科目名 |
現代化学の基礎 |
担当教員 |
角 克宏 |
対象学年 |
1年 |
クラス |
学部:自然001 |
講義室 |
講堂 |
開講学期 |
2学期 |
曜日・時限 |
火3,金3 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
講義目的 化学を特に専門としない理科系学生のうち、少なからぬ学生が、元素記号や化学反応の暗記に対するアレルギーに陥っているようである。このような学生でも化学に興味を持ってもらうようにするには、社会および個人としてみた種々の課題の側面を提示し、各課題と化学の関わりを示し、ついで、化学の中身を解説し、最後に、社会および個人との関わりをあらためて考えるというようにすれば良いのではないかと思われる。したがって、授業計画の各講義のタイトルに社会的な課題を盛り込んだ。もちろん、本講義の主目的は学生が化学の中身の部分に興味を持ち、理解してもらう点にあることは言うまでもない。そこで、化学の中身の部分を副題として示した。その化学の中身としては、原子・分子から始まり、化学結合、モルの概念、熱力学、酸と塩基、有機化学、無機化学、高分子化学、天然物有機化学、生化学というように、幅広い化学の知識を提供する。
講義の進め方 基本的にコンピュータによるプレゼンテーション用ソフトを使って講義を進める. また,各項目にデモンストレーション実験を含めた。
達成目標 分子に関する基礎知識を得て、化学への更なる興味を持つこと. |
授業の詳細2 |
講義計画 1. 空気 − 原子と分子,周期表,化学反応式 空気は原子、分子などでできており,物質の最も簡単な形態を有している。周期表の成り立ちから種々の元素をしり,元素がつくる化合物の化学式および化学反応式など,化学の基礎を学ぶ。 2. オゾン層 − 原子の構造,化学結合1 オゾン層は紫外線によって酸素からつくられるが,つくられたオゾンは更に酸素では吸収できない紫外線を吸収し,地上の生物を守っている。このようなオゾンの性質はオゾンの化学構造に関係があり,化学結合の基礎を学ぶ。
3. 地球温暖化 − 化学結合2,モルの概念,モル質量 なぜ炭酸ガス濃度が高くなると地球温暖化が起こるのか,その化学構造から考える。また,化学を学ぶ上で最も基本となる単位モルについて,講義する。
4. 水 − 分子間力,物質の三態,溶液 水は地球上では最もありふれた物質の一つであるが,化学的に考えると非常に特異的な物質である。水の性質を中心に,物質の三態や溶液について学ぶ。
5. エネルギー・化学・社会1 ― 熱力学第一法則 化学における熱力学第一法則は、ヘスの法則として知られる。ヘスの法則、標準生成エンタルピーについて学ぶ。
6. エネルギー・化学・社会2 ― 熱力学第二法則 熱力学第二法則はエントロピー増大の法則とも言われ,エントロピーの概念、ギブズエネルギーなどを紹介する。
7. 酸性雨 − 酸と塩基 ブレンステッドの酸・塩基について学ぶ。化学平衡における酸・塩基平衡を通じて,pH, 緩衝作用の原理などを学ぶ。
8. 電子移動で取り出すエネルギー − 酸化還元反応,電気化学 酸化と還元について学び,種々の酸化還元反応を理解する。また,電気化学反応を学び,電池を理解する。
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授業の詳細3 |
9. 生命現象の中の金属元素−遷移元素・配位化学 生命現象の中で,酵素が果たす役割は大きく,そのうち,金属元素が関与するものは数多い。そのような生体中での金属元素は,遷移元素であり,それがつくる錯体である。配位化学を基礎とする金属元素の化学を紹介する。
10. 物質科学の世界−金属と固体材料 道具と武器,家と超高層ビル,コンピューターとレーザなどをつくるのに利用できる材料は文明の発展に重大な影響を与えてきた。ここでは,金属と固体材料について学習する。
11. 炭素化学が生み出す世界−有機化学 18世紀に化学研究が始まった当初から,人々は植物や動物から得られる物質が鉱物から得られる物質と異なることに気がついていた。それらは炭素という元素を含んでおり,炭素原子は,1個の炭素原子からなるメタンから数百億個の炭素原子を持つDNAまで,膨大な数の化合物つくることができる。炭素原子の化学すなわち有機化学の世界を概観する。
12. プラスチックとポリマー−高分子化学 20世紀の初め,高分子は存在しないという定説を覆した異端児シュタウジンガーの研究について触れ,その研究が元となり,現在の合成高分子の世界へと広がって行く。種々の合成高分子について紹介する。
13. 栄養−天然物有機化学 現代は飽食の時代であるとよく言われる。我々の体を維持するのに,重要な栄養素に三大栄養素がある。三大栄養素である炭水化物、脂肪、タンパク質について学ぶ。
14. 遺伝子工学と遺伝−タンパク質・DNA 親から子,子から孫へと受けつながれて行く遺伝はDNAによって行われていることを知っている。DNAを化学の立場から眺め,DNAの遺伝情報をもとに,淡白が合成されるメカニズムについて,学習する。
16. 原子力と化学 − 放射化学 東日本大震災による福島原子力発電所の重大事故は原子力との共生に大きなリスクがある事を人々に知らしめた。原子力発電に利用されている核分裂反応について解説し、原子力との共生が可能であるのか考えてみる。 |
授業の詳細4 |
成績評価 講義の中間と終わりに2回レポート(自筆A4・2枚以上)の提出を求める。成績評価は出席率およびレポートの内容に基づき、下記に示したAA, A, B, CおよびFの5段階評価で行う。
評価 AA:出席率9割以上かつレポートの内容評価(AA) A:出席率9割以上かつレポートの内容評価(A) B:出席率8割以上かつレポートの内容評価(B以上) C:出席率5割以上かつレポートの内容評価(C以上) F:出席率5割未満またはレポート未提出者(F)
テキスト:なし |
授業の詳細5 |
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授業の詳細6 |
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授業の詳細7 |
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授業の詳細8 |
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授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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