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タイトル「2012年度シラバス」、フォルダ「2012年度シラバス?システム工学群専門科目
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 通信概論 
担当教員 野中 弘二 
対象学年 2年  クラス 学部:専門001 
講義室 A101  開講学期 1学期 
曜日・時限 月2,木2  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 講義の目的:
情報通信技術は,現在の高度情報化社会を支える基盤技術である.電信や電話に始まった電気通信・情報通信は150年程の歴史を経て,今や多様な形態を取り急速に変化しつつある.本講義は電気通信システムの入門編であり,電気通信に対する基礎的知識を得ること,そしてより高度な情報通信システムやネットワークを理解するきっかけとなる最低限の知識を身につけることを目指す.
具体的には通信に用いられる信号の仕組みを主にアナログ通信を例にとり学習し、情報通信接続の仕組みも学習する。
情報通信関連に興味を持つ者に対しては、授業科目「通信処理概論」,「アナログ・ディジタル通信」,「光通信システム」,「通信方式」,「電磁波・光波」,「電波法規」,「通信機器概論」の講義を受けるための入門編的講義となる.
本講義は第1級陸上特殊無線技士,第2級海上特殊無線技士,または第3級海上特殊無線技士の資格を取得するのに必要な科目の1つである.

 
授業の詳細2 講義の進め方
  
講義と適宜行う小テスト、演習により理解を深める.

達成目標
本講義の目標は,電子工学を学ぶ者が知識として最低限必要とする、電気通信の基本的仕組みについて主にアナログ方式を主体として理解することである.その主要な内容は、
1)通信の歴史と接続の仕組み 、 2)振幅変調や角度変調によるアナログ変復調方式,2)信号波形(時間領域)と周波数スペクトル(周波数領域)を関係づけるフーリエ解析である.
これらの概念を理解することを達成目標とする.
 
授業の詳細3 講義計画
  
1.通信とは,および通信の歴史
 講義の内容,目標,進め方について説明した後,情報を伝達するための手段としての通信の歴史を概観し,どのように変遷してきたかを理解することによって,これから学ぶ内容について把握する.
2.通信工学の基礎
 情報信号がどのように流れて行くのかを学び,通信の基本的構成である送信機,変調,伝送,受信機,復調などの用語や数値表記について理解する.またアナログ信号(情報)について周波数,周期,位相,振幅について理解し,信号の表現法について習熟する.

3.信号解析−1 フーリエ級数
 電気通信において最も重要かつ基本的な技術である,信号の変調の理解に必要な数学的取り扱いについて理解する.変調の必要性,変調方式の種類などについて学ぶ.具体的変調方式として振幅変調(AM)について数学的な表現法を理解する.
4. 信号解析−2 フーリエ変換
5.信号解析−3 畳みこみ積分ちおフィルタ


6.アナログ変調−1 振幅変調
電気通信において最も重要かつ基本的な技術である,アナログ変調の必要性,変調方式の種類などについて学ぶ.具体的変調方式として振幅変調(AM)について数学的な表現法を理解する.

6.アナログ変調−2 振幅変調
振幅変調についてさらに議論を進め,通常のAMについて時間波形とスペクトルについて学び,さらにDSB,SSBなどの高度な振幅変調について理解する.振幅変調の長所,短所,また具体的変調回路,復調回路について,その原理を理解する.

7.角度変調と周波数変調
 アナログ変調の別な変調方式として角度変調方式を理解する.特に周波数変調(FM)についてその特徴,変調回路,復調回路などを理解し,一般的な角度変調の特徴を学ぶ.
これまでの講義について理解度を確認する。
 
授業の詳細4 8.アナログ通信方式
 実際のアナログ通信方式の1つとして放送についてとりあげ,アナログ通信における多重化の概念,有線,無線など各種伝送路の伝送特性などについても理解する.
9.時間領域と周波数領域
 通信システムを理解するのに重要な手法であるフーリエ解析を用いて,情報信号の時間領域と周波数領域との関係を理解することにより信号帯域の概念を理解する.
10−11.パルス変調とパルス符号変調
 ディジタル信号およびディジタル通信方式の理解で最も重要な標本化,量子化,符号化によるパルス符号変調を学び,アナログ−ディジタル変換,ディジタル信号の変復調技術や多重化について理解する.
12−13.ディジタル通信方式
 PCM通信の特徴や様々な過程で発生する雑音について理解するとともに,ディジタル通信方式の基本構成と実際の方式について理解を深める.再生中継伝送,中継器の役割(3R機能)などの技術について学ぶ.
14.多重通信方式
 周波数分割多重方式,時分割多重方式について基本的な概念を学び,ディジタルハイアラーキの意味を理解する.また伝送速度と情報量の関係について理解する.
15.まとめと光通信方式
 これまで学んで来たことをまとめるとともに,現在および将来に渡って重要な光ファイバを用いた光通信について解説する.基本的システム構成と用いられている装置やデバイス,および光ファイバでどのように信号が伝送されるかについても学習する.
16.これまでの講義について理解度を確認する。

 テスト
 講義中に行う確認演習、講義終了後に行う最終テストにより通信の基本的構成や重要な基礎的技術の理解度を確認し,成績評価を行う.

テキスト:
『通信工学』,木村磐根著(コロナ社,2010)ISBN978-4-339-01203-3

参考書:
◆『大学課程 情報伝送工学』,武部・田中・橋本共著(オーム社,1997)
◆『通信工学通論』,畔柳・塩谷共著(コロナ社,1994)
◆『光ファイバ通信入門』,末松・伊賀共著(オーム社,2007)

成績評価:
適宜行う小テストと最終テストにより理解度を評価する.
AA:達成目標に掲げた内容をほぼ完全に理解している.
A :達成目標に掲げた内容の80%を理解している.
B :達成目標に掲げた内容の70%を理解している.
C :達成目標に掲げた内容の60%を理解している.
F :Cに達しない.

 
授業の詳細5 事前学習:
日常使っている電話などの通信の仕組みを理解しようという好奇心を持ち,教科書および講義を中心として予習をおこなうこと.
指定した教科書のフーリエ級数の取り扱いについてあらかじめ理解しておくこと。

備考:
微光第1級陸上特殊無線技士,第2級海上特殊無線技士,または第3級海上特殊無線技士の資格を取得するのに必要な科目.

 
授業の詳細6  
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授業の詳細8  
授業の詳細9  
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