科目名 |
歴史と人間 |
担当教員 |
放送大学 |
対象学年 |
2年,3年 |
クラス |
学部:人社001 |
講義室 |
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開講学期 |
通年 |
曜日・時限 |
集中 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
「主任講師」 草光俊雄(放送大学教授)、五味文彦(放送大学教授)、杉森哲也(放送大学准教授)
「講義概要」 本科目は、歴史をつくる人間を通じて歴史について考える基礎科目である。歴史を考えるうえで最も親しみやすいのが人間の活動であることから、具体的な人物像を通じて、人間の諸活動が歴史にどう関わっていたのかを考えることとする。そこで、世界史・日本史上で顕著な活動を残した人物を取り上げ、その活動を追うとともに、それを調べ探るための史料や方法、その人物の生きた社会や時代像について講義する。また特論として人間を視点においた歴史のありかたを考える。
「授業の目標」 歴史については中学・高校と学習してきており、特に高校では世界史が必修となっているという現状を踏まえるならば、大学の基礎科目として何がふさわしいのかが問題となる。そこでこの科目では、歴史的なものの見方を養うことに重点をおくが、その際に歴史が人間の諸活動の所産であることから、具体的な人物を通して人間が歴史にどう関わっていたのかを探ってゆくものとする。こうした学習をとおして、専門科目を学ぶ前提としての基礎的な知識や方法を身につけることを目標とする。 |
授業の詳細2 |
1.歴史と人間の関わり(特論1) 歴史を探る意味を考え、歴史がどう書かれてきたのかを中国・ヨーロッパ・日本の古代に生まれた歴史書で探って、歴史と人物との関わりについて触れる。歴史で人間というと英雄の名が思い起こされるが、民衆の存在も重視したい。 【キーワード】歴史書・国家・戦争
2.司馬遷 司馬遷(前145〜前86?)は、前漢時代の歴史家で『史記』の著者。秦漢統一帝国の形成という時代を背景に、それまでの歴史を総括し、紀伝体という独創的な歴史記述の形を考案して著述した。それは中国における歴史記述の基本的なスタイルとなり、中国の人々の歴史認識の基礎となった。その日本への影響にも触れる。 【キーワード】司馬遷、史記、紀伝体
3.聖徳太子(厩戸皇子) 聖徳太子(574〜622)の実像と虚像を通じて、歴史的に人間像がどのように作られていったのかを考える。用明天皇の皇子・厩戸皇子は古代国家の形成期において政治的・文化的に大きな足跡をのこしたが、皇子はその死後に聖徳太子といつしか称されるようになり、後世に大きな影響をあたえるようになった。その実情を探ることにする。 【キーワード】聖徳太子 厩戸皇子 日本書紀 太子信仰
4.源頼朝と北条政子 武家政権を東国に形成したのは、源頼朝(1147〜1199)と北条政子(1157〜1225)の夫婦であった。夫婦で武家政権をどのように形成し、幕府として発展させていったのかを、二人の活動を詳しく記す幕府の歴史書『吾妻鏡』の性格を考えつつ探る。 【キーワード】源頼朝 北条政子 吾妻鏡 武家
5.交流と人間(特論2) 歴史の転換点には、他の文明や文化との交流が大きな意味をもっていた。その交流のなかで大きな足跡を残した人物をとりあげ、その活動を追い、いかに後世に大きな影響をあたえたのかを考える。本章ではモンゴルの襲来をとりあげ、その攻防と影響について考える。 【キーワード】フビライ 北条時政 モンゴルの襲来 |
授業の詳細3 |
6.ルターとクラナーハ マルティン・ルター(1483〜1546)は、ドイツの神学者・牧師で、宗教改革の中心人物である。このルターという人物をとおして、ヨーロッパにおける宗教改革の歴史的意義について考える。 【キーワード】マルティン・ルター、宗教改革、プロテスタント
7.天正遣欧使節 1582(天正10)年、イエズス会東インド巡察師ヴァリニャーノは、日本の有力大名の名代という名目で4名の少年をヨーロッパに派遣した。これが天正遣欧使節であり、16世紀におけるヨーロッパと非ヨーロッパ世界の関係を考える上で重要な出来事であった。この天正遣欧使節を通して、16世紀のヨーロッパと日本の歴史について考える。 【キーワード】天正遣欧使節、イエズス会、ローマ教皇
8.梅津政景 梅津政景(1581〜1633)は、17世紀初頭に秋田藩の家老を務めた人物である。『梅津政景日記』という優れた記録を残しており、近世史研究のうえでは重要な人物として知られている。その生きた時代は、日本の歴史が戦国から近世へと大きく転換した時代であった。この梅津政景をとおして、人物から社会を考える意味をあらためて考える。 【キーワード】梅津政景、日記、秋田藩
9.近代社会と人間(特論3) 「近代」という言葉を検討し、主としてルネサンス以降のヨーロッパ社会において、人間観がどのように変遷してきたかを探る。 【キーワード】近代、ルネサンス、古代、中世、社交、懐疑主義
10.ブルネルとオスマン ブルネル(1806〜1859)は鉄道、橋梁、造船等の建設・建造においてイギリスの産業革命の成果を最大限に活用し、19世紀を代表する技術者。オスマン(1809〜1891)はナポレオン3世治下、パリの都市計画を推進し、今日見られる都市景観を作り出した人物で、近代社会のインフラの整備における一つのモデルを提供した。実際に自らの知力と技術を駆使して近代社会を作り上げていった人々の代表として採り上げる。 【キーワード】ブルネル、イギリス、産業革命、オスマン、パリ、都市計画 |
授業の詳細4 |
11.福澤諭吉 福澤諭吉(1834〜1901)は、近代日本を代表する思想家・教育者であり、その人物像については改めて説明を要しないであろう。福澤諭吉が生きた19世紀という時代は、日本と東アジアにとって、それまでの比較的安定した体制が大きく変化した時代であった。福澤諭吉をとおして、主として19世紀の日本と世界の歴史について考える。 【キーワード】福澤諭吉、19世紀
12.山川健次郎 山川健次郎(1854〜1931)は、東京帝国大学の総長を務め、日本の物理学の基礎を築いた人物である。会津藩の上級士族の家に生まれ、政府留学生としてアメリカのイェール大学に学んだ。妹の山川捨松は、津田梅子とともに明治政府によって派遣された最初の女子留学生である。山川健次郎とその兄弟をとおして、日本の近代化について考える。 【キーワード】東京帝国大学、教育、会津藩
13.ケマル・アタテュルク アタテュルク(1881〜1938)は20世紀初頭のトルコ革命の指導者。トルコ共和国の初代大統領として独裁的な力をもち、日本の明治維新をモデルに言語、教育、文化にもおよぶ大胆な欧化政策をすすめ、脱イスラム国家化をはかった。その後の歴史とあわせ、イスラム世界における近代化のかたちについて考える。 【キーワード】ケマル・アタテュルク、トルコ、イスラム
14.マハトマ・ガンディー インドを大英帝国からの独立に導いたガンディー(1869-1948)。彼は、ナショナリズムを掲げた政治指導者か。人としての道徳と神への真摯な信仰を説いた精神的改革者か。党首や首相にはならず、「マハートマ(大いなる魂)」と呼ばれて尊敬され、「バプー(おじさん)」と呼ばれて親しまれた。そうした彼の人物像を20世紀史の中に位置づけてみる。 【キーワード】ガンディー、インド、独立
15.まとめ―歴史と人間 講義全体のまとめとして、主任講師3名で討論を行い、歴史と人間について考える。 【キーワード】歴史、人間 |
授業の詳細5 |
[成績について] AA:特に優れた成績を示したもの A:優れた成績を示したもの B:良好と認められる成績を示したもの C:合格と認められる成績を示したもの F:不合格
[開講時期] 2学期 ※講義スケジュール及び履修上の注意点は、授業時間割表P39を参照してください。 ・2クォーターの履修変更期間までに、履修登録されている科目以外は、履修す ることができません。 [テキスト] 放送大学より送られてくる資料を使用する。
注意:4年生は原則履修できない。(理由:放送大学の試験結果通知が本学の卒 業判定時期と同時期であるため卒業判定が困難となります。2・3年次での履修 を推奨します。)
(その他何かわからないことがありましたら教務部までお越しください)??? ? |
授業の詳細6 |
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授業の詳細7 |
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授業の詳細8 |
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授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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