科目名 |
流通システム論 |
担当教員 |
各指導教官 |
対象学年 |
3年 |
クラス |
学部:専門001 |
講義室 |
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開講学期 |
2学期 |
曜日・時限 |
時間外 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
【授業の目的 】 ◎ 「流通の仕組み」を学ぶことを主目的とする。合わせて戦略や分析手法も学ぶ。
◎ ケーススタディにより、課題を認識し、解決方法を考えられるようになる。
◎ 仕組みや成功事例を理解することで、賢い消費者、有能な社会人、成功する起業家となるきっかけを得る。
【授業の進め方】 ◎ 流通システムについての体系的な講義。
◎ コンビにストア、百貨店、スーパー、卸、等の業態論や競争戦略について、様々なフレームワークを用いた分析・紹介セッション。
◎ ビジネススクールで用いられているケースメソッドよる、小売業の事例のグループ討議。 ケースメソッドとはハーバード大学ビジネススクールが開発した教育方法。企業の状況を説明したケースを材料にして生徒が何をすべきか考え、クラスで討議する手法。
【達成目標】 。 * 授業の達成目標は,次の3項目である。 1.流通という必要不可欠な社会の仕組みを深く理解する。 なぜ同じような商品を売っているのに、セブンイレブンと他社では店舗当り売上が2割も違うのか?バイトするならどのチェーンがいいのか?ユニクロはなぜ安いか?など、仕組みを理解していれば分かるようになる。
2.各種分析フレームを適用し使えるようになる。 経営コンサルタントや経営スタッフが使っている分析手法(バリューチェーン、SWOT、マーケティングの4P、PPM、3C、5F、戦略キャンバスなど)を流通業に当てはめてみる。また、Mind Mapによるメモの取り方も参考に紹介する。
3.成功事例を理解し自分の行動様式に反映できるようにする。 PDCA(仮説-検証)など成功している企業や経営者の行動規範を分析・理解し、自分で取り入れられるようにする。流通業では高度なノウハウでも実は単純なものの組み合わせで個人が取入れ可能なものが多い。 参考) 「小売業は一つ一つの仕事は難しくないが、たくさんあってやりぬくことが難しい」(セブン&アイ、鈴木会長)、 「成功企業と失敗企業でやっていることはほぼ同じで徹底できるかどうかの差」(ユニクロ、柳井社長) |
授業の詳細2 |
【授業計画(前半)】
1.イントロダクション・流通とは何か 「流通の全体像」と「授業の運営方法」を説明する。この授業で何を学びたいか参加の目的を簡単に確認する。何をするのにも目的意識が無いと得るものが少ない。私は授業で参加者の目的が実現できるような運営方法を考えていくつもりである。目的が実現できて受けて良かったといえるようにしたい。グループ学習での積極的な発言などクラス貢献を期待しているが、発言できない、前席に座れない人は『「すぐやる」技術!実践ノート』を読んでおく事を薦める(30分で読める)。また、授業で議論しながらまとめる時などに私が使うMind Mapについて説明する。メモが取れて覚えやすいのでノートをとる時使ってみるとよい。
2.流通の役割・機能 物を交換するためには企業や個人間で効率的に取引する仕組みが必要である。流通の役割・機能について説明する。
3.小売業の役割 メーカーが作った商品をメーカーや卸から仕入れて販売する。消費者の購買代理人となって消費者ニーズを卸・メーカーに伝える。しかし、実際には様々な工夫があり機能ごとの仕事がある。
4.卸売業の役割 中間流通として小口化リスク分散、物流、情報伝達を担う。この役割を提供できないと存在意義が無くなってしまう。
5.ロジスティクス 成功している流通チェーンは全てロジスティクス戦略がしっかりしている。EDLPのWal-Mart、温度帯別多頻度少量配送のセブンイレブン、標準化運営のしまむらなど、物流(ロジスティクス)が重要な役割を担っている。 6.業態研究T コンビニエンスストア、スーパー、百貨店、ディスカウントストア等の業態の興亡を立地、顧客、規制等から分析する。
7.業態研究U 製造と流通を一体的にコントロールするSPA(製造小売)という業態は、アパレル業界での勝ち組となっている。ユニクロとワールドなどのSPAとアパレルメーカー、小売業のコスト構造や競争優位を比較し強み弱みを検証する。
8.競争戦略 代表的な企業の競争戦略を解説する。ミニレポートを課題として出す。 |
授業の詳細3 |
9.提携とM&A 競争の激化に伴い企業の提携・グループ化やM&Aが頻発するようになった。規模のメリットや機能補完のメリットなどを求めて、イオン、セブン&アイなどの大手小売業グループ、商社、投資ファンドが流通再編を主導している。
10.流通技術革新とインターネット通販 チェーンオペレーションなどの店舗運営はPOSシステムなどのIT技術と結びついてより力を発揮している。また、もっとも成長している流通分野がインターネット通販である。
11.生産・流通・消費の融合 生産、流通、消費はそれぞれ別々の機能として独立していたが、インターネットの普及により、オークション、比較サイト、ブログ、Twitter等を通じて、個人(消費者)が商品企画(生産)や流通を担うことが可能となった。プロシューマーと呼ばれる専門知識をもった消費者が既存の流通の役割を変えようとしている。
12.ケース・グループ学習 グループでケースを分析し今後どうすべきかの提案を作成する。ケースにはその時点での競合や市場環境、会社の状況が書かれている。経営者の立場に立って何が問題で何をすべきかを考える。ちなみに正解は無い。
13.ケース討議 グループ毎に何をすべきかの提案のプレゼンテーションを行い、討議する。
14.ケース解説とプレゼンテーションの評価 ケースの解説と各チームのプレゼンテーションを評価する。
15.流通の将来像 縮小する日本市場で今後の流通の方向性を示し、『流通システム論』全体をまとめる。 |
授業の詳細4 |
【成績評価】 成績評価は次のようにするが,その詳細は最初の授業時間に説明する。
◆クラス貢献:30% 出席及び発言 ◆ケース評価:50% レポート&プレゼンテーション:35% 質疑:15% ◆ミニレポート:20%
◇テキスト 事業中に配布する講義ノートを使用する。 また,ハーバード大学ビジネススクールのケース「Wal-Mart Stores, Inc.」 Stephen P. Bradley, Pankaj Ghemawat, Sharon Foley 著(Harvard Business Publishing, 1994) を使用する予定。
◇参考書 『「すぐやる!」技術実践ノート』,久米 信行 著(日本実業出版社,2001)ISBN 978-4-534-04613-0 (授業で前の席に座れない、質問できない人は事前に読んでおくこと) 『日経MJ トレンド情報源 2011年版』,日経MJ 著,(日本経済新聞社,2010) (流通の定量的な全体像が理解できる) 『2010年の流通』,野村総合研究所 著,(東洋経済新報社,2006)ISBN 978-4-492-5563-7 (日本の流通を網羅し今後の方向性を欧米の事例を基に提言している)
◇備 考 「マーケティング」関連の科目を受講していると理解が深まる(必須ではない)
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授業の詳細5 |
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授業の詳細6 |
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授業の詳細7 |
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授業の詳細8 |
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授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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