科目名 |
ヒューマンインターフェース概論 |
担当教員 |
任 向実 |
対象学年 |
3年 |
クラス |
学部:専門001 |
講義室 |
A107 |
開講学期 |
2学期 |
曜日・時限 |
火2,金2 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
【授業の目的 】 ヒューマンインタフェースとは人間とコンピュータとの接続部を意味するものであり、両者の相互作用を研究する分野である。具体的には、コンピュータの使い勝手を高めるための技法を開発し、その運用法を考えることである。そこには、コンピュータ科学のみならず、人間工学、心理学、社会学など多方面の分野が交錯し、極めて学際的な研究分野が形成される。 本講義の目的は、基礎理論、モデリング手法から始まり、入出力インタフェース、人間とコンピュータのコミュニケーション、協同作業のインタフェースからインタフェースの評価までヒューマンインタフェースを体系的に修得することである。
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授業の詳細2 |
【授業の進め方】 本講義では、まず人間の特性を知り、次にコンピュータの特性を知り、その上に立って両者の円滑なインタラクションを得るにはどうすれば良いかを知るという進め方をとる。さらに、最新の研究動向をビデオなどで紹介するとともに、機会があれば著名な研究者を講師に招いてホットな解説をしてもらうなど、本物の研究に触れてもらう。 この授業は,13回の講義と2回の試験(中間試験と最終試験)からなる。毎回の講義の最後には小テストを実施してその日の学習内容を復習する。その結果は成績評価の一部に利用する。
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授業の詳細3 |
【達成目標】 本科目を受講することにより以下の能力が身につく。 (1) 人間、および、コンピュータの特性が理解でき説明できる。 (2)人間とコンピュータの接点の本質は対話型システムであることが理解できその入出力インタフェースについて説明できる。 (3) 人間とコンピュータのコミュニケーションの手段としてノンバーバルコミュニケーション、音声インタフェース、マルチモーダルインタフェース、空間型インタフェースが理解でき説明できる。 (4) コンピュータが複数の人間の作業を支援する協同作業支援のインタフェースが理解でき説明できる。 (5) インタフェースの評価においてその目的を明確にする手法および評価手法が理解でき説明できる。
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授業の詳細4 |
【授業計画】 1.ヒューマンインタフェースとは ヒューマンインタフェースの定義を明らかにするとともに概要を説明する。次に、その目的、情報社会における役割について講述し、学習の動機付けを行う。さらに、ヒューマンインタフェースの体系を概説し、本講義の全体像を明らかにする。 2.人間の知覚、感覚、生理特性 ヒューマンインタフェースを理解するには、まず、人間を知ることが必要である。目・耳など知覚・感覚で如何なる特性があるか、また、脳波・心電図など生理指標で如何なる特性があるかを述べる。 3.人間の認知と理解 人間には心があり、心の機能的な側面として認知特性がある。認知科学の概要、ヒューマンモデル、アフォーダンスについて述べる。 4.対話型システムのデザイン ヒューマンインタフェースの変遷を概説するとともに、製品のデザイン目標とユーザ特性との関わりについて述べ、良いデザインについて考察する。 5.入力インタフェース コンピュータへの入力手段としてはコンピュータに情報を直接的に入力するものと間接的に入力するものとがある。ここでは、直接的な入力手段としてキーボード、間接的な入力手段としてマウスとペンを取り上げ、その役割とこれまで開発されてきた方式について説明する。 6.ビジュアルインタフェース(1) 人間がコンピュータから情報を受け取るには、情報を視覚化する仕組みが重要である。代表的な表示方式であるGUIの基本概念とウィンドウシステムの構成について述べる。 7. ビジュアルインタフェース(2) 情報視覚化の概念と目的を述べ、それを実現するために必要な情報表示技術、および、情報操作技術を概説する。 8. 中間試験 ヒューマンインタフェースの中で、人間の特性と入力インタフェースに関する試験を実施し、これらの習得状況を把握する。
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授業の詳細5 |
9.人間とコンピュータのコミュニケーション(1) コンピュータへの間接的な入力手段は人間とコンピュータのコミュニケーションを人間と人間とのコミュニケーションに近づけるという特性を持つ。このようなものとして、ノンバーバルコミュニケーション、音声インタフェースについて述べる。 10.人間とコンピュータのコミュニケーション(2) コンピュータへの間接的な入力手段の続編として、身振りインタフェース、表情インタフェース、マルチモーダルインタフェースについて述べる。 11.空間型インタフェース(1) 通常使用しているコンピュータのモニタの画面は2次元である。しかし、人間が生活している3次元空間での作業を支援するにはそれとは異なる空間型インタフェースが必要である。コンピュータが作り出した3次元空間を利用するバーチャルリアリティについて述べる。 12.空間型インタフェース(2) コンピュータの中に仮想世界を作り出すのではなく、実世界の作業現場をコンピュータ内に持ち込んだ実世界志向インタフェースについて述べる。 13.協同作業支援のインタフェース コンピュータが複数の人間の作業を支援するときには、人間同士の作業が円滑になるようなインタフェースを提供する必要がある。マルチユーザインタフェースを持つ協同作業支援に必要な共有空間の概念とその構築方式について述べる。 14.インタフェースの評価 インタフェースを設計するとその評価が重要になってくる。評価の目的を明確にする手法、各種の評価手法について概説する。 15.期末試験 ヒューマンインタフェースの基礎から応用までに関する試験を実施し、これらの習得状況を把握する。
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授業の詳細6 |
【成績評価】 小テスト、中間試験および期末試験で達成目標への到達度を評価する。 ◆C:総合的に見て達成目標全体の60%に到達した場合 ◆B:総合的に見て達成目標全体の70%に到達した場合 ◆A:総合的に見て達成目標全体の80%に到達した場合 ◆AA:総合的に見て達成目標全体の90%に到達した場合
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授業の詳細7 |
◇テキスト 『ヒューマンコンピュータインタラクション』, 情報処理学会編(オーム社) 必要に応じて参考資料を配付する。
◇参考書 [1] 『ヒューメインインタフェース』、J.ラスキン著(ピアソン・エデュケーション) [2] 『誰のためのデザイン? ―認知科学者のためのデザイン原論―』、D.A.ノーマン著(新曜社) [3] 『使いやすさの認知科学 ―人とモノとの相互作用を考える―』、原田悦子編著(共立出版) [4] 『ヒューマンインタフェース』,田村博編(オーム社) その他に必要な参考書は講義中に適宜紹介する.
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授業の詳細8 |
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授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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