働きかけ、人を動かすために何が必要かにつ いて熟慮し、かつそれを表現することができる。 |
授業の詳細4 |
【授業計画】 T.学ぶ 1.企業経営 企業フレームワーク、Stakeholder、付加価値、CSR 2.企業価値 資本コスト、キャッシュフロー、株価、ブランド、知的財産、人材、M&A 3.企業戦略 ビジョン、競争戦略、バリューチェーン、コアコンピタンス 4.パラダイムシフト グローバル化、ネット化、技術と市場の変化、金融自由主義の破綻 5.日本の競争力 IMDレポート、イノベート日本、パルミサーノレポート、GDPからGPIへ
U・知る/感じる 「優れた経営者」群像 6.H.Kelleher(Southwest) 従業員第一主義、航空業に低料金革命 7.W.Johnson(Ritz Carlton) 従業員のきめ細かいサービスを経営・ITが全面サポート M.Dell(DELL) Dell's Direct Modelで既存の産業秩序を破壊 8.井上礼之(ダイキン) Dell's Direct Modelで既存の産業秩序を破壊 9.中村邦夫(松下電産) 「経営の神様」松下幸之助の遺産である既存組織を破壊 和地孝(テルモ) 人を大切にし、人を動かす経営 10.発表・討議(チーム制) チームは上の6人のうち一人を選び、「なぜ、○○氏は優れた経営者になれたか」を発表・討議
V.考える 11.日本と英米経営者像比較 リーダーの優劣基準の相違 12.企業変革 変革のリーダー、企業風土、組織の育成、モチベート 13.パラダイムの新様相 グローバリズムの蹉跌:サブプライム問題が顕かにした貿易・金融の新自由主義の破綻、地球環境とエネルギー、競争から持続的共生へ 14.チーム討議 自分が社長になったら、「どのようなリーダーシップを発揮するか」をチームで討議・案を作成 15.クラス発表・クラス討議 自分が社長になったら、「どのようなリーダーシップを発揮するか」のチーム案をクラスで発表し、討議 |
授業の詳細5 |
【成績評価】 ◎授業への出席 50% ◎企業の目的・価値、およびリーダーシップについて、 AA:大変よく理解している、 A:よく理解している、 B:概ね理解している、 C:さらに努力が必要 |
授業の詳細6 |
◇参考書 ◎「チェンジリーダーの条件」,P.F.ドラッカー,ダイヤモンド社(2000年) ◎「マネジメントの本質」,関根次郎,東洋経済(2004年) ◎「経済成長神話からの脱却」、C.ハミルトン、アスペクト、(2004年) ◎「資本主義はなぜ自壊したのか」、中谷巌、集英社、(2008年) |
授業の詳細7 |
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授業の詳細8 |
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授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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