科目名 |
情報システム工学実験第4 |
担当教員 |
福本 昌弘,吉田 真一 |
対象学年 |
3年 |
クラス |
学部:専門001 |
講義室 |
INFO実験室 |
開講学期 |
1学期 |
曜日・時限 |
月3,月4,木3,木4 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
授業の目的
著しく進展を遂げている情報通信分野で活躍し、さらに新しい技術を生み出して行くためには、基礎的な知識を持つだけではなく、これら知識を有効に応用でき、さらに、新しい知恵を生み出す能力を養うことが重要になる. 本実験では、「情報システム工学実験第3」で身につけた基本的なネットワーク構築・運用の技術をもとに、更に「情報セキュリティ」で新たに学んだことなども踏まえ、将来通信分野に携わる際の手助けとなるような、LAN及び関連ネットワークサービスの構築・運用・保守に関する知識・技術を習得する.更に、運用環境に適したネットワークのデザインができる能力を身につける.
授業の進め方
情報システム工学実験第4では、コンピュータによるネットワークシステムの構築から運用・保守に至るまでの実習の応用的な内容を行う.また、各実験項目を行った次の回に、その項目に対応するより応用的な課題を設定することで、それぞれの内容に触れるだけではなく、より深く理解する.実験は4?6人のグループで行い、協働して各実験項目及び関連課題を解決する. |
授業の詳細2 |
授業の目標
情報システム工学実験第3に引続き本実験を履修することにより、講義で学んだTCP/IPネットワークについての理解をより深め、更に専門的な通信システムに携わるための素養を備える.その結果として、以下のような能力が身につく. (1) HTTP、DHCPなどのTCP/IPのプロトコルを理解し、利用することができる. (2) 認証方式などセキュリティに配慮したリモートアクセスを可能にする. (3) ネットワーク上の共有資源を有効に活用するための仕組みを設計、構築できる. (4) 既設のLANの分割や再構成ができ、利用環境により適したネットワーク構成を考えられる. (5) ファイアウォールによるアクセス制御の仕組みを理解し、活用できる. (6) 一般的なネットワークサービスやセキュリティ等を考慮に入れた総合的な情報ネットワークを提案できる. (7) TCP/IPネットワークの利点と欠点を理解し、より有効な新しい通信システムを創造するための発想ができる. |
授業の詳細3 |
授業計画
1?2.DHCP・NTPサーバ 各クライアント端末固有の設定情報の一部をサーバを通して自動的に設定するサービスを構築する.ここでは DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)と NTP(Network Time Protocol) について学ぶ. まず,DHCP サーバのインストールと設定を行うことにより、クライアントに対して動的にIPアドレスを割り当てるサービスを提供する.次に,NTP サーバの構築をすることで,LAN内のコンピュータの時刻を同期させる. ここでは、IPアドレスとMACアドレスやブロードキャストについても理解する.
3?4.プリンタサーバ ネットワーク上の資源を共有するものとして、ファイル共有と同様にプリンタの共有があげられる.ここでは、ネットワークプリンタの設定とプリンタサーバを構築することで、種々のOSから共有資源を利用するための方法を習得する.
5?6.ネットワークアクセスの多様化 リモートアクセスネットワークおよび無線LANを構築することで,これまでの Ethernet による固定的な LAN アクセスだけでなく,外部からの通信回線や無線を利用した LAN へのアクセス手段を提供する. まず,リモートアクセスサーバを構築することにより、LANの外部からLAN内のサービスを利用することを可能にする.また、リモートアクセスにおけるセキュリティについても習得する. 次に,無線LAN環境を構築することで,内部からのアクセス手段にも柔軟性を持たせる.無線 LAN 環境の構築とともに,暗号化や認証などの無線 LAN 環境のセキュリティについても習得する.
7?8.TCP/IPネットワークのルーティング TCP/IP ネットワークにおいてパケットのルーティングを理解する.手動による静的なルーティングを行うことで,ルーティングの原理,ルータの役割,ルータの動作を理解する.また,IPアドレスのアドレッシング,ネットワークアドレスやネットマスクの概念を理解し,ルーティングプロトコルの基本的な動作についても学ぶ. |
授業の詳細4 |
9?10.アクセスコントロールリスト ネットワークを安全に運用するためには、LAN内で通信される情報にも必要に応じて制限をかけるべき場合がある.本課題では、ルータのアクセスコントロールリストを利用したパケットフィルタリングによるアクセス制限を行い,また,プロキシサーバによる HTTP 中継アクセスサービスの構築と利用について学ぶ.
11?12.LANの分割* LANのサブネットへの分割およびVLAN(Virtual LAN)によるネットワーク構築を行う. ここでは、サブネット化を行うための IP アドレッシングの仕組みの理解と変更方法について学び,ルータやネットワーク機器の適切なネットワーク接続情報の設定変更を行う. また VLAN に関しては,ポートベース VLAN やタグ VLAN を利用した柔軟なネットワーク構築方法について学ぶ.
13?15.大規模ネットワーク設計** これまでの課題で習得してきた基本的な技術を応用して、より高度で大規模な実用的ネットワークの設計・構築を行う.大規模組織のネットワークを階層構造を持つ分散型ネットワークで実現し,仕様で要求される基本的なサービスを構築する.与えられたネットワーク資源とネットワーク情報を用いて,要求されるネットワークを各グループで連携して構築する.これにより、これまでの個々の内容の習熟度を高めるとともに、実際に与えられた環境のもとでユーザの要求を満たすネットワークを設計する能力を身につける.また,実際のネットワーク構築で求められる異なるネットワーク間でのネットワーク管理者の連携についても学ぶ. |
授業の詳細5 |
成績評価 各実習項目毎にレポートを課し、実習内容に関するTCP/IPプロトコルや関連技術などについての記述と実習項目および課題の理解度・達成度を評価する. 各実習項目についてのレポート配点比率は10%(但し、*、**の項目はそれぞれ20%、30%)とする. ●AA:課題で必要な項目全てが正しく記述されている ● A:課題で必要な項目のうち8割以上が正しく記述されている ● B:課題で必要な項目のうち7割以上が正しく記述されている ● C:課題のうち特に重要な項目について概ね正しく記述されている
テキスト 「ネットワークリテラシー」(高知工科大学情報システム工学科)
参考書 「TCP/IPネットワーク管理」(オライリー)
備考 ・「情報ネットワークシステムコース」情報通信ネットワーク科目(履修登録必須科目) ・履修の前提となる必修科目=「情報システム工学実験第3A」 ・事前の履修が望ましい科目=「計算機ネットワーク」, 「情報セキュリティ」
・本実験のより詳細な情報は http://www.info.kochi-tech.ac.jp/mfukumot/Lecture/Exp3/index.html に掲載する。
オフィスアワー(福本): 火曜日 第5時限 オフィスアワー(吉田): 火曜日 第2時限 |
授業の詳細6 |
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授業の詳細7 |
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授業の詳細8 |
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授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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