科目名 |
検証:日本の都市 |
担当教員 |
荒木 英昭 |
対象学年 |
1年 |
クラス |
学部:人社001 |
講義室 |
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開講学期 |
1学期 |
曜日・時限 |
時間外 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
1 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
開講学期 夏期集中講義、冬期集中講義 ※日程は、時間割を参照すること。
授業の目的 いま、日本は空前絶後の東北関東大震災に遭遇し前途が予測不能の困難な状況にあるが、平地が乏しく大災害が多い不利な国土条件の我が国で、前途の困難や衰退の予感に立ち向かって少しでも前進しようとしている諸都市の最新の動向・諸様相を把握することで日本の国、日本の社会を認識する基礎知識とする。 |
授業の詳細2 |
授業の進め方 各回ともPOWER POINTによる講述において、最新の画像を数多く活用し、主要な各都市の特徴をビジュアルに分かりやすく伝えることを主眼とする。できるだけ質疑応答等活発な議論も取り交わしたい。 授業の目標 「都市」は魅力的な生き物である。どれもが興味尽きない観察対象であり、都市や都市の諸事象に興味を持たせることこそが当授業の最も目標とするところである 講義計画 1. 基礎的知識の整理 (1)人口 1)住民登録人口 2)国勢調査人口 (2)「都市」の定義 1)「市」2)「人口集中地区」 3)大都市および大都市圏 (3)2010年10月1日国勢調査結果の概要 (4)平成の大合併 明治の大合併、昭和の大合併に続く平成の大合併の意図とその概況 2.東北関東大震災 2011年3月11日に我が国を襲った未曾有の大地震とそれに伴う大津波による原発等の災害の状況と今後も日本全土に及ぶその深刻な影響を概観する。 3.我が国の地域構造と都市の盛衰 徳川幕府300年の幕藩体制以後の我が国の地域構造の変遷、都市の分布・展開・盛衰の経緯と現況の概略を頭に入れる。 4.都市間競争の荒波に遭遇しつつある地方中核都市 高知市のようないわゆる地方中核都市は、いま、興隆するか衰退するか難しい分岐点にある。これら地方中核都市の将来を学生と一緒に議論し考えたい。札幌、仙台、広島、福岡のいわゆる地方中枢都市は他の主要な地方中核都市より一ランク上の都市力を持っていると見られている。これら地方中枢都市なるものと、高知市等地方中核都市との差は何なのか、今後その差はどうなるのかを考える。 |
授業の詳細3 |
5.日本国内ではひとり勝ちだが国際的地位は低下傾向著しい東京及び東京圏 江戸時代以来東京並びに首都圏が巨大化してきた経緯と、東京への一極集中・過密化を一貫して抑制しようとしてきた行政を概観する。 日本国内においては、大阪以下の諸都市と圧倒的な力の差を示してひとり勝ちの様相を示しつつあったが、大震災に遭遇して一極集中的な国土構造は避けるべきという声がいままで以上に高まると思われる。それ以前から国際的にはその世界経済の中枢的地位から転落しつつあったなど東京の抱えている諸課題を摘出する。 また、神戸とともに戦前から日本を代表する国際貿易港であった横浜、さいたま新都心の整備が進むさいたま市等東京圏の主要業務各都市の動きを概観する。 6.東京に対して地盤沈下が著しい大阪市及び近畿圏 江戸時代から商都として発展してきて、明治以降は工業都市として日本経済の中枢であった大阪の歴史を学ぶとともに、東京に対して地盤沈下が著しい大阪並びに近畿圏の現状と課題を概観するとともに、独自の古い歴史と文化を持つ京都,神戸のこれまでの長い軌跡を概観し、新しい動きを知る。 7.人口減少と赤字財政に苦悩する地方中小都市 全国に点在する多くの地方中小都市は、無名の小都市でもそれぞれ、それなりの長い経緯を背負って存在しているのであり、これら、各自治体の存在に温かい視線を注いでやらなければならない。地方圏に存在する各市町村の果てしなく続く人口減と財政赤字に悪戦苦闘している実態と努力を学ぶ。 8.高知工科大学と連携を深め魅力的な研究学園都市を目指す香美市 高知工科大学が立地している香美市の経緯と現状を概観し、工科大と地域との連携の概況、筑波や関西等の他の研究学園都市の事例や欧米の魅力的な大学都市の事例を学んで将来を展望する。 |
授業の詳細4 |
9.魅力的な新しいニュータウンづくりの計画と挫折 戦後、大都市圏や、地方中枢・中核都市圏に数多く建設されたニュータウンの計画・設計を紹介し、その企図したものと、住民の老齢化、タウンセンターの衰微等の課題を検証する。 10. 地方都市の自立・発展への模索 (1)地方における工業と都市 工業振興による地域発展は、高知工科大学を創設した高知県を始め各県・各都市が目指す方向でもあるが、企業は経済合理性に基づき投資行動をしている。企業城下町とも言うべき工業都市が地方に展開してきた歴史や、高度経済成長期に、東北や九州の遠隔地にI.C.関連や自動車関連の大工場が数多く立地したことを知り、その後のいわゆる空洞化の影響を概観し、今後を展望する。 (2)特色ある都市、面白いまち 都市間の競争が激しくなるなかで、都市も差別化が重要と言われ、全国のいろいろな都市が、それぞれ工夫をこらしてまちづくりをしている。特色あるまち、参考にすべき面白い事例等を紹介する。 定住人口は少なくとも、交流人口は増やしたいと各都市は知恵を凝らしている。各地でテーマパークが作られ、道の駅、趣向を凝らした温泉等も数多く整備され、中国等国際的観光客誘致も進みつつあった。しかし、夕張市を始め観光による地域振興の無残な失敗例も少なくなく、大震災の影響も大きい。 11. 海外諸都市の例に学ぶ 上海、シンガポール等アジアの諸都市は意欲的に都市整備を行っている。ヨーロッパにおいては大中小の各都市がそれぞれ素晴らしい魅力を保っている。これら海外の特色ある例を随時参考にしたい。 |
授業の詳細5 |
12.試験 ノート、参考書等持込不可、記述式の回答を求める設問にかなり重点を置く予定。レジュメで記載した事項以外から出題する場合はその旨講義時に強調する。 |
授業の詳細6 |
◆テキスト: 特になし。初日の講義開始時に要点を整理したレジュメを配布する。 ◆参 考 書:『都市データパック2010年版、東洋経済』、『地域経済データCD-ROM、東洋経済』総務省統計局編『平成22年国勢調査 全国・都道府県・市区町村別人口』、 福原正弘『新訂身近な地理学、古今書院』、『世界の都市の物語、文芸春秋及び文春文庫』の両シリーズ(パリ、ロンドン、東京等)、 インターネットによる主要都市の情報は、当講義期間中だけでもこまめに開いてみること。 ◆成績評価: 東京、高知等講義で取り上げた主要都市の概略の特徴を大きな落ちなく記述できればC。 誤字や都市名等に適切に漢字を用いない答案(例えば「札ぽろ」、「こうち市」)は厳しく減点する。 自分が育った郷里のまち等自分がたまたまよく知っている都市のことでも他のひとに要領よく説明する能力を身につけてほしい。 それらの都市が抱える問題点を要領よく指摘・記述できればA。 ◆備 考: 同時に履修するのが望ましい科目=「都市問題」「人文地理学」「地域共生概論T」。 |
授業の詳細7 |
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授業の詳細8 |
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授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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