科目名 |
電気磁気U |
担当教員 |
綿森 道夫 |
対象学年 |
2年 |
クラス |
学部:専門001 |
講義室 |
A101 |
開講学期 |
1学期 |
曜日・時限 |
火2,金2 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
授業の目的 電気磁気Uでは、磁界が存在するときに電子やその他の電荷を持った粒子の運動を理解することを第一の目的とする。例えば電流(電子)が電磁石の導線の中を流れれば、磁界が発生する(磁石になる)ことは日常の経験からある程度類推できるが、このことを正確に理解し、ある程度の計算ができるようになることが大切である。このような磁界が存在するときの電荷を持った粒子の運動に対しては、その運動が磁界と90度ずれた方向に引き起こされるために、方向を表す数学であるベクトルという手段を用いる。また、電磁誘導を理解するためには微分と積分の知識も必要不可欠である。電気磁気がわからないものは、電気磁気の考え方以前に基礎的な数学を理解していないことに原因があると考えている。しかしながら、磁界が関係する電磁気を学ぶことによって電気回路や電子回路の授業のより深い部分を学ぶことができるといえるので、電気磁気を理解して欲しいと考えている。 |
授業の詳細2 |
授業の進め方 授業はテキストにそって進めるがあえて例題や問題についての説明はしない。そのかわりテストの出題範囲とすることで、各自に演習の勉強をしてもらうようにする。授業はテキストにそって進むので、予習・復習がやりやすいはずである。
達成目標 本科目を習得することにより、以下の事柄を把握できると信じているので、このことができるかどうかが達成目標となる。 (1) 磁界の中で荷電粒子が運動中にうける力であるローレンツ力を記述することができ、その式の意味を説明できる。 (2) ビオ・サバールの式から電流が作る磁場の求め方をある程度導くことができ、コイルが作る磁場の計算を行うことができる。 (3) レンツの法則を用いて、電磁誘導、自己誘導、相互誘導を理解し、コイルのインダクタンスについての意味を把握できる。 |
授業の詳細3 |
授業計画 1. 抵抗を用いた回路1 テキスト第28章の回路について授業を行う。これは回路理論Iの簡単な復習にもなる。 2. 抵抗を用いた回路U テキスト第28章の回路について授業を行う。電気磁気Tならびに回路理論Tで抵抗について学んでいるので、比較的簡単に理解できるはずである。 3. 磁場と電子 テキスト第29章29-1の磁場から29-4直交電磁場:ホール効果について授業を行う。ここでは磁場についてどのようなものかを感覚的に理解することを目的とする。 4. 磁場中で荷電粒子が受ける力 テキスト第29章29-5荷電粒子の円運動から29-7電流に働く磁気力について授業を行う。ベクトルの外積がでてくるので、数学のワークブックを勉強しておく必要がある。 5. 磁気双極子モーメント テキスト第29章29-8電流ループに働くトルクから29-9磁気双極子モーメントについて授業を行う。磁気双極子モーメントは理解しにくいので例題を詳しく説明する。 6. 第28章と第29章の小テスト 第28章と第29章の例題から小テストを行う。 7. ビオ・サバールの法則と導線に流れる電流がつくる磁場 テキスト第30章30-1電流がつくる磁場と30-2平行な2本の導線の間に働く力について授業を行う。平行な2本の導線の間に働く力から1Aという電流の定義が求められた。 8. アンペールの法則とソレノイド テキスト第30章30-3アンペールの法則から30-5磁気双極子としてのコイルについて授業を行う。これによってコイルがつくる磁場を計算することができる。 |
授業の詳細4 |
9.第30章の小テスト 第30章の例題から小テストを行う。 10.レンツの法則 テキスト第31章31-1対称的な状況から31-4レンツの法則について授業を行う。これらがファラデーの電磁誘導の法則になる。 11.誘導電場 テキスト第31章31-5誘導とエネルギー移動から31-7インダクターとインダクタンスについて授業を行う。ここではファラデーの法則の定式化が示され、非常に重要な内容となる。 12.RL回路と磁場に蓄えられるエネルギー テキスト31-8自己誘導から31-10磁場に蓄えられるエネルギーについて授業を行う。RL回路を流れる電流が時間と共に減少する(時定数を求める)ことの意味について説明する。これは一種の過渡応答である。 13.磁場のエネルギー密度と相互インダクタンス テキスト第31章31-11磁場のエネルギー密度と31-12相互インダクタンスについて授業を行う。電気回路Tで扱うトランスはこの相互インダクタンスを利用している。 14.マックスウェルの方程式の紹介とさらに勉強するために 電気磁気Tと電気磁気Uを振り返り、電気磁気学の集大成としてのマックスウェルの方程式の紹介を行い、さらに勉強するための指針について説明する。 15.期末試験 期末試験をおこなう。期末試験はテキストの31章の例題から出題するので、あらかじめ出題内容については予測可能である。成績はそれまで行った小テストとの合計で判定する。 |
授業の詳細5 |
成績評価 テキストの28章、29章、30章、31章の例題から1問10点程度で9問ほど出題する。2回の小テストで40点程度、最後の期末テストで60点程度の、合計100点満点で評価する。出席はチェックしないので、出席点は存在しない。 C テストの合計点が60点から70点のもの(基本的には理解していると考えられる)。 B テストの合計点が70点から80点のもの(ローレンツ力とコイルの作る磁場に関してある程度理解した考えられる)。 A テストの合計点が80点から90点のもの(電磁誘導に関してある程度理解していると考えられる)。 AA テストの合計点が90点以上のもの(達成目標を完全に到達したと考えられる)。
テキスト 『物理学の基礎[3]電磁気学』 D.ハリディ他著,野崎光昭訳(培風館) ISBN 4-563-02257-8,\2800.(これは1Qの電気磁気Tのテキストと同じである)
参考書 電気磁気の参考書は数多く存在するが、綿森は岩波書店の物理入門コース3『電磁気学T』および物理入門コース4『電磁気学U』(ともに長岡洋介著)がいいと思う。
備 考 電磁気学は力学と並んで物理学の2つの柱をなすものである。現代の電気社会もこの電磁気を中心として成り立っている。確かに電気の各講義(回路理論やデジタル回路、アナログ回路など)を理解するのに直接電磁気が必要になるわけではないが、電気・磁気の関係するいろいろな現象の理解がそれらの講義の深い意味での理解につながると考えられる。
履修前の受講が望ましい科目 電気磁気T(この講義は電気磁気Tの続き物である。電気磁気T及びUを履修して始めて電気磁気の基礎が理解できると思われる)。 |
授業の詳細6 |
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授業の詳細7 |
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授業の詳細8 |
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授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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