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タイトル「2009年度シラバス」、フォルダ「2009年度シラバス?情報システム工学科専門科目
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 計算機システム 
担当教員 岩田 誠 
対象学年 3年  クラス 学部:専門002 
講義室 A106  開講学期 1学期 
曜日・時限 火3,金3  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 講義の目的
  
 計算機システムの構成についての基礎知識を理解することを目標とする.本講義では、計算機をシステム的にマクロに捉えるために,計算機と周辺機器とのインタフェース技術について学習した後,マルチプロセッサ構成による高性能化のための手法を学ぶ.

講義の進め方
  
この授業は,13回の授業(演習を含む),および,2回の試験(中間試験と最終試験)からなる.演習の結果は成績評価の一部に利用する.

達成目標
(1) 計算機システムにおける記憶機構の階層を理解し,オペレーティング・システムとの相互関係を把握する.
(2) キャッシュや仮想記憶の原理を理解し,各種の基本的な実現方式についての性能を比較検討できる.
(3) 基本的な入出力制御方式の原理を理解し,その長所・短所を比較検討できる.
(4) マルチプロセッサ構成による並列処理の基本的な原理を理解し,その長所・短所を比較検討できる.
 
授業の詳細2 講義計画
  
1.計算機システムの基本構成
計算機システムの構成と各構成要素の階層性を学んだ後,本講義で捉えるべき計算機システムのレベルを明確にし、計算機構造の全体像を理解する.

2.記憶装置の基本構造
主記憶のアドレス空間,半導体記憶,記憶装置の構成について学習し,記憶装置の概要を理解する.

3.キャッシュ(1)
主記憶とキャッシュの階層関係について理解した後,高速化を図るためのキャッシュキャッシュのマッピング方式について学習する.

4.キャッシュ(2)
キャッシュの書込みアルゴリズムおよび入れ替えアルゴリズムについて学習し,キャッシュによる高速化の原理を理解する.
[演習1]記憶装置の基本構造ならびにキャッシュのメカニズムに関する演習.

5.仮想記憶(1)
仮想記憶の基本原理を理解した後,ページングについて学習する.

6.仮想記憶(2)
仮想記憶機構におけるセグメンテーションならびにページ化セグメンテーションのしくみを学習する.

7.キャッシュと仮想記憶
仮想記憶機構とキャッシュの相互作用、ならびに、仮想記憶機構とオペレーティング・システムとの相互作用について学習し,計算機における記憶システムとしての全体像を理解する.
[演習2]仮想記憶機構のメカニズムならびにこれらを含む記憶システムに関する演習.

8.中間試験
ノイマン型計算機における記憶制御に関する試験を受け,これらの修得状況を各自確認する.
[演習3]中間試験の採点結果ならびに模範解答例を通して,各自の学習状況を再確認する.

 
授業の詳細3 9.入出力制御
入出力制御の基本方式として割り込みおよび直接メモリアクセス(DMA)方式について学習する.また、高度な入出力制御方式の一例として、大型計算機などで用いられるチャネルプログラミングについて学ぶ.

10.バス
計算機の構成要素を相互に接続するバスの動作について学習し,その得失を検討する.

11.入出力機器
ユーザインタフェース機器、補助記憶装置、ネットワーク・インターフェースについて概要を学習する.
[演習4]入出力制御に関する演習.

12.並列処理の原理
並列処理による性能向上には,同時並行処理とパイプライン並列処理があることを学習し,それぞれによる性能式を学習する.さらに、現行の並列マシンの構成とプログラミングモデルについて学習する.

13.マルチプロセッサ構成
現行のマルチプロセッサ・システムで生起するメモリ・コンシステンシの問題について,キャッシュおよび主記憶で起こる問題とその回避策を学習し,ノイマン型並列処理方式の原理的課題を理解する.
[演習5]並列処理の原理、マルチプロセッサ構成に関する演習.

14.最終試験
入出力制御および入出力機器,現行の並列処理の課題に関する試験を受け,これらの修得状況を各自確認する.

15.まとめ
最終試験の採点結果ならびに模範解答例を通して各自の学習状況を再確認した後、本講義のまとめとして、修得した計算機システムの基礎的事項の応用について学習する.具体的には、最新の並列処理マシンのアーキテクチャについて概要を学び,後続して開講する予定の「集積回路システム」に向けての動機付けを行う.
 
授業の詳細4 成績評価
2回の試験(中間試験,最終試験)を実施し,その結果に基づいて,以下のように成績を評価する.ただし,演習の結果および講義最終日に課される追加課題の結果を加味することがある.
◆AA:講義した内容を応用して,発展的な課題を解く学力が身に付いている.
◆A:達成目標(1)〜(4)に関する基本的な問題を解く学力が身に付いている.
◆B:達成目標(1)〜(4)に関する知識が身に付いている.さらに,そのうち,少なくとも3項目について,基本的な問題を解く力が身に付いている.
◆C:達成目標(1)〜(4)に関する知識が身に付いている.さらに,達成目標(1)(2)に関する基本問題を解くことができる.

◇テキスト
 『改訂電子計算機U〜構成と制御』,飯塚肇,コロナ社(1999).
必要に応じて参考資料を配布.

◇参考書
 『コンピュータの構成と設計』,パターソン,ヘネシー,日経BP社(2001).

◇備 考:
◇履修前提となる科目:「計算機アーキテクチャ」

 
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