科目名 |
物理化学序論 |
担当教員 |
角 克宏 |
対象学年 |
1年 |
クラス |
学部:専門001 |
講義室 |
B106 |
開講学期 |
1学期 |
曜日・時限 |
火4,金4 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
講義の目的 物質は、三つの異なった物理的な状態、気体・液体・固体で存在することができる。この講義では物質の三態について詳細に解説し、さらに溶液の性質を理解する。さらに、化学反応におけるエネルギーの出入りに関して化学熱力学の立場から議論し、また化学反応の速度論についても理解する。
講義の進め方 講義は基本的に図や写真はPowerPointのスライドを使って示し、ノートは板書する。また,講義には宿題を出すので,レポートとして次回の講義までに必ず提出する。
達成目標 1.理想気体の状態方程式を理解し,使えるようにする。 2.気体の法則に関して分子運動論的理解をする。 3.分子間力(水素結合,ロンドン力など)を理解する。 4.固体の結晶のうち立方格子を特に理解する。 5.水の状態図を理解する。 6.ラウールの法則を理解する。 7.熱力学第一法則を記憶し,エンタルピーを理解する。 8.エントロピーの概念についての理解する。 9.自由エネルギーと自発的物理変化との関係を理解する。 10. 化学ポテンシャルと化学平衡を理解する。 11. 一次反応,二次反応を理解する。 13. 反応速度論における衝突理論を理解する。 |
授業の詳細2 |
講義計画 1. 気体:講義内容と目的,気体の性質、分子運動論、 理想気体と現実気体 まず,本講義の目的,達成目標,講義内容の概論,および評価法を説明する。ボイル―シャルルの法則、ゲイリュサックの法則、気体の分子運ドロンについて学ぶ。また、理想気体と現実気体について学ぶ。
2. 液体:分子間力、蒸気圧 分子でできた物質に液体や固体が存在するのは分子間力があるからである。分子間力と表面張力や蒸発などの現象との関わりを理解する。さらに、分子間力の種類について学習する。また、液体の蒸発における物理的性質や諸現象について扱う。蒸発熱や蒸気圧に関して理解し、沸点に関して学習する。
3. 固体 ? 凝固点、結晶格子、結晶の種類、状態図 結晶性固体に関して、X線回折などの結晶の解析法、立方格子などの結晶格子における原子の配列を学び、さらに分子性・イオン性などの結晶の種類について学習する。また、最後に気体、液体、固体の間の平行曲線である状態図について理解する。
4. :溶液- 液体の蒸発熱・蒸気圧・沸点と凝固点 溶液に関して詳細に学習する。溶液の濃度を学び、液体溶液中の溶解過程について理解する。また、溶解熱と溶解度に関して、学習する。さらに、溶液の蒸気圧と溶液の組成との関係を学び、ラウールの法則を理解する。蒸気圧降下、沸点上昇、凝固点降下などの溶液の束一的性質について学習する。さらに、浸透現象について解説し、浸透圧と溶液の濃度との関係(ファント・ホッフの式)を理解する。また、電解質溶液における束一的性質についても解説する。
5. 演習・予備講義 講義が延長したときのために予備講義時間を設ける。延長しない場合には、演習時間とする。 6. 化学熱力学1:熱力学第一法則、断熱と等温、エンタルピー 熱力学第一法則を学び、気体の断熱過程、等温過程における気体のエネルギーの出入りを考える。また定積過程と定圧過程について理解し、エンタルピーという新しい熱力学関数、Hを定義することにより、一定圧力での化学反応の熱化学を理解する。
7. 化学熱力学2: ヘスの法則、標準生成エンタルピー、結合エネルギー ヘスの熱量和の法則について学び、生成エンタルピー、標準生成エンタルピー、さらに結合エネルギーなど、ヘスの法則によって計算される種々の反応エンタルピーについて理解する。
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授業の詳細3 |
8. 化学熱力学3:熱力学第二法則 、エントロピー、秩序 拡散現象を通してエントロピーの統計的定義式S=klnWを理解する。次にカルノーサイクルから得られるもうひとつのエントロピーの定義式dS=dq/Tを理解し、統計的定義式との関係を考える。
9. 化学熱力学4 ?ギブズの自由エネルギー 化学反応が熱力学第二法則に従って自発的に起こることを理解するのに、ギブスの自由エネルギー、Gという熱力学状態関数を導入すると、より便利である。この自由エネルギーGに関して学習し、自由エネルギーと有効な仕事との関係を理解する。 。 10. 化学ポテンシャル:部分モル体積、化学ポテンシャル まず部分モル体積という概念を理解した後、自由エネルギーに関する部分モル量である化学ポテンシャルを理解する。
11. 化学平衡 自由エネルギーを用いて、化学平衡を考える。ルシャトリエの法則について自由エネルギーの観点から理解する。
12. 反応速度論1:気体の分子運動論、一次反応、二次反応、素反応 熱力学的支配と速度論的支配について学ぶ。反応速度論では、最も簡単な一次反応について学び、ついで二次反応について学習する。次いで、競争反応や逐次反応など複合反応を学ぶ。また素反応を学び反応機構を理解する。
13. 反応速度論2:アレニウス式、反応機構 反応速度と温度の関係を示すアレニウス式を学び、衝突理論によりアレニウスの式を理論的に理解する。
14. 演習・予備講義 講義が延長したときのために予備講義時間を設ける。延長しない場合には、演習時間とする。
15. 期末試験 |
授業の詳細4 |
授業の詳細5 テキスト: ブラディ『一般化学』 (上)(下)J.E.BradyoG.E.Humiston著、若山信行・一国雅巳・大島泰郎 訳 (東京化学同人)¥2850
参考書1: アトキンス「物理化学」上・下
成績評価 試験とレポートにより評価する。 AA: 講義内容全般にわたって,非常によく理解している。 A:気体・液体・固体・溶液,熱化学・反応速度論など状態とエネルギーに関してほぼ理解している。 B:気体・液体・固体・溶液,熱化学・・反応速度論など状態とエネルギーに関して7割以上理解している。 C:気体・液体・固体・溶液,熱化学・・反応速度論など状態とエネルギーに関して半分以上理解している。 F: 試験に欠席するかまたは評価Cの理解に達していない。
履修上の注意 化学熱力学の章の理解のために、2年生第1クウォターにある【熱力学・波動力学基礎】(古沢)を履修しておくことが望ましい。演習では関数付き卓上計算機(関数電卓)を必ず持参すること。期末試験では関数電卓の持込可能。 |
授業の詳細5 |
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授業の詳細6 |
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授業の詳細7 |
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授業の詳細8 |
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授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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