戻る
タイトル「2009年度シラバス」、フォルダ「2009年度シラバス?情報システム工学科専門科目
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 集積回路システム 
担当教員 酒居 敬一 
対象学年 3年  クラス 学部:専門001 
講義室 A107  開講学期 2学期 
曜日・時限 月2,木2  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 講義目標及び講義概要

半導体集積回路システムを構築するMOSトランジスタの理論的・基本動作,および回路構成法について基本的な理解を図る.これらを理解したうえで,集積回路システムが本来有する本質的な特性を理解し,これらの特性を活用したVLSI(超大規模集積回路)設計法やVLSI向きアーキテクチャの例について学習する.
本講義を習得することにより,以下の能力が身につく.
1.半導体集積回路システムを構成するCMOS回路の基本特性を知る.
2.集積回路システムが本来有する本質的な特性を理解する.
3.集積回路システムの特性を生かしたVLSI設計法やアーキテクチャを学ぶ. 
授業の詳細2 講義計画

1.集積回路システム概論
半導体集積回路システム発展の歴史の概要を学び,集積回路がMOSが中心になってきたこと,また集積度の増大に伴い,SOC設計が重要になってきたこと,SOCなど,本講義の概要ついて具体例を挙げて説明する.
2.MOSトランジスタ
MOSトランジスタの動作特性について学習し,なぜMOSトランジスタがバイポーラトランジスタより高集積になるかを理解する.
MOSトランジスタのさらなる利点
前回のMOSトランジスタの製造工程を理解することからくる,物理パラメータの設計アプローチを学ぶ.
3.トランジスタ回路
トランジスタという素子を用いて作り上げる回路に関して,CMOSトランジスタ回路について詳しく見て行く.
4.トランジスタ論理回路
基本ゲートの表記法について学び,論理回路の2〜3の例について述べる.また,レジスタの動作,制御回路の概要を学習する.
その他の回路(システムクロックの活用)
システムクロックとメモリ,レジスタの構造をまず学び,ダイナミックMOSトランジスタの構造を理解する.
5.演算回路(乗算器を中心に)
論理レベルで加算器および乗算器について学び,シフトと加算の繰り返しでも乗算が出来ること,負数の取り扱い,ブースの乗算器について学ぶ. 
授業の詳細3 6.高演算量システムの例
今後システムとして考えてゆくFIRフィルタとMPEG-1 Layer3 Audioに関するアルゴリズム解説を行う.
7.復号演算とDistributed Arithmetic
マルチメディア処理の中で最も多く使われるディジタルフィルタの簡易構成法について述べる.この方式はMPEG-1 Video LSIでも多用されている優れた方式で,演算に関する機能レベル設計の復習をかねている.
8.パイプラインと並列処理
複合化集積システムにおける高速化の常套手段であるパイプライン処理機構と並列処理についてその本質的な特徴を理解し,この特徴を活用可能なアーキテクチャについて考察する.また,これ等の技術が双方とも高速化を狙うものであったが,現在は低消費電力化を狙う手法になってきていることを理解する.
9.シストリックアレー
パイプラインと並列処理を活用したLSI向き並列プロセッサとしてシストリックアレーを学ぶ.特に,H.T.Kung の双方向パイプラインを用いてこの方式は幅広い高演算量処理をシンプルに実現できることを学ぶ.また,動画符号化の動き補償で活用されていることを学ぶ.
10.シグナルプロセッサ
歴史的にはRISCより古くからあるシグナルプロセッサは並列処理を最大限に活用して発展してきた.現在はケイタイ用のチップとして活躍しているように並列処理で低消費電力化を狙ったプロセッサである.このシグナルプロセッサならではの工夫を中心に論じる.さらに,シグナルプロセッサと言えども演算器に関してはパイプラインの概念を始めから採用していることも見て行く. 
授業の詳細4 11.DSP & MPU
最新のVLIW型DSPの構造を学び,前回のシグナルプロセッサの影響を色濃くもったプロセッサであることを学ぶとともに,パイプラインアーキテクチャをマイクロプロセッサに応用し,成功を収めたRISCプロセッサの歴史についても学ぶ.
12.並列プロセッサの例
最近話題を集めているマルチコア並列プロセッサの目指すところを述べ,これまでのソフトウェア資産をマルチプロセッサで実行するための並列コンパイラを紹介する.また,画像を対象にしたSPMD型マルチプロセッサとSIMD型マルチプロセッサについても学ぶ.
13.高演算システムの例
マルチメディア処理(特に画像符号化)システムの低電力化にはアルゴリズムレベルの検討が重要であることを学び,動き補償を中心に高速アルゴリズムについて学ぶ.
14.クォータ末試験
講義の理解度を調べる試験を行う.
15.SoCシステム
最終テストの解答と,これからのSoC(System On a Chip)を設計してゆく場合の問題点と今後の課題について述べる. 
授業の詳細5 テキスト: ノート講義.必要に応じて参考資料を配布

参考書:「やさしいコンピュータ科学」6〜8章,Alan W. Biemann (アスキー)
「ディジタル信号処理ハンドブック」 電子情報通信学会編
「集積回路工学」 廣瀬全孝編著,オーム社出版局

成績評価:適宜数回の演習を行なうとともにクォータ末に試験を行なう.合計で100点満点で,60点以上を合格(AA, A, B, C)とする.
<成績評価の基準>
AA:特に優れた成績を示したもの
A :優れた成績を示したもの
B :良好と認められる成績を示したもの
C :合格と認められる成績を示したもの
F :不合格

備考:JABEE「情報ネットワークシステム工学教育プログラム」選択科目
履修の前提となる科目は「計算機アーキテクチャ」,「電子回路」のいづれかを終了のこと. 
授業の詳細6  
授業の詳細7  
授業の詳細8  
授業の詳細9  
授業の詳細10  


Copyright (c) 2006 NTT DATA KYUSHU CORPORATION. All Rights Reserved.