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タイトル「2009年度シラバス」、フォルダ「2009年度シラバス?知能機械システム工学科専門科目
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 制御工学3 
担当教員 岡 宏一 
対象学年 3年  クラス 学部:専門001 
講義室 A109  開講学期 2学期 
曜日・時限 月2,木2  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 講義の目的
  
制御工学では種々の周波数に対する特性が非常に重要であり,これを学ぶことが本講義の目的である.システムにいろいろな周波数の正弦波を入力として加えたときの定常状態における出力の応答を周波数特性と言い,これを理解することによってシステムの特徴をよく表すことができる.またそれを図式的に表現することによって制御系の設計などにも役立てることが可能である.これらのことを体系的に学ぶことによって制御工学の理解を深めることを目標とする.


講義の進め方
  
まず周波数応答が伝達関数と密接な関係があることを示す.そして伝達関数から周波数特性を求められることを示した後,周波数特性を図式的に表現する方法であるボード線図とベクトル軌跡について学習する.その後,フィードバック制御系の安定性を周波数特性から求める方法として,ナイキストの安定判別法およびゲイン余裕,位相余裕について学習する.最後にフィードバック制御系のロバスト性解析について簡単に学習する.15回の授業を行い,講義ではほぼ毎回小テストまたは宿題を課す.また中間試験を1回,期末試験を1回実施する.
 
授業の詳細2 達成目標
  
1.周波数応答の概念を理解し,入力周波数によるゲインと位相を求めることができる.
2.周波数応答の図式的な表現法であるボード線図を描くことができる.
3.1次系,2次系のボード線図と時定数,共振周波数,減衰係数の関係が理解できる.
4.ボード線図に表されたグラフから伝達関数を求めることができる.
5.ナイキストの安定判別法により開ループベクトル軌跡から閉ループ系の安定判別ができる.
6.ゲイン余裕,位相余裕を理解し,安定限界のゲインを求めることができる.
7.不確かさという概念を理解し,伝達関数などで取り扱うことができる.
 
授業の詳細3 講義計画
  
1.伝達関数
 システムのモデルにおける微分方程式とシステムの伝達関数の関係,および1次系2次系の過渡応答について復習する.
2.周波数応答
 周波数応答とはどのようなものかを説明し,伝達関数から求める方法を解説する.これによって伝達関数が与えられたときにゲインと位相を求めることが可能となる.
3.ベクトル軌跡
 ベクトル軌跡とはどのようなものかについて学び,代表的な伝達関数がどのようなベクトル軌跡になるかを具体的に計算して求める.
4,5.ボード線図
 ボード線図は制御系設計において広く利用されている非常に重要なものである.このボード線図がどのようなものであるかを代表的な伝達関数を例に取り求める.また折れ線近似と呼ばれる方法によって,フリーハンドでこのボード線図を描くことを学習する.
6.ボード線図の性質
 ボード線図におけるゲイン線図と位相線図について,最小位相系という観点から考察を行い,ボード線図の種々の性質について学習する.
7.ボード線図の利点
 ボード線図の利点について解説し,その端的な例としてボード線図から伝達関数を求める方法について学ぶ. 
授業の詳細4 8.中間試験
9.フィードバック系の内部安定性
 フィードバック系の内部安定性という概念を理解し,種々のシステムを例にとって,内部安定性を考えることがどのようなことに相当するかを説明する.
10.ナイキストの安定判別法
 フィードバック系で,開ループの特性から閉ループの安定性を知ることができれば非常に便利である.そのような方法の一つしてナイキストの安定判別法という図式的な解法をあげることができる.ナイキストの安定判別法の実際の使い方について学習する.
11.12.ゲイン余裕,位相余裕
 開ループの特性から閉ループの安定性を知る方法についてより定量的に示す方法がゲイン余裕・位相余裕である.その根拠を理解し,方法を習得し,どのような範囲のゲインであれば閉ループ系が安定であるのかを求める方法を学ぶ.
13.不確かさとロバスト性
 モデルが不確かさを持つことは当然のことであるが,そのことについて検討し,不確かさを記述する方法について考察する.
14.ロバスト安定性
 モデルに不確かさがある場合でも内部安定性が保持されるための条件を考え,ロバスト性について学ぶ.
15.期末試験
 
授業の詳細5 成績評価
 小テストおよび宿題の提出が7割以上の学生に対し,中間試験および期末試験において以下の基準で成績を評価する.
◆AA:達成目標1〜7を満たす.
◆A:達成目標1〜6を満たす.
◆B:達成目標1〜4を満たし,ゲイン余裕,位相余裕から安定性の判別ができる.
◆C:達成目標1〜3を満たし,ボード線図上での加減算とシステムの関係が理解できる.


◇テキスト
 『フィードバック制御入門 システム制御工学シリーズ3』杉江俊治,藤田政之 著,(コロナ社, 1999) ISBN 4-339-03303-0

◇履修の前提となる必須科目:「制御工学1」(平成18年度入学生から)
◇事前の履修が望ましい科目:「制御工学2」「メカトロニクス」

 
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