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タイトル「2010年度シラバス」、フォルダ「2010年度シラバス?システム工学群専門科目
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 固体力学1 
担当教員 高坂 達郎 
対象学年 2年  クラス 学部:専門001 
講義室 A113  開講学期 2学期 
曜日・時限 月2,木2  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 授業の目的
機械や構造物を設計・製作する場合、その安全性と経済性の両立を図り合理的な材料の選択が必要である。このためには各部材にどのような負荷(無理)がかかるのか、どれぐらい変形するのかを把握できることが技術者には求められる。本授業では1年生で学んだ棒の引張り圧縮、軸のねじりに続いて “はり”について講義する。はりに生じる内力とこれによる曲げ応力またはりのたわみを考察し、実際の設計において基礎的な計算ができるような基礎知識を身に付ける。
 
授業の詳細2 授業の進め方
 まずこれまでに学んだ応力・ひずみおよびフックの法則について復習し、固体力学で扱う重要な諸量の意味を確認する。続いて横荷重を受ける“はり”がどのようなものかを知り、そこに発生する内力であるせん断力、曲げモーメントの分布を求める方法を理解する。次にはりの変形状態とこれにより生じるひずみ・応力との関係を理解する。最後にはりのたわみについて、これを求める方法としてはりの変位に関する微分方程式を解く方法、基本的はりのたわみ・たわみ角を重ね合わせて求める方法について学ぶ。15回の授業で中間試験を1回,期末試験を1回実施する。
 
授業の詳細3 達成目標
 1.はりのせん断力図、曲げモーメント図を描ける。
 2.はりの曲げ応力を求めることができる。
 3.はりのたわみを計算することができる。
 
授業の詳細4 授業計画
1.授業の内容と目的ならびに評価方法
 本授業の全体的説明を行なう。また、垂直、せん断の応力とひずみ、フックの法則などを復習して基本事項の確認を行なう。
2.はりの分類とはりに作用する外力
 はりとはどのような部材かを説明しこれに作用する外力の種類と分布する荷重の考え方について解説する。ここでは特に重心と図心を十分に理解してもらう。
3.せん断力と曲げモーメント1
 簡単なはりについて,任意断面におけるせん断力と曲げモーメントを求め,はりのせん断力図(SFD),曲げモーメント図(BMD)を描く方法について学ぶ。
4.せん断力と曲げモーメント2
 前回に引き続き,各種荷重を受けるはりについてSFDとBMDの描き方を学ぶ。特に分布荷重が作用するはりのSFD,BMDの描き方を十分に習得する。
5.はりの曲げ応力
 はりの変形を考察することにより,はりに生じる曲げ応力を導く。引張り・圧縮応力と曲げ応力の違いを理解するとともに,はりの断面形状により決まる断面二次モーメントと曲げ応力の関係を学ぶ。
6.断面二次モーメント
 長方形や円についての断面二次モーメントについてその導出を解説する。また,図心の意味を復習し,はりの断面図形について図心位置を求める方法を学ぶ。また,平行軸の定理を用いて各種形状の断面二次モーメントを求める方法を習得する。またはりの曲げに関する総合問題に取り組む。
7.中間試験
 
授業の詳細5 8.弾性たわみ曲線
はりが曲げモーメントを受けたとき生じる変形を表す弾性曲線(たわみ曲線)を考察することにより“はり”のたわみを支配する微分方程式を導出する。また、たわみとたわみ角についてその関係を理解してもらう。
9.微分方程式によるたわみ解法1
等分布荷重を受ける単純支持はり、集中荷重を受ける単純支持はりを例として、微分方程式を解いてたわみ曲線を求める方法を解説する。この時、重要となるはりの支持条件と境界条件の関係や接続条件を用いて積分定数を求めることを理解してもらう。
10.微分方程式によるたわみ解法2
前回に引き続き片持ちはりや突き出しはりについても微分方程式を解いてたわみ、たわみ角を求める。この2回の講義により、一般的な各種はりのたわみやたわみ角を求めるような応用問題を解くことを習得してもらう。
11.重ねあわせ法における基本公式
重ねあわせ法とは基本的なはりに関するたわみとたわみ角に関する結果を重ね合わせることにより、一般的なはりの問題を解く方法である。ここでは曲げモーメント、集中荷重および等分布荷重のそれぞれが作用する片持ちはりに関するたわみとたわみ角に関する公式の導出を行ない、重ね合わせ法による解法での基本解とする。導いた基本解を重ね合わせて各種はりのたわみ、たわみ角を求める方法を解説する。特に本方法により微分方程式を解く方法よりも簡単に解が求められることを確認してもらう。また、任意の点でのたわみ、たわみ角を求める方法としてたわみの幾何学的関係を応用する方法を解説する。
12.重ねあわせ法によるたわみ解法1
不静定はりの不静定反力やたわみなどは重ねあわせ法を用いることにより非常に簡単に求められる場合が多い。ここでははりの不静定問題における変形の適合条件を重ねあわせ法にどのように適用するかを解説し、具体例により重ねあわせ法の有用性を理解してもらう。
13.重ね合わせ法によるたわみ解法2
L字型のはりの変位計算などはりのたわみに関する総合問題に取り組む。
14.期末試験
15.期末試験の解説と固体力学2の展望
 
授業の詳細6 成績評価
 15回のうち10回以上を出席し,2回の試験を受験した学生に対し以下の基準で成績を評価する。
◆AA:せん断力と曲げモーメントの関係を理解して、複雑な外力が作用するはりのSFDおよびBMDが描ける。また、微分方程式を解き、境界条件により積分定数を求めてたわみ曲線を求めることができる。
◆A:はりのSFDおよびBMDを完全に描くことができる。 重ね合わせによるたわみ解法を修得している。
◆B:課題レポートを提出しており、簡単なはりのたわみを求める力を有する。
◆C:はりに生じるせん断力,曲げモーメントを求めることができる,また簡単なはりの曲げ応力を求めることができるなど必要最低限の基準を満たしている。
 
授業の詳細7 ◇テキスト
 JSMEテキストシリーズ 材料力学 日本機械学会 発行:丸善 
 ISBN978-4-88898-158-3 C3353 \1,886
◇履修上の注意
 授業において演習を行なう為,毎回関数電卓を持参すること。
 1年次の物体の変形の単位を取得していないものは履修できない。

 
授業の詳細8  
授業の詳細9  
授業の詳細10  


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