科目名 |
オペレーティングシステム |
担当教員 |
山際 伸一 |
対象学年 |
3年 |
クラス |
学部:専門001 |
講義室 |
A107 |
開講学期 |
2学期 |
曜日・時限 |
月2,木2 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
☆講義の目的
オペレーティングシステムの構造とその基本原理を学習する。計算機資源の抽象化の概念と仮想化手法が論述され、複数ユーザ・複数プロセスに対する資源の割当手法を学習する。オペレーティングシステムを深く理解することで、オペレーティングシステムのあるべき姿を理解できる。 |
授業の詳細2 |
☆講義の進め方 本講義では、「アルゴリズムとデータ構造」において基本的なデータ構造を習得していること、「計算機アーキテクチャ」においてアーキテクチャの概要を習得していることを前提として、まずオペレーティングシステムの存在意義とその有効性を理解する。つぎに現在使用されているコマンドベース或いはアイコンベースのオペレーティングシステムの基本動作を理解する。 |
授業の詳細3 |
☆達成目標 本講義を習得することにより、以下の能力が身につく。 (1)システムソフトウェアの存在意義や有効性が理解できる。 (2)並行プロセスの概念を習得できる。 (3)オペレーティングシステムの基本構造が理解できる。 (4)仮想化手法や抽象化概念を理解できる。 (5)仮想記憶および割り込みの概念設計が可能となる。 |
授業の詳細4 |
☆講義計画
1。オペレーティングシステムの機能と構造 オペレーティングシステムOSとはどのようなソフトウェアであり何を行うものであるかを明らかにするために、定義、位置付け、基本概念、構成などについて学習する。
2。管理のためのデータ構造 メモリ管理、タスク管理、ファイル管理など、管理を効率よくするためのデータ構造について学習する。
3。並行プロセスと並行プログラミング OSの基本概念であるプロセスの概念について学び、プロセスに対して行われる各種の基本操作について学習する。また、相互排除、デッドロックなど、並行プロセス間で生じる問題とそれを解決するための並行プログラミング機構について学習する。
4。プロセス管理 マルチプログラミングの概念やジョブとタスクの関係を述べ、タスクの定義や実装について学習する。プログラムの実行の流れを表すプロセスやスレッドについて学習する。
5。プロセススケジューリング 計算機システムを効率良く利用するために重要なスケジューリングについて学習する。
6。割り込み処理 割り込み処理の概念と割り込みハンドラについて学習し、割り込みの有効性について学ぶ。ハードウエアおよびソフトウエアにおける割り込みベクタについて学習し、ベクタテーブルの作成概念を学習する。
7。実時間処理システム 今日のマイクロプロセッサを多用した各種実時間処理システムを学習し、リアルタイムOSの必然性と有効性を学習する。
8。仮想記憶管理 仮想記憶について、ページング、セグメンテーションなどの構成方法および仮想記憶における主記憶の管理技法について学習する。
9。ファイル ファイルシステムの基本構造とアクセス法について学び、二次記憶装置などの入出力機器の制御方法について学習する。
10。入出力管理・時間管理 簡単なハードウェアを例に、どのように制御すべきか、インターフェースをどうするべきか、について学習する。OSの中での時間と時刻の管理について学習する。 |
授業の詳細5 |
11。ネットワークと分散システム ネットワークを介した通信機能の動作について述べ、ネットワークを介して分散したシステム上でのOSの役割について学習する。
12。アクセス管理とセキュリティ マルチユーザ環境におけるアクセス制御とその安全性(セキュリティ)について学習する。
13。システムプログラミング エコーバックプログラムなどを例にとり、システムプログラムの必要性とそのイベントドリブンシステムにおける有効性を学習する。リアルタイムモニタなどを例にとり、システムプログラムのイベントドリブンシステムにおける有効性を学習し、また、その構築手法について学習する。
14。全体のまとめ 最終試験の解答例を説明し、本講義のまとめとして習得したオペレーティングシステムの今後の展開について学習する。また、本講義の後に開講予定である「ソフトウエア工学」に向けての動機付けも実施される。
15。クォータ末試験 オペレーティングシステムの基本概念である仮想記憶、割り込み、資源割付、プロセス、ファイルシステム、通信の特徴および設計概念、さらに、それらのシェル構造としてのカーネルへの組み込みに関する基本概念に関する試験が実施され、これらの習得状況が把握される。
16。将来の展望 クォータ末試験の解説の後、将来の展望について述べる。 |
授業の詳細6 |
☆テキスト 大久保英嗣「オペレーティングシステム」ISBN: 4274131939, オーム社出版局。
☆参考書 ・山崎傑「オペレーティング・システム入門―最新のLinuxカーネルを題材に読み解く組み込みシステム開発の常識」 ISBN: 4789833372, CQ出版社 ・石畑清「アルゴリズムとデータ構造」ISBN: 4000103431, 岩波書店。 |
授業の詳細7 |
☆成績評価 講義最初にミニテスト、および、適宜数回の演習を行なうとともにクォータ末に試験を行なう。ミニテスト20%、演習30%、クオータ末試験50%で、合計で60%以上で本科目の単位ならびに JABEE 合格が認められる。 <成績評価の基準> AA:特に優れた成績を示したもの(90%以上) A :優れた成績を示したもの(80〜89%) B :良好と認められる成績を示したもの(70〜79%) C :合格と認められる成績を示したもの(69〜60%) F :不合格(60%未満) |
授業の詳細8 |
☆備考
・履修前の受講が望ましい科目=「計算機アーキテクチャ」 ・履修の前提となる必須科目=「アルゴリズムとデータ構造」 ・同時履修すべき科目=なし |
授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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