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タイトル「2012年度シラバス」、フォルダ「2012年度シラバス?大学共通科目(人文・社会科学等科目)
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 知的財産権と特許 
担当教員 岡田 守 
対象学年 3年  クラス 学部:人社001 
講義室 K101  開講学期 1学期 
曜日・時限 水1  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 講義の目的

本授業は,発明などの知的生産物の保護と活用を目的とした知的財産権の基本事項について習得すると同時に,インターネットと知的財産権,ソフトウェア特許,特許の帰属問題など最近注目を集めている問題を考えることを目標とする.次に,特許や実用新案などの知的財産権を得るためには早期に出願することが大切であるが,同時に出願する前に知的財産権としての要件を備えているかどうかを十分に検討することも重要である.そこで,特許として成立するための技術的要件や,権利を取得するための手続きなどに関する基礎知識を習得する.

講義の進め方

(1)90分の授業形式を基本とする.
(2)ビデオ教材等を視聴してレポート課題を課す.
(2)授業の最終回には試験を行う.

達成目標

1 知的財産権の仕組みを理解する.
2 特許,実用新案,意匠,商標の目的,出願手続きを理解する.
3 ソフトウェアの知的財産権問題を理解する.
4 ネットワーク社会の知的財産権問題を理解する.
5 ビデオ視聴,最前線の知的財産活動の話を通して,今日的な問題を考える.
 
授業の詳細2 講義計画

【ビデオ教材等の視聴とレポートの提出】
1.コピー機の特許戦争
2.特許で世界を制覇
3.人体特許
4.企業の知的財産活動
5. 弁理士の仕事
*授業の進み具合を勘案し1回授業〜10回授業のいずれかの間に入れる。 
授業の詳細3 【授業】
以下のテーマに沿って10回の授業を行う。ビデオ教材等の視聴とレポートの提出5回と合わせて15回の授業を行う。

1.知的財産権とは
歴史の中での知的財産権の話題を易しく概説し,知的財産権の意味を理解する導入とする.次に,人間が入手する情報,産み出す情報と知的財産権の関連について議論し,知的財産権の本質を理解する.

2.知的財産権の目的
産業財産権(特許権,実用新案権,商標権,意匠権),著作権,不正競争防止法に基づく権利の目的について理解する.

3.知的財産権の実体的要件
産業財産権,著作権,不正競争防止法に基づく権利には,どのような実体がなければならないのかという実体的要件について理解する.さらに,産業財産権,著作権,不正競争防止法に基づく権利について,どのような手続きを踏まなければならないのかという手続き的要件について理解する.

4.国際経済と知的財産権
知的財産権が絡んだ経済紛争問題を取り上げ,世界経済の大きな流れの中でプロパテント,アンチパテントの問題を解説し,米国の知的財産戦略を例にして知的財産権の理解を深める.また,知的財産権に関し新聞,テレビを通して多くの報道があり,知的財産権の問題が自分の身の回りにあることを理解する.

5.ネットワーク社会における知的財産権
インターネットに代表されるネットワーク社会の本質は情報のコピー性とボーダレス性という切り口から,知的財産権を巡るネットワーク社会の問題点を考える.具体的には,ディジタルコンテンツの著作権問題,商標権やドメイン名を巡る問題,特許を巡る問題について考える.

 
授業の詳細4 6.特許権と実用新案権
どのような技術が特許や実用新案として認められ,どのような技術が特許や実用新案に該当しないかについて実例に基づいて解説する.また,特許権や実用新案権の権利が及ぶ範囲,権利の有効期間,雇用されている立場で特許や実用新案を出願するときに問題となる職務発明の考え方についても解説する.

7.特許,実用新案の出願手続き
特許と実用新案の出願,審査請求,拒絶理由通知に対する対応など,発明や考案を権利化するための一連の手続きについて解説する.

8.特許出願書類の作成
特許や実用新案の出願に必要な願書,明細書,図面,要約書などの書類の書き方について,簡単な事例に基づいて解説する.

9.特許を巡る諸問題
(1)ソフトウェア特許
コンピュータ・プログラムが特許として認められるようになるまでの歴史的な背景を解説する.
(2)特許権の帰属問題
青色発光ダイオードの特許を例にとり,発明対価の問題を解説する.
(3)人体特許
遺伝子特許をとりあげ,技術開発,派生する倫理問題などについて解説する.

10.特許調査
知的財産権出願の際の先行技術の調査,製品開発の際の他社権利に対する抵触関係の調査など,既出願の知的財産権を調査する方法について解説する.

11.習熟度確認
 
授業の詳細5 ◆テキスト:特に定めないが,※印の参考書をダウンロードすることを薦める.
◆参 考 書: 特許庁ホームページ:「平成xx年度知的財産権制度説明会(初心者向け)テキスト」※
◆『知的財産権』,名和小太郎著(日本経済新聞社)
◆『ネットワーク時代の知的財産権』,澤井敬史監修,倉永宏・小林誠共著(電気通信協会)
◆『デジタル化と知的財産権』(日本印刷技術協会)

成績評価:
試験40%,レポート60%とし,100点満点とする.レポートは授業時間中に書き,その授業が終了するまでに提出すること(それ以外ではレポートを受け取らないので注意すること).
AA:95点以上,A:80点以上,B:70点以上,C: 60点以上,F:60点未満.

履修上の注意:就職活動と授業が重なることが想定される.そのような場合には,授業を優先すること.再試験,追試,レポート課題の補講などは一切行なわないので注意すること.

備 考:
履修前の受講が望ましい科目:特になし.

 
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