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タイトル「2012年度シラバス」、フォルダ「2012年度シラバス?大学共通科目(人文・社会科学等科目)
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 グローバル化時代の人文地理学 
担当教員 放送大学 
対象学年 2年,3年  クラス 学部:人社001 
講義室   開講学期 通年 
曜日・時限 集中  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 主任講師
小林 茂 (大阪大学大学院教授)
宮澤 仁 (お茶の水女子大学大学院准教授)

講義概要
グローバル化がすすむ今日、多様な人間社会はますます複雑に変動し、これをどう認識するかが大きな課題となっている。大学レベルの人文地理学初学者のための入門として、グローバル化にともなう変動とそれに対するアプローチの視角を、今日の世界や日本の多彩な問題を例に、わかりやすく解説する。導入部分につづいて、まず環境や景観に関連するテーマをとりあげ、さらに都市と空間へのアプローチへと進む。その際、環境問題や情報化、福祉、ジェンダーといった現代的課題にも言及する。また多くの回で、近年急速に発展してきたGIS(地理情報システム)の考え方や応用例を紹介し、その現代社会における可能性を示す。

授業の目標
現代の人文地理学の理解に必要な知識を身につけるとともに、変化の急速な社会の理解に有用な地理学的枠組みや手法について概観をえる。またこれらの理解の上に、現代的問題へのアプローチの方法に接することもめざす。あわせて、高等学校までの地理のイメージのリニューアルをはかりたい。
 
授業の詳細2 1.グローバル化と人文地理学 ―人文地理学とはどんな学問か―
グローバル化時代の今日、世界で大きな変動が起こっている。人文地理学の立場から、この変動にどうアプローチするか解説する。とくに「時間と空間の圧縮」といわれる人・物・資本・情報の移動の増大と高速化が、どのように私たちの生活を変化させるか検討する。

【キーワード】
グローバル化、時間と空間の圧縮、空間的制約、インフルエンザ、拡散

2.地理情報の整備と社会
人文地理学研究の基礎である地図は、古くから人間のコミュニケーション手段として意義をもち、今日のデジタル地図にいたるまで、精度を向上させながら整備されてきた。三角測量を主体とする近代地図以降のその発展と社会との関係を考える。

【キーワード】
地図、空中写真、衛星写真、測量技術、地図作製機関

3.GIS革命と地理情報科学
1980年代後半に始まったGIS(地理情報システム)革命は、紙地図からデジタル地図へという変化にとどまらず、地理情報科学を展開させた。この進展を紹介し、GISとは何か、そして、それを支える空間的思考とは何かを解説する。また、新しいGISの展開としてインターネットGISなどについても言及する。

【キーワード】
GIS(地理情報システム)、地理情報科学、空間的思考、インターネットGIS

4.フィールドワークとGIS ─環境研究へのアプローチ─
アフリカの焼畑を事例として、野外調査にGISを活用する方法を紹介 し、地形図・空中写真・衛星データなどを用いた集落立地や植生の変遷の把握、時空間データへの定量的アプローチの有効性を示す。

【キーワード】
アフリカ、焼畑、森林、集落立地、土地被覆、環境動態
 
授業の詳細3 5.日本の森林とグローバル化
グローバル化と環境との関係は一般に直結するものではないと考えられているが、日本の森林の変化と海外からのさまざまな資源の輸入との関係を検討すると、両者が密接に関連していることがわかる。ここ100年間の両者の関係を追いながら、グローバル化とともに起こる環境変化について考える。

【キーワード】
里山、肥料、エネルギー、木材、土地利用変化

6.グローバル化と環境問題 ─黄土高原の退耕還林─
生態系回復をめざす中国の巨大なプロジェクトである退耕還林政策を例に、村落から国家、国際関係にいたるマルチスケールな観点から環境問題への取り組みの現状と問題点を理解する。

【キーワード】
中国、森林政策、造林、農村の変容、木材貿易

7.グローバル化と世界の森林
世界の森林の現状を把握するには、まだ不確定なことが多いことにくわえて、林産物の国際的移動が、世界各地の森林の動向に大きく関与していることを理解し、さらに森林に関する価値観の変化が進行していることを紹介する。

【キーワード】
森林資源評価、森林転換、木材貿易、植林、外来種

8.グローバル化と人口移動
人文地理学では、個人の居住地選択のようなミクロな視点と、国内や国家間の人口移動といったマクロな視点から分析が行われてきた。日本全体や東京での外国人居住と、代表的な世界都市ロンドンでのマイノリティ・コミュニティや日本人居住をグローバルな視点から考える。

【キーワード】
国内人口移動、マイノリティ・コミュニティ、外国人居住、集住地区

9.都市システムと世界都市論
都市システムとは何かを考えながら、国際的な世界都市の特徴と、都市間の結合関係から世界都市システムをとらえる。世界都市論を紹介しながら、世界都市から、グローバルな経済システムの上に成りたったグローバル都市への形成・変容について述べる。

【キーワード】
世界都市、グローバル都市、都市システム、グローバル化

 
授業の詳細4 10.都市の発展と都心空間の変容
都市は20世紀に入り飛躍的に発展した。しかし、発展のなかにも社会経済の変動や災害などのイベントの影響を受けて、都市には成長と衰退のダイナミクスがみられる。先進諸国の大都市を取り上げ、都心空間の変容に注目しながら都市発展の過程を説明する。

【キーワード】
都市の発展段階、都心空間、インナーシティ問題、都心再開発、災害リスク

11.情報化と現代空間
現代の高度に発達した情報通信手段は、私たちの生活のみならず経済活動や社会の仕組みに大きな影響を与えている。情報化がグローバル化の過程を通じて現代社会の空間編成に及ぼす影響について、産業の立地や都市空間の監視をテーマに取り上げて論じる。

【キーワード】
情報化、空間的分業、情報サービス業、電子監視システム、監視空間

12.生活空間と福祉
人文地理学では福祉を考えるにあたり生活空間に注目する。グローバル化の圧力を受けて変化する現代社会の福祉を生活者視点で考えるためには人文地理学の視点や手法の援用が有効なことを具体例に基づいて説明する。

【キーワード】
福祉、生活空間、福祉国家、福祉サービス、バリアフリー

13.ジェンダーと都市空間
社会的・文化的な性としてのジェンダーは、人文地理学が対象とする諸現象の理解においても重要である。都市空間におけるジェンダーのテーマとして女性の日常生活、仕事と子育ての両立、ライフスタイルの選択と居住地決定の関係について考える。

【キーワード】
ジェンダー、時間地理学、仕事と子育ての両立、居住地選択、都市空間

 
授業の詳細5 14.都市郊外にみる現代社会の課題
経済成長とともに成長した郊外は、現在さまざまな問題を抱えている。郊外の発展を経済・社会の文脈と関連づけて説明するとともに、その変容過程からみえてくる現代社会の課題を論じる。これにより、人文地理学が高い社会性をもった学問分野であることを示す。

【キーワード】
郊外、都市空間、市民活動、ガバナンス、社会−空間弁証法

15.人文地理学の発展とGIS
GISは、(電子)地図情報に関心を持つさまざまな学問分野の研究成果が融合してできあがっている。地理学からの貢献は、地理学固有の考え方や分析方法を顧みることによってあきらかになるであろう。それはGISを地理学史の中に位置づけるこころみでもある。

【キーワード】
地理学史、立地分析、地図の重ね合わせ(オーバーレイ)、コンピュータマッピング、地図変換、計量革命
 
授業の詳細6 [成績について]
AA:特に優れた成績を示したもの
A:優れた成績を示したもの
B:良好と認められる成績を示したもの
C:合格と認められる成績を示したもの
F:不合格

[開講時期]
2学期
※講義スケジュール及び履修上の注意点は、授業時間割表P39を参照してください。
・2クォーターの履修変更期間までに、履修登録されている科目以外は、履修す
ることができません。
[テキスト]
放送大学より送られてくる資料を使用する。

注意:4年生は原則履修できない。(理由:放送大学の試験結果通知が本学の卒
業判定時期と同時期であるため卒業判定が困難となります。2・3年次での履修
を推奨します。)

(その他何かわからないことがありましたら教務部までお越しください)??? ?
 
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