科目名 |
情報学群実験第4i |
担当教員 |
植田 和憲,繁桝 博昭 |
対象学年 |
3年 |
クラス |
学部:専門001 |
講義室 |
A−WS |
開講学期 |
1学期 |
曜日・時限 |
月3,月4,木3,木4 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
■ 授業の目的
本授業では,「情報学群実験第3i」に引き続いてメディアの処理技術を学ぶとともに,「情報学群実験第3i」で学習した情報伝達の媒介の役割を果たす各種メディアに関する知識を前提として,より人間の知覚特性を利用したシステムの構築が行える能力を培うことを目的とする.また,その前提となる人間の知覚情報処理のメカニズムを明らかにするための行動実験の手法,および得られた行動データの分析法についても実践的に学ぶ. なお,本授業は第1Qの「情報学群実験第3i」の内容を前提としている.そのため,両科目を同時に履修申告すること.
■ 授業の進め方
本授業では,各回とも3時限目と4時限目とを連続して1回の授業とし,週2回(月曜日と木曜日)行われる.各実習項目では,ワークステーション室のコンピュータを用いて各テーマに沿った実習を行う.そのため,「情報学群実験第3i」と同様に,コンピュータリテラシ,応用コンピュータリテラシで取り上げている UNIX の基本的な操作は既に行えるようになっておくことが望ましい. 実習は,数名のグループで協同して作業を行う場合と,個々人によるプログラミングおよびソフトウェアを用いた処理を行う場合とがある.グループで協同して関連課題を解決する課題では,実習内容の記録を残すことで常にメンバー全員が情報を共有し合うようにする.情報システムの構築は,複数のメンバーで協力して作業を行うことも重要であるので,グループの他のメンバーと協調せずに個人で勝手に実習を進めたりすることのないように注意すること. 実習項目としては,CG,VR および動画像処理のテーマについてのプログラミング,動画の配信システムの構築,知覚実験,ユニバーサルデザインを意識した Web コンテンツの作成,グループウェアおよびそのインタフェースについてのグループでの設計(デザイン)から実装までの実習,などがある. |
授業の詳細2 |
各実験項目を開始する際,教員または履修生のグループが授業の最初に実験項目に関するプレゼンテーションによる説明を行う.各グループについて最低1回,この説明を行うこととする.説明を担当する回のグループは,事前に調査・準備し,プレゼンテーション用の資料を作成して20分で説明を行う. その他の注意事項として,実習中は不具合,操作ミスなどにより実習項目を達成するために多くの時間が必要になる場合もしばしば発生するため,グループによっては既定の授業時間では終了できずに実習を延長する場合もあることに留意すること.実習をグループで行う課題では,実習を延長する場合でも,グループごとにメンバー全員で最後まで責任を持って行うこと. 本授業の成績は,全7回のレポートの内容により決まる.定められた期限までに,定められた項目について記述されたレポートを提出しなかった場合は,単位取得は認められない.レポートは定められた様式で作成するものとする. 本授業は実験科目であり,すべての授業に出席することが単位認定の前提である.遅刻および欠席のあった場合単位取得は認められない.
■ 授業の目標
本実験を通じて,情報メディア処理技術と人間の知覚情報処理についての普遍的な理解を深めることで,情報処理システムを現実に活用するための技術と学術的な探究心を涵養する.本実験により以下のような能力を身につける. (1) 3次元コンピュータグラフィックスの基本について理解し,簡単な3次元空間を構成できる (2) 人間によって動画として認識されるデータがどのようなものか理解し,簡単な動画データを作成できる (3) 動画配信の概要を理解し,小規模な動画配信システムを構築できる (4) 心理物理実験およびユーザビリティ評価の方法論を体得し,適切な実験計画をデザインすることができる (5) 誤差のある行動データに対して統計的な手法により分析できる (6) ユニバーサルデザインと色覚の仕組みを理解し,それを前提とした Web ページ上の配色を行うことができる (7) ユーザインタフェースの基本を理解し,それを前提として Web アプリケーションのユーザインタフェースの設計が行える (8) グループウェアとして備えるべき要件を理解しシステムやソフトウェアの設計を行える
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授業の詳細3 |
■ 授業計画
1〜2 CGとVR 3D CG の基礎,3次元空間の移動,VR についての実習を行う.はじめに 3D CG の基本的概念(グラフィックスパイプラインとデータの流れ)を理解した上で,リアルタイムに動かせる3D画像の作成を学習する.画像の作成には,ゲームや CAD などあらゆるリアルタイムな 3D CG に使用されているクロス・プラットフォームなライブラリである,OpenGL を用いる.
3〜5 動画 まず,動画データがどのようなものであるかを理解するために,仕様のシンプルな動画データフォーマットを採用して複数の画像ファイルから実際に動画ファイルを作成する.次に,一般的な動画データフォーマットの仕様を理解した上で,単一・複数フレーム削除などの動画データの加工を行えるプログラムを作成する.また,動画配信システムの概要を理解し,動画のストリーミング転送をサポートする配信サーバのセットアップに関する実習を行う.
6〜9 行動実験とデータ解析 人間の認知情報処理過程を研究する手法について学ぶために,反応時間を指標とした行動実験をおこなう.実験で得られたデータは統計的仮説検定によって分析する.また,Webページなどの実際のユーザインタフェースの例を取り上げてユーザビリティの評価をおこない,得られた主観評価のデータについても統計的な分析をおこなう.
10 ユニバーサルデザイン (Web) ユニバーサルデザインについての概要を理解し、Web コンテンツにおける配色を題材として実習を行う。具体的には、先に作成した Web コンテンツの配色を見直し、見直し後の配色によって色覚異常者にも正しく情報が伝わるようになったかを補助的なツールを使用して検証する.
11〜15 コミュニケーションとインタフェース Web アプリケーションにおけるポインティングデバイスの使用方法や各コンポーネントの配置(デザイン)などを題材としてヒューマンインタフェース・ユーザインタフェースに関する理解を深めるための実習を行う.また,作成した Web アプリケーションをグループウェアとして使用できるようにするための要求仕様の策定を通じて多人数コミュニケーションについての理解を深める.
■ テキスト
適宜資料を配布する.
■ 参考書
必要に応じて提示する.
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授業の詳細4 |
■ 成績評価
各実習項目ごとにレポートを課し,実習内容に関する技術および関連技術などについての記述と実習内容の記録の正確さ,実習項目及び課題の理解度・達成度を評価する. ・AA:課題で必要な項目全てが正しく記述されている ・A:課題で必要な項目のうち8割以上が正しく記述されている ・B:課題で必要な項目のうち7割以上が正しく記述されている ・C:課題のうち特に重要な項目について概ね正しく記述されている レポートの記述は,本授業の成績評価に重要な影響を及ぼすものであるので,技術文書作成に関する参考書(例えば,木下是雄「理科系の作文技術」中公新書など)に沿った執筆を行うこと.
■ 履修上の注意 ・「情報学群実験第3i」と合わせての履修が前提である ・履修の前提となる必修科目=「情報学群実験第2」 ・事前の履修が望ましい科目=「知覚と認識」「映像音響メディア」「画像処理」 ・同時に履修することを推奨する科目=「コンピュータグラフィックス」「HCI 概論」「認知心理学」 ・本実験のより詳細な情報は http://www.scinfo.kochi-tech.ac.jp/k-ueda/lectures/2011/expi/index.html に掲載する. |
授業の詳細5 |
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授業の詳細6 |
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授業の詳細7 |
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授業の詳細8 |
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授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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