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タイトル「2012年度シラバス」、フォルダ「2012年度シラバス?システム工学群専門科目
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 固体力学2 
担当教員 楠川 量啓 
対象学年 3年  クラス 学部:専門001 
講義室 A113  開講学期 1学期 
曜日・時限 火2,金2  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 講義の目的:
固体力学1に引き続き,機械・構造物を構成する各部材に生じる応力やひずみについて,より複雑な問題が解けるようにする.
具体的には不安定現象としての座屈問題,応力・ひずみの成分を理解することで任意の面におけるこれらの値を座標変換として
求める,また,変形により蓄えられるひずみエネルギーを考えることにより部材の変位を求める方法等について学ぶ. 
授業の詳細2 講義の概要
キーワード:座屈,組合せ応力,ひずみエネルギー
不安定な力のつり合いである座屈現象について説明し,変形状態での釣合いより「たわみ」の微分方程式を導き,その解より限界荷重を求める.
次に応力の成分について解説し,これまで学んだ単軸応力状態から2軸応力状態への拡張を行う.さらに任意の面に作用する応力を求める方法を
解説する.最後にひずみエネルギーを導入しこれに関する重要な定理である相反定理,カスティリアノの定理を利用して部材の変位を求める方法
を解説する.
 
授業の詳細3 達成目標:
1.長柱の座屈荷重を求めることができる.
2.モールの応力円等により任意の面に関する応力やひずみ,また主応力,主ひずみを求めることができる.
3.簡単な場合における部材に蓄えられるひずみエネルギーを計算できる.
4.カスティリアノの定理を用いてはりの不静定問題や薄肉曲がりはりの変位を計算できる.  
授業の詳細4 講義計画:
1回目 授業科目説明,不安定な釣合い
講義の目的,評価方法の説明:講義の内容および目的,また1,2年生で学んだ物体の変形,固体力学1との関係等について説明する.
剛体についての不安定状態をモデル化し,臨界荷重の概念を理解する.

2回目 オイラーの座屈荷重
長柱の座屈問題に対するオイラーの座屈理論に基づき,たわみの微分方程式を導出しその解を求め,座屈問題が固有値問題であることを
理解してもらう.また座屈荷重を計算できるようにする.

3回目 端末条件の影響
長柱の支持条件と座屈変形の関係を解説し,種々の問題の座屈荷重,座屈応力を求める方法を理解してもらう.また,長柱の座屈に関す
る実験公式を紹介する.

4回目,5回目 応力の座標変換
一般的応力成分を説明する.また平面応力状態(2次元応力状態)での力のつり合いを考え,これから応力の座標変換式を導く.主応力
について解説する.

6回目 モールの応力円
任意の面に作用する応力成分や主応力を求めるのに便利であるモールの応力円とその使い方について解説する.

7回目 曲げとねじりを受ける軸
曲げとねじりが同時に作用する軸を考え,相当曲げモーメントおよび相当ねじりモーメントをりかいしてもらう.

8回目 ひずみの座標変換と応力・ひずみの関係
ひずみ成分を応力成分と同様に考えることで主ひずみ,主せん断ひずみを理解してもらう.また,応力とひずみの関係であるフックの法
則の一般化を行う.

9回目 中間のまとめ(8回の授業内容について習熟度の確認を行う) 
授業の詳細5 10回目,11回目 ひずみエネルギー
ばねに蓄えられる力学的エネルギーから一般的な弾性体に蓄えられる弾性エネルギーへと展開させ,引張り,曲げおよびねじりなどの
外力によるひずみエネルギーを導く.これを衝撃問題に適用する考え方を説明する.

12回目,13回目 カスティリアノの定理
荷重の関数として表されたひずみエネルギーから変位を求めるカスティリアノの定理について解説し,これをはりの不静定問題に適用
させて解く方法を述べる.また薄肉曲がりはりのたわみを求める方法を説明する.

14回目 まとめ(授業内容について習熟度の確認を行う)

15回目 総括
本授業科目の復習を行うとともに弾性論への展望を述べる.
 
授業の詳細6 成績評価
2回の習熟度確認における問題を解答した学生に対し以下の基準で成績を評価する.
(正当な理由なしに習熟度確認を行わなかった受講生への補講は行わない.)

◆AA:2次元問題において,任意の面の応力あるいはひずみを求めることができる.カスティリアノの定理を応用してたわみを求めるなど
高度な問題が解ける.

◆A:種々の端末条件でオイラーの座屈応力を求めることができる.モールの応力円から主応力などを求めることができる.など達成目標
に到達する学力を有している.

◆B: 簡単な問題での座屈荷重や,単純な部材のひずみエネルギーを計算できる,など達成目標にほぼ到達する学力を有している.

◆C:モール円が描ける,引張りを受ける部材のひずみエネルギーが計算できるなど必要最低限のレベルに達している.

また,提出された課題レポートを,これら評価を行う際の参考に用いる. 
授業の詳細7 ◇テキスト
JSMEテキストシリーズ 材料力学 日本機械学会 発行:丸善 
  ISBN978-4-88898-158-3 C3353 \1,886

◇履修上の注意:
平成20年度以前の学生(知能機械システム工学科の学生)は「物体の変形」および「固体力学1」の単位を修得していることが履修の条件となっています.
関数電卓を持参すること.
 
授業の詳細8  
授業の詳細9  
授業の詳細10  


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