科目名 |
機械力学2 |
担当教員 |
井上 喜雄 |
対象学年 |
3年 |
クラス |
学部:専門001 |
講義室 |
A113 |
開講学期 |
1学期 |
曜日・時限 |
月3,木3 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
講義の目的 ロボットや自動車などの機械システムや人間の運動を式で表わすためには,剛体(形と質量を有する変形しない物体)を用いた表現や多自由度での表現が必要になる.ここでは,ロボットのように複数の剛体が結合されているような系の動力学を学習することを念頭におき.その基本となる剛体の並進および回転運動,ならびに多自由度系のあつかいかたについて学習する.そのなかで,重心を用いた表現が非常に有効であることやエネルギーを用いればロボットのような系や減速機が存在する系の運動方程式の導出が容易になることを学習する.また,多自由度の運動や振動を解く場合には,1自由度系で学習したことの延長線上ではあるものの,新しい概念を追加する必要があることを学ぶ. |
授業の詳細2 |
講義の進め方
まず,1つの剛体の2次元運動は,重心を用いれば並進と回転を独立にあつかうことができるので非常に便利であることを学習する.次に,エネルギーと運動方程式の基本的な関係を理解するとともに,エネルギーを用いれば,複雑な系でも容易に運動方程式を導くことが可能であることを学ぶ.これらの手法を簡単なロボットや自動車の駆動系やサスペンションのモデル化に応用し,その有用性を理解する.適宜演習を入れて内容に理解を深める. |
授業の詳細3 |
達成目標
1.重心の並進と回転による剛体の運動の記述の考え方を理解する. 2.エネルギーを用いた運動方程式の導出の考え方を理解する. 3.多自由度の運動方程式記述の考え方を理解する. 4.上記の考え方を簡単な問題に応用し,現象を理解する. |
授業の詳細4 |
講義計画 1 ロボットや人間の動力学と剛体の運動方程式 人間型ロボットを例に,剛体を用いた運動の記述方法の概要を示す.このような問題の運動方程式は,エネルギーを用いたほうが導きやすいこと,エネルギーを用いる方法は自動車の駆動系のような問題にも応用できることなど,機械力学2で学習することに意義を解説する.
2 動力学と運動学 幾何学的な関係のみを記述する運動学と力のつりあいから動的な現象を明らかにする動力学の違いを示す.また,ヒューマノイドロボットの動歩行では動力学を考えなければ理解できないことを理解する.
3-4 剛体の2次元運動の運動方程式 剛体の重心の求め方や慣性モーメントの求め方を復習した後,重心の並進と回転で現象を記述すれば運動方程式を非常に簡単に表現できることを,フリーボディダイヤグラムを用いて学習する.
5 エネルギーと運動方程式 運動エネルギーとポテンシャルエネルギーは運動方程式と密接な関係にあることを示す,一方がわかれば,他方を求めることは容易であることを理解する.
6-9 一般化座標とラグランジュの方法による運動方程式の導出法 ロボットのような問題の場合には,直交座標系を用いるよりも,関節の角度を変数として使用したほうが便利な場合が多い.そのような変数を運動方程式の座標として用いる場合を一般化座標と呼んでいること,また,一般化座標を用いる場合には,エネルギーを用いる手法の一つであるラグランジュの方法による運動方程式の導出法が便利であることを学ぶ. これまで学習したニュートンの方法やフリーボディダイヤグラムを用いる方法との比較も行なう.
10-14 ラグランジェの方法のロボット,自動車への適用 ラグランジェの方法をロボット,減速機を有する自動車の駆動系,自動車のサスペンションなどにおける動的な問題に適用する.
15 これまでの講義内容の理解度の確認 |
授業の詳細5 |
教科書(一部のみ) 岩壷・松久編著,振動工学の基礎,森北出版(1年次の運動と振動で使用したもの).教科書にない部分は,プリントで補足 |
授業の詳細6 |
成績評価:
試験とレポート(宿題と演習)を総合して評価する.評価基準は以下の通りである.
AA 授業内容のすべての本質を理解できる A 授業内容のすべてをおおむね理解できるか,または,授業内容の大半の本質が理解できる. B 授業内容の大半をおおむね理解できる. C 授業内容について最小必要限の理解ができる. |
授業の詳細7 |
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授業の詳細8 |
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授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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