科目名 |
リーダーシップ論 |
担当教員 |
坂本 泰祥,前田 光幸 |
対象学年 |
1年 |
クラス |
学部:専門001 |
講義室 |
B104 |
開講学期 |
1学期 |
曜日・時限 |
時間外 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
【授業の目的 】 ◎ 日本の社会および産業界は戦後の欧米キャッチアップ期、高度成長期を経て、現在、市場パラダイム(枠組み)の大変革期にあ る。さらに加えて、極めて大きな波乱要因に直面している。 市場パラダイムの大変革とは、@ソ連・東欧、中国などの共産主義社会やインド、ブラジルなど低開発国の世界経済へ本格参入、Aインターネットの広範な普及による技術・市場の加速度的変化、B経済原則、競争ルールの急激なグローバル化の進展、である。 大きな波乱要因とは、Cサブプライム・ローン問題によって明らかになった金融グローバリズムの破綻と、世界経済の混乱、D双子の赤字(国際収支、財政収支)の増大による米国の国力・ドル価値の凋落、ユーロ加盟国の金融危機、イスラム圏の長期独裁政権のドミノ的崩壊、E2011年3月の東北大震災と福島原発の事故による東日本の電力供給不足による社会経済の混乱、である。 このような新たなパラダイム、かつ大きな激動期において、求められるリーダー像は激しい変化を的確に洞察し、「破壊と変革と創造のリーダー」である。 本講義は、時代を切り開いてきたリーダーに焦点を当て、さらにこれからのリーダーのあるべき姿についても議論していく。 ◎受講生は授業において、何が強い「破壊と変革と創造のリーダー」の要件かについて考える機会を持つ。その際、強いリーダーに関する一般論を学ぶと同時に、個別具体的な事例を知ることにより、リーダー論の多様性と深さを学習する。 ◎授業の後半において、受講生は自らのリーダーシップ論をチーム討議、クラス発表・討議を行う体験を通じて、リーダーシップ論を実感する。この体験は受講後もリーダーシップ論について折に触れ再考する、という持続的学習への途を拓く。 |
授業の詳細2 |
【授業の進め方】 ◎授業の構成はT学ぶ、U知る、V考える、の三部からなる(授業計画参照)。Vの考える、ではチーム討議・発表を行う。リーダ ーシップ論を体現するには、チームプレイが重要だからである。 ◎まず、企業経営・企業の価値・企業戦略、日本の競争力等に関する、基本的なフレームワークについて学習する。受講者は、こ れらが企業の経営哲学・信条・価値観と不可分に強く結び付いていることを学ぶことを期待される。 ◎ 次に、日本と海外の優れた経営リーダーが「困難に直面した、気付いた、考えた、破壊した、創造した、変革した、組織を動かした」 実例について知る。また、彼等が日本・海外それぞれの経営哲学・企業風土、個々の事業環境の中で、何を重点的に考え、実行したかを知る。同時に、一般に言われているのとは逆に、優れた日本・海外経営リーダーに共通点が多いことについても知る。 ◎授業の後半において、受講者は日本・海外の優れた経営者に関し、講義で感じ、認識したことをチーム内で討議し、発表する。 ◎サブプライム・ローン問題によって明らかになった貿易・金融の新自由主義の破綻、世界の政治経済の地殻変動、地球環境・エネルギー問題、2011年3月に日本を突然襲った大災害と中期的に続く電力不足問題など今、産業人が戦後最も大きな挑戦に直面している状況を考え、持続的成長、価値の創出の為にビジネス・リーダーに何が必要かについて考える。 ◎授業を通じ経営について学び、日本・海外の実在経営者について知り、現在起こっている社会の大きな変化について考えた上で、 自分がリーダーになったら、具体的にどういうリーダーを目指すかについて、チーム討議とクラス発表・討議を行う。その討議・発表と 体験を通じ、リーダーシップのあり方を実感する。 |
授業の詳細3 |
【達成目標】 ◎今日の日本社会の変化のスピードや将来の不透明さは、従来とは違う経営リーダーを求めているが、望ましいリーダーのタイプ は、それぞれ組織が置かれている与件、環境、局面によって異なる。その多様性に考え及ぶ思考の柔軟性の重要性を認識する。 ◎それを涵養するため、受講者は自らある(架空の)企業(ないし組織)について、与件、環境、局面を想定し、望ましいリーダー論 を積極的に展開し、議論する。 ◎他受講者が理解しやすいように、どのように上記の状況説明を明確に行い、望ましいリーダーシップ論を展開し、またお互いに他受講者の考えを理解する。 ◎リーダーシップ論は全人格的な広がりを持つ。技術・知識・目的意識以外に、人に働きかけ、人を動かすために何が必要かにつ いて熟慮し、かつそれを表現する。 |
授業の詳細4 |
【授業計画】 T学ぶ 1:企業経営,企業のフレームワーク、Stakeholder、付加価値、CSR 2:企業価値,資本コスト、キャッシュフロー、株価、ブランド、知的財産、人材、M&A 3:企業戦略,ビジョン、競争戦略、バリューチェーン、コアコンピタンス 4:パラダイムシフト,グローバル化、ネット化、技術と市場の変化、金融自由主義の破綻 5:日本の競争力,IMDレポート、イノベート日本、パルミサーノレポート、GDPからGPIへ U知る/感じる 6:H.Kelleher(Southwest),従業員第一主義、航空業に低料金革命 「優れた経営者」群像 7:W.Johnson(Ritz Carlton),従業員のきめ細かいサービスを経営・ITが全面サポート :Larry Page(Google),タダの事業化で既存企業を破壊 8:柳井正(ユニクロ),99の失敗が1の成功を生む 9:中村邦夫(松下電産),「経営の神様」松下幸之助の遺産である既存組織を破壊 10:発表・討議(チーム制),チームは上の6人のうち一人を選び、「なぜ、○○氏は優れた経営者になれたか」を発表・討議 V考える 11:日本と英米経営者像比較,リーダーの優劣基準の相違 12:企業変革,破壊、変革のリーダー、企業風土、組織の育成 13:パラダイムの新様相と大きな波乱要素,グローバリズムの蹉跌:サブプライム問題と金融新自由主義の破綻・米国/ユーロ の凋落、イスラム世界の波乱、地球環境境とエネルギー、2011東北大震災 14:チーム討議,自分が社長になったら、「どのようなリーダーシップを発揮するか」をチームで討議・案を作成 15:クラス発表・クラス討議,自分が社長になったら、「どのようなリーダーシップを発揮するか」をチームで討議・案を作成
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授業の詳細5 |
【成績評価】 ◎授業への出席 50% ◎企業の目的・価値、およびリーダーシップについて、 AA:大変よく理解している、 A:よく理解している、 B:概ね理解している、 C:さらに努力が必要 |
授業の詳細6 |
◇参考書 ◎「チェンジリーダーの条件」、P.F.ドラッカー、ダイヤモンド社(2000年) ◎「イノベーションのジレンマ」、C.M.クリステンセン、翔泳社 ◎「帝国以後」、エマニュエル・トッド、藤原書店(2003年) ◎「マネジメントの本質」,関根次郎,東洋経済(2004年) ◎「資本主義はなぜ自壊したのか」、中谷巌、集英社、(2008年) ◎「デフレの正体」、藻谷浩介、角川書店(2010年) ◎「日本という価値」、佐伯啓思、NTT出版(2010年) |
授業の詳細7 |
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授業の詳細8 |
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授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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