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タイトル「2011年度シラバス」、フォルダ「2011年度シラバス?大学共通科目(自然科学分野等科目)
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 総合エネルギー学概論 
担当教員 神田 淳 
対象学年 1年  クラス 学部:自然001 
講義室   開講学期 1学期 
曜日・時限 時間外  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 【授業の目的】
・エネルギーとエネルギー問題の全般的な知識を習得する。
・エネルギー問題を工学の問題としてだけでなく、学際的なエネルギー学として総合的に理解する力を習得する。
・人間の社会と文明の根底にエネルギーがあること、および新しいエネルギーの開発が新しい文明と社会を切り開いていくことを理解する。
・現代文明の特色を理解する。特に、化石エネルギーに支えられた現代文明は地球環境を疲弊させているゆえ、持続可能でないという試練に立っていることを理解する。
・現代文明を持続可能にするエネルギーの変革と社会制度のイノベーションを始めとして、持続可能社会を創造する総合的な知力の獲得をめざす。

 
授業の詳細2 【授業の進め方】
・この授業は7回の講義と、1回(最終回)のレポート作成とする。
・講義は毎回最後に15〜20分程度の質疑の時間を設ける。
・講義はパワーポイントの資料を用いて行う。
・最終回は学生のレポート作成の時間とする。レポートの課題はその場で数課題提示する。学生はその中から1課題を選択してレポートを書き、提出する。

【授業の達成目標】
・エネルギーとエネルギー問題について全般的な知識を習得している。
・各種エネルギーの性質、潜在力、実績、導入可能量の評価について知識を習得している。
・地球環境問題について基礎的な知識をもっている。
・文明の根底にエネルギーがあり、新しいエネルギー技術の獲得が文明を革新する力をもつことを理解している。
・エントロピーの物理法則を理解し、この法則が人間の文明も貫いていることを理解している。
・現代文明をエネルギーと環境から評価するほか、歴史、経済、倫理を含めて総合的に考察する必要があることを理解している。

 
授業の詳細3 【授業計画(案)】
第1回 エネルギーとエネルギー問題の概要
エネルギーとは何かについて
各種エネルギーの性質と利用の現状について
エネルギー利用の変遷と新規エネルギーが新しい文明を開いてきたことについて
現代のエネルギー問題について
第2回 現代文明の問題について
エネルギーからみた現代文明の特色と問題点について
経済主体の文明であること
史上最も進んだ技術文明であること
そのままでは持続可能でないこと
第3回 地球環境問題について
地球環境が疲弊している各種インデックス(エコロジカル・フットプリントなど)について
地球温暖化問題について(IPCC第4次報告書など)
第4回 エントロピーからの文明の考察
エントロピーとは何か
エントロピーの法則からみた文明について
 
授業の詳細4 第5回・第6回 エネルギー変革の可能性
再生可能エネルギー(太陽光発電、太陽熱発電、風力発電、バイオマス、水力発電、地熱発電、太陽熱利用、地中熱利用)、原子力発電、天然ガス、石炭、石油について、その実績、導入可能量(ポテンシャル)、特質(実力の程度など)の俯瞰と、持続可能エネルギーに変革する可能性について
需用サイドのエネルギー問題(産業部門のエネルギー、運輸部門のエネルギー、民生部門のエネルギー)についての現状とCO2排出削減の方策
第7回 持続可能性について
持続可能性とは何か
持続可能社会を開くエネルギーと経済社会制度におけるイノベーションについて
持続可能社会を開く倫理と日本の可能性について
第8回 レポート作成
その場で提示する数題の課題から学生は1課題を選択し、レポートを書く

 
授業の詳細5 【成績評価】
・学生が第8回目の授業時間で作成し提出したレポートで評価する。
・評価ポイントおよび評価のウェイトは、1.全体的な論旨の明晰さ(50点)、2.独創性(25点)、3.レポートから判断される習得した知識の程度(25点)、の3点で行う。
・成績評価は、以下のとおりとする。
AA 合計点90点以上
A  80点以上90点未満
B  60点以上80点未満
C  50点以上60点未満
F  50点未満(不合格)

 
授業の詳細6 【参考図書】
・この講義の参考図書として下記の21点をあげておきます。
・拙著『持続可能文明の創造−エネルギーからの文明論』は講義のテキストとして使うわけではありませんが、講義の多くは本書の内容に沿ったものとなります。

1.神田 淳著『持続可能文明の創造―エネルギーからの文明論』 エネルギーフォーラム社 2011年6月出版予定
2.田中紀夫著『エネルギー環境史T、U、V』ERC出版 2001年
3.北川正恭・山本良一共同座長『サステナビリティの科学的基礎に関する調査』http:www//.sos.2006.jp
4.電力中央研究所編著『エネルギーと地球環境』エネルギーフォーラム社 2010年
5.NEDO編『NEDO再生エネルギー技術白書』エネルギーフォーラム社2010年
6.IEA『World Energy Outlook 2010』IEA publications online:www.iea.org/books
7.日本エネルギー経済研究所編『エネルギー・経済統計要覧2010』省エネルギーセンター 2010年
8.環境省『IPCC第4次評価報告書統合報告書』環境省ホームページ
9.デービッドJ.C.マッケイ著『持続可能なエネルギー』産業図書 2010年
10.安田喜憲著『文明の環境史観』中公叢書 2005年
11.佐和隆光監修『環境経済・政策学の基礎知識』有斐閣ブックス 2006年
12.三村泰臣著『環境の世紀を歩む』北樹出版 2007年
13.細野敏夫著『エントロピーの科学』コロナ社 1995年
14.勝木渥『物理学に基づく環境の基礎理論』海鳴社 2006年
15.クライブ・ポンティング著『緑の世界史 上・下』朝日選書 2005年
16.R.J.フォーブス著『技術の歴史』岩波書店 1968年
17.山本良一著『温暖化地獄』ダイヤモンド社 2007年
18.小澤徳太郎著『スウェーデンに学ぶ「持続可能な社会」』朝日新聞出版 2009年
19.石川英輔著『大江戸エネルギー事情』講談社文庫2007年
20.加藤尚武著『環境倫理学のすすめ』、同『新・環境倫理学のすすめ』丸善ライブラリー 2008年
21.稲盛和夫編『地球文明の危機 環境編』『同 倫理編』東洋経済新報社 2010年
以上 
授業の詳細7  
授業の詳細8  
授業の詳細9  
授業の詳細10  


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