科目名 |
環境化学 |
担当教員 |
小廣 和哉 |
対象学年 |
3年 |
クラス |
学部:専門001 |
講義室 |
B107 |
開講学期 |
2学期 |
曜日・時限 |
月1,木1 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
講義の目的 今注目されている地球環境問題の根源には,様々な物質が複雑に絡み合う世界がある.その世界を物質の観点から整理し理解するのが化学である.化学の見方を通じて,地球環境を大気・水・物質・エネルギーの観点から包括的に理解できるようにする. |
授業の詳細2 |
講義の進め方 講義は前半7回と後半8回の2部からなる. 前半では,地圏,水圏,気圏の科学について学ぶ. 後半では,エネルギーと環境保全について学ぶ. |
授業の詳細3 |
達成目標 1.大気の化学的側面を理解できる. 2.環境中の水と水環境を水質という観点から理解できるようになる. 3.エネルギーと資源を地球というシステムから考えられるようになる |
授業の詳細4 |
講義計画 1.2.大気の化学 大気の物質量は地球全体からみると約0.005%の存在量しかない.したがって,ほんのわずかな異物が混入してもその性質が大きく変わる.大気中での様々な物質の循環を化学的側面から概説する.
3.炭素循環 炭素は二酸化炭素・炭素・セルロース・炭酸というように形を変えながら,気圏・地圏・生物体・水圏を循環している.二酸化炭素の発生と吸収について考察を行い,気圏,地圏,生物体,水圏での物質の移動を定量的に理解する.
4.地球温暖化 大気成分のうち,地球が放射する赤外線を吸収することのできるガスを温室効果ガスという.その代表が二酸化炭素である.大気中の二酸化炭素濃度の変化と気温上昇の関係,このことがもたらす環境変化について学ぶ.また,二酸化炭素以外の温室効果ガスの濃度変化についても学ぶ.
5.窒素硫黄循環 大気成分のうち酸性酸化物であるSOxおよびNOxが溶け込み,pHが5.6以上になった雨を酸性雨と呼ぶ.これらの酸性酸化物の発生原因,大気中へと運ばれるメカニズムについて解説する.また,窒素硫黄循環と生物との関わりについても解説する.
6.酸性雨のpH測定の実際 環境中の有害物質の分析は,分析結果の正確さが,公害訴訟や政治問題に発展する重要な問題である.酸性雨のpH測定の実際例を取り上げて,分析結果の信頼性について議論する.
7.水循環 水圏では絶えず水が循環しており,大気にも絶えず水が出入りしている.この循環の量的側面について概説する.また,河川や湖沼の水の水質について解説する.
8.1〜7回までのまとめ. |
授業の詳細5 |
9.太陽光の化学的利用と環境保全 太陽光を利用して二酸化炭素と水から炭水化物と酸素を作り出す緑色植物の光合成過程を,高機能な触媒を用いて人工光合成として実現するという究極の目的のために,現在行われている研究を概説する.
10.水素エネルギー 水素を燃やすと基本的に水以外のものは生成しない.そのため水素は環境にやさしいとされている.水素を製造し貯蔵するための方法について学ぶ.
11.有害物質汚染と環境リスク 日々の生活の中で生まれるゴミやし尿などの廃棄物の分類,排出実態,処理対策,有害廃棄物対策,リサイクルなどを解説する.
12.廃棄物と環境 ダイオキシンや残留性有機汚染物質を中心に環境汚染の現状と環境リスクの考え方を学ぶ.
13.エネルギー・資源の問題と持続可能な社会 地球というシステムは,物質的には閉鎖系であるがエネルギー的には閉鎖系ではない.現在地球上にある資源とエネルギー,そして太陽から供給されるエネルギーで,持続可能な社会を作るのに必要な考え方や仕組みについて考える.
14.環境科学に関する最新の話題
15.これまでの講義内容についての理解度確認を行う. |
授業の詳細6 |
参考書: 「地球環境化学入門」,J.アンドリューズ他,シュプリンガー・フェア ラーク東京 |
授業の詳細7 |
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授業の詳細8 |
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授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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