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タイトル「2010年度シラバス」、フォルダ「2010年度シラバス?システム工学群専門科目
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 機械力学1 
担当教員 芝田 京子 
対象学年 2年  クラス 学部:専門001 
講義室 A113  開講学期 2学期 
曜日・時限 月3,木3  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 授業の目的:
機械力学では,機械システム(構造系)の特性を数式モデルで表し,その挙動を考察する.これまでは主として,質量はあるが大きさのない質点の系について学習してきた.本授業では,大きさと質量を持った剛体を扱う.大きさのない質点では並進運動だけを考えていたが,剛体では回転運動も考えなければならない.つまり,剛体の運動は,並進運動と回転運動が連成した複雑な動きであるが,剛体の質量が代表点(重心)に集中したときの並進運動と,重心回りの回転運動とに分けて表現することが可能である.
ここでは,Free-Body Diagrams ,力/モーメントのつりあい式(ダランベールの原理)を用いて,剛体の集まりである機械システムのモデル化手法を学習する.また,モデル化した機械システムの動的現象についても理解する.


授業の進め方:
機械システムの運動を解析する準備として,力/モーメントのつりあいに関して前提となる法則,Free-Body Diagrams の描き方,運動に関わる変数と機械要素について学ぶ.このとき,具体的な機械システムを質点のような簡単な系から順々に取り上げ,数式モデルの導出法を学習する.
また,様々な入力に対する系の応答についても学習し,系の構成要素の役割を現象と関連付けて説明する.
各授業では,例題を挙げ,一問一問に時間を取りながら進めていく.2回に1題程度の宿題を課し,また,演習も行う.中間試験と最終試験を行う.


達成目標:
(1) 慣性モーメント,回転運動に関わる法則を説明できる
(2) Free-Body Diagrams を使って多自由度系の並進運動の方程式が導出できる
(3) Free-Body Diagrams を使って多自由度系の回転運動の方程式が導出できる
(4) 回転運動と並進運動を有する系の方程式が導出できる
(5) 簡単な系の自由振動や,一定入力に対する系の応答など,動的現象を理解できる

 
授業の詳細2 授業計画:
1 授業の全体的な説明,並進運動のモデル化に関わる変数と法則
本授業の内容と目的,評価方法について述べる.次に,並進運動に関わる基本となる機械要素(バネ,マス,ダンパ),力に関する基本法則(力のつりあい式(ダランベールの原理),作用反作用の法則など)について復習する.

2〜3 Free-Body Diagrams を用いた並進機械システムのモデル化
まずは,「運動と振動」で扱った1自由度系の並進運動について,「材料力学」で学習したFree-Body Diagrams(自由体図)を描き,力のつりあい式を適用して数学モデルを導出する方法を学習する.このとき,「運動と振動」で用いた方法であるニュートンの第2法則との関連性を学ぶ.また,微分方程式の解き方,1自由度系の振動現象を解析する.多自由度の並進運動についても方程式を導く手法を学ぶ.

4〜7 剛体,回転機械システムのモデル化
剛体について説明してから,「材料力学」や「力学」で学習したモーメント,モーメントのつりあい式,回転運動に関わる慣性モーメント,トルクに関して復習する.その上で,振り子やギア,流体駆動システムなど,回転運動する機械システムの運動方程式を,Free-Body Diagrams の手法を用いて導出する方法を習得する.

8 中間試験

9〜11 剛体の運動
重心の説明を行い,並進運動と回転運動をする機械システムの運動方程式を,Free-Body Diagrams の手法を用いて導出する方法を習得する.剛体の運動が並進運動と回転運動とに分けて解析できることを学ぶ.乗り心地などを解析するときに用いる自動車の2輪モデルや,ロボットの脚の動きの検討に用いる剛体振子系などをモデル化し,解析する.

12〜14 動的な運動の理解
1自由度の簡単な系を取り上げ,自由振動や,一定入力に対するシステムの応答(ステップ応答)を学習する.これにより,バネや減衰の役割を理解する.

15 最終試験
 
授業の詳細3 テキスト:
・配付資料
・振動工学の基礎(岩壷卓三・松久寛編著,森北出版)『運動と振動』のテキストと同じ


参考書:
Free-Body Diagrams の手法についての解説
(1)「初めて学ぶ 基礎 機械システム」(小川 鑛一,東京電機大学出版局)
(2)「MODELING AND ANALYSIS OF DYNAMIC SYSTEMS」(Charles M. Close & Dean K. Frederick,HOUGHTON MIFFLIN COMPANY)


成績評価:
レポート(宿題と演習)の提出率が3分の2以上,かつ,中間試験と最終試験を受験した学生に対して,レポート点と中間試験と最終試験の結果を総合し,以下の基準で成績を評価する.なお,解答のないレポート(氏名のみ,氏名と問題文のみ,など,考えた形跡のないレポート),および,途中経過のないレポート(答えを導いた過程が記されていないレポート),解説後の提出,他人による提出は,採点の対象としない.
  AA:授業した内容を応用させて解くような発展問題が解ける
  A:授業内容を十分理解した上で,これを用いて解くような基本問題が解ける
  B:達成目標に十分到達する学力を有する
  C:モーメントのつりあい式の解釈,Free-Body Diagrams を用いた簡単な回転運動システム(例えば,振子系)のモデル化,剛体の運動の説明,などが可能であるといった必要最低限の基準を満たしている
 
授業の詳細4  
授業の詳細5  
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授業の詳細10  


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