科目名 |
制御工学特論 |
担当教員 |
竹田 史章,岡 宏一 |
対象学年 |
1年,2年 |
クラス |
院:専門001 |
講義室 |
A109 |
開講学期 |
1学期 |
曜日・時限 |
火1,金1 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
「講義の目的」 1.前半の授業は学部で学んだ制御工学およびロボット関係の授業の発展系として以下のことを習得することを目的として、周波数応答について学ぶ。周波数応答とは、システムにいろいろな周波数の正弦波を入力として加えたときの定常状態における出力の応答であり、これを理解することによってシステムの特徴をよく表すことができる。
2.ロボットを含めたマシンの知能化制御を前提とし、各種センサ情報の知能情報処理の意義とそれに対応する種々の信号処理の基本的なアルゴリズム(例えば、ニューラルネットワークなど)の習得を行い、ロボットの具体的な知能化制御ならびに自律化のための基礎知識・理解の習得を目的とする。また、これらを通じて従来の産業用ロボットに多く見られる単なるプレイバック動作と比較しながら、外界のセンサ情報を知的に処理したロボットの行動或いは動作精度を反映することの重要性も具体例を通じて修得する。 |
授業の詳細2 |
「講義の進め方」 前半では制御工学の基本概念の一つとして周波数応答について学ぶが、その概念と理論の理解度を高めるために、例題を解くことや、ノートパソコンを用いてシミュレーションなどを行う。 後半では、マシンの知能化のための各種データ処理およびアルゴリズムを基礎概念と応用事例を基に解説し、具体的事例としてロボットを題材とし、知能情報処理技術の基礎とマシンの自律性について言及する。特に、知能情報処理アルゴリズムとしては、ニューラルネットワークとする。 また、本講義は授業のスタイルで行なうが、理解度を高めるために、知能ロボットに関する写真やビデオや動画を多数使用する。前半を岡担当、後半を竹田担当とし、評価はそれぞれの講義の区切りで行うものとする。 |
授業の詳細3 |
「達成目標」 1.周波数応答の概念を理解し、入力周波数によるゲインと位相を求めることができる。 2.ボード線図に表されたグラフから伝達関数を求めることができる。 3.ゲイン余裕、位相余裕を理解し、安定限界のゲインを求めることができる。 4.ニューラルネットワークによる学習の仕組みを理解し、ロボットへの導入の基礎理解が得られる。 5.ニューラルネットワークによるロボットの知能化・自律化のための基礎概念が得られる。 6.ニューラルネットワークの学習によるロボットの動特性時系列変動に対する適応性の効果を理解できる。 |
授業の詳細4 |
「授業計画」 1.伝達関数と周波数応答 システムと伝達関数の関係、および1次系2次系の過渡応答について復習した後、周波数応答とはどのようなものかを説明し、伝達関数から求める方法を解説する. 2.ベクトル軌跡 ベクトル軌跡とはどのようなものかについて学び,代表的な伝達関数がどのようなベクトル軌跡になるかを具体的に計算して求める. 3.ボード線図 ボード線図は制御系設計において広く利用されている非常に重要なものである.このボード線図がどのようなものであるかを代表的な伝達関数を例に取り求める.また折れ線近似と呼ばれる方法に よって,フリーハンドでこのボード線図を描くことを学習する. 4.ボード線図の性質と利点 ボード線図におけるゲイン線図と位相線図について,最小位相系という観点から考察を行い,ボード線図の種々の性質について学習する.ボード線図の利点について解説し,その端的な例としてボ ード線図から伝達関数を求める方法について学ぶ 5.フィードバック制御の内部安定性とナイキストの安定判別法 フィードバック系の内部安定性という概念を理解し,種々のシステムを例にとって,内部安定性を考えることがどのようなことに相当するかを説明する.また,開ループの特性から閉ループの安定 性を知る方法の一つしてナイキストの安定判別法という図式的な解法をあげることができ,その実際の使い方について学習する. 6.ゲイン余裕と位相余裕 開ループの特性から閉ループの安定性を知る方法についてより定量的に示す方法がゲイン余裕・位相余裕である.その根拠を理解し,方法を習得し,どのような範囲のゲインであれば閉ループ系が 安定であるのかを求める方法を学ぶ. 7.前半試験60点(基本内容50点、 応用問題10点)
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授業の詳細5 |
8−9.ニューラルネットワークの基礎 ニューラルネットワークの動作原理を説明し、パターン認識、マシンコントロールに応用する際の基本的な考え方を解説する。また、ネットワーク構成方法のバラエティと各種構成法に関する長所・短所を解説し、マシンラーニングにおける収束の問題についても言及する。 10−11.バックプロパゲーション法に代表される学習アルゴリズムの紹介と確率的最急降下法による学習メカニズムについての基礎を解説する。また、ニューラルネットワークによるオンラインラーニングにおける手法の導入において注意するべき点についてマニュプレータタイプのロボットを対象にして言及する。 12.非線形特性が大きなウエイトを占める制御対象(人工筋肉、垂直多関節マニュプレータなど)に対しニューラルネットワークの非線形コントローラとしての優位性を述べると共に、これまでのニューラルネットワークによるロボット制御研究の歴史と現状について解説する。 13.実用事例 ロボットの視覚情報を例にとり、ニューラルネットワークによる学習システムのメカニズムと汎化能力による外界情報の変動に対するロバスト性を学習する。 14.後半試験60点(基本内容50点、 応用問題10点)
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授業の詳細6 |
「成績評価」 成績は前半、後半の成績を総合して下記のとおり評価する。 A A:100点以上 A: 80点以上99点以下 B: 70点以上79点以下 C: 60点以上69点以下
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授業の詳細7 |
◇テキスト 前半は教科書としては特に指定しないが,できるだけ参考書を1冊.
後半では適宜必要資料を配布する。
◇参 考 書 『フィードバック制御入門 システム制御工学シリーズ3』杉江俊治,藤田政之 著,(コロナ社, 1999) ISBN 4-339-03303-0
『新版 現代制御工学』土谷武士,江上正 著(産業図書株式会社,2000)ISBN:4782855486
『図解雑学ロボット』,新井建生(ナツメ社)ISBN4-8163-3916-7 \1350 ビデオ教材を使用する.
◇履修の前提となる科目: なし
◇事前に履修をしておくのが望ましい科目: 機械数学、メカトロニクス、人工知能入門 制御工学T、ロボット工学概論,コンピュータ制御 ◇同時に履修をすることを推奨する科目:なし |
授業の詳細8 |
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授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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