科目名 |
環境科学概論 |
担当教員 |
村上 雅博 |
対象学年 |
3年 |
クラス |
学部:専門001 |
講義室 |
B107 |
開講学期 |
2学期 |
曜日・時限 |
月4,木4 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
|
備考 |
|
授業の詳細1 |
授業の目的 地球の豊かな自然と生態系を守り、自然と調和した豊かな社会を築くためには、我々の地球と地域の環境の状況を知り、どのように変化していくかについて考察することが必要である。本講義は環境のなかでも特に地球環境問題に焦点をあて、基本的なコンセプト”Think globally and act locally”にもとづいて、自然・社会環境の保全・再生および自然災害の対策のプロセスに関わる基礎的な知識と理解力および応用力を身に付けることが目的である。
授業の進め方 地球環境問題や自然災害に対し適切な対応ができれば、水資源の適切な管理、農林水産業への活用など自然現象を社会経済活動に有効に利用できることにもなり、持続的に環境と共存する生産活動のあり方や政策は人類の生活に結果として好影響を与えることが期待されているので、地球温暖化と生物多様性保全に代表される地球規模環境問題に関する問題解決型の事例プロジェクトを組み入れて解説する。 授業の各回のテーマごとに主にインターネット(Web, http::/)に掲載されているオフィシャルな環境問題に関する情報や資料から選んだテキスト(配布資料)を参考にする。当日の講義内容にかかわるキーワードを5ケ書き出し、テキストから選んだクイズ形式または穴埋め形式の問題を解く課題演習を授業の最後に行うが、それらの成果は出席確認と合わせて成績評価の一部に含まれる。 授業の各ユニット(気圏(1,2,3)、水圏(1,2,3)、地圏(1,2,3)ごとに3回の小テスト(毎回の授業の最後に行う穴埋め形式の知識問題演習と類似)、最後に論文テストを実施する。
達成目標 ●地球環境問題の主要なテーマ(人口問題、温暖化、気候変動、生物多様性など)に関する基本的な用語と内容を理解し説明できる。 ●我々の社会生活に係わる地球環境の問題の所在を見出して課題を論理的に整理し、文章(小論文)に主張をまとめることができる。 ●自身で地球環境と人間・社会のあり方および問題点の所在や課題について考え、自分に何が出来るかを含めて問題解決のアイデアや方法および戦略を総合的に考察する力をつける。 |
授業の詳細2 |
授業計画 1. 地球環境システム序論: 本授業の目的・進め方・到達目標、評価基準、参考資料について説明しながら、各講義(1〜15)内容の概要を解説するが、その中から、自身が関心を有する「環境問題」に対するテーマを一つ選び、その所感(なぜ興味を持ったか?)を課題シートにまとめる<300字>。
2. 地球環境システム: 気圏(1) 地球温暖化のメカニズムとエネルギー(CO2)問題: なぜ地球は温暖化するかについて解説する。気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change、IPCC)と京都議定書について学ぶ。不都合な真実とは?
3. 地球環境システム: 気圏(2) 地球気候システムのしくみと生物多様性問題: 地球温暖化と気候変動の関係について解説する。地球シミュレータ(GCM)による地球規模気候変動の将来予測。地球温暖化の影響(気温上昇・降水量変化)⇒生物多様性変化⇒人類の危機
4. 環境科学ビデオ演習(1) 「NHK:深層海流」、小テスト(1)(講義1-4)
5. 地球環境システム: 水圏(1) 地球規模気候変動と自然災害の脅威: 地球温暖化の進展にともなって不規則に変化する降水量と自然災害について解説し、頻発化・深刻化する洪水と渇水の被害の実態について学ぶ。
6. 地球環境システム: 水圏(2) 水と食糧問題: 地球規模気候変動が水資源と食糧生産に与える影響(地球規模気候変動⇒降雨量変化⇒食糧生産への影響⇒食糧の輸出入)についてバーチャル・ウォータの概念を含めて学ぶ。
7. 地球環境システム: 水圏(3) 生物多様性保全: 生態系のゆりかご“湿地帯(氾濫原、湿原)”と湖沼の開発と自然環境保全について解説する。日本の氾濫原および湖沼や湿原の開発と自然再生プロジェクトを生物多様性保全の接点の問題から課題を考える。
8. 環境科学ビデオ演習(2) 宇宙船地球号:オランダの湿地を自然に戻す」、小テスト(2)(講義5-8)
9. 地球環境システムと持続的開発:地圏(1) 地球の歴史と誕生した人類の未来について解説する。 人類が誕生してからの地球の歴史は第四紀に過去4回繰り返された氷河(寒冷)期と間氷(温暖)期の繰り返しである。最も新しい地球の歴史時代(第四紀)を通じて、現代の地球温暖化とは何か?との素朴な疑問。生物の誕生と進化(化石)および放射性同位体元素による年代測定法について学ぶ。 |
授業の詳細3 |
10. 地球環境システムと持続的開発:地圏(2) 森林環境の保全と再生(流域管理、間伐、水源税、緑のダム)について解説し、森林の二酸化炭素吸収とクリーン開発メカニズム(CDM)について学ぶ
11. 地球環境システムと持続的開発:地圏(3) 我々の日常生活にも係わる廃棄物問題について解説し、ゴミとリサイクルおよび循環型社会(3R: Reduce-Reuse-Recycle)の形成について学ぶ。
12. 環境科学ビデオ演習(3) 「Princess Mononoke (英語版)」、小テスト(3)(講義9-12)
13. 都市の温暖化 地球温暖化とは別のメカニズムで発生する都市温暖化について解説し、変貌する都市熱環境とヒートアイランド・クールアイランドの問題と工学的な対策法について学ぶ。
14. 環境問題の原点: 水俣病問題から考える 〜公害から環境問題へ〜 日本の企業活動と住民生活と環境保全における環境(倫理)政策の課題。戦後の日本の公害問題の原点であるチッソ・水俣病問題を通じて技術者の社会的責任と使命は何かについても学ぶ?
15. 環境科学ビデオ演習(4) 「NHK: 高知工科大学の水循環システム」、最終・論文テスト(講義1-15)
16. 補講:ラップアップ(フリーディスカッション) |
授業の詳細4 |
環境科学ビデオ教材: (1)「NHK:深層海流」、(2)「宇宙船地球号:オランダ農地を自然に戻す」、 (3)「Princess Mononoke (英語版)」、(4)「NHK: 高知工科大学の水循環システム」
テキスト: 村上雅博、“水の世紀”、日経評論社、2003年
参考書: 1) 後藤則行偏、村上雅博、他、”エコブームを問う -東大生と学ぶ環境学-“、学芸出版社、2005年 2) 監修/福岡克也、村上雅博、他、”国際河川と紛争:地球環境データブック2004-05”、ワールドウオッチジャパン, pp.214-221, 2004年 3) Masahiro Murakami, “Managing Water for Peace in the Middle East, Alternative Strategies”, United Nations University Press(国連大学出版局), 1995年<Webから、全文(309頁)を読み込むことが可能、http://www.unu.edu/unupress/unupbooks/80858e/80858E00.htm> 4) Libor Jansky, Masahiro Murakami, Nevilina I. Pachova, “The Danube, Environmental Monitoring of An International River”, United Nations University Press(国連大学出版局), Tokyo/New York/Paris, 2004年 5) 福嶌義宏監修・村上雅博総編集、“地球水環境と国際紛争の光と影”,信山社、1995 6) 蔵治光一郎編・村上雅博、“水をめぐるガバナンス”、(株)東信堂、pp.174-192, 2008年
成績評価:出席・課題演習(15%)、小テスト(45%)、・最終・論文テスト(40%)を総合(100%)して評価する. AA:地球環境システムと持続的開発ついての基本的な知識レベルでの理解ができ,問題の所在を見出した上で、解決の方法にもチャレンジして自身の発想から具体的なアイデアを出し、対策の方法や戦略を示せるポテンシャルがある. A: 地球環境システムと持続的開発についての基本的な知識レベルでの理解ができ,問題の所在を見出した上で解決の方向性を示すことが出来るポテンシャルがある. B: 地球環境システムについての基本的な知識レベルでの理解ができている上で,問題の所在を見出すポテンシャルがある. C: 環境システムについての基本的な知識レベルでの理解ができている
|
授業の詳細5 |
|
授業の詳細6 |
|
授業の詳細7 |
|
授業の詳細8 |
|
授業の詳細9 |
|
授業の詳細10 |
|
|